2011年10月15日土曜日

9.29 千葉土建の知事要請書

要請書


千葉県知事 森田 健作 殿

2011年9月29日
千葉土建一般労働組合
中央執行委員長 須木 時夫



 東京電力福島第一原子力発電所の重大事故により大気中に放出された放射性物質は、200km.離れた千葉県内でも水道水や農作物から次々と計測され、とりわけ県北部・東葛地域では大気中及び地表面から高い数値の放射線量が検出される「ホットスポット」といわれる汚染地域が広がっています。

 これらによる健康や生活環境への影響について地域住民の不安が高まるなかで、少しでも放射線量を下げるために、子どもたちが通う学校や保育所で自ら除染作業に立ち上がる父母も少なくありません。私たち千葉土建一般労働組合も除染活動への参加、防塵マスクや資材の提供などを続けています。こうした市民レベルでの除染活動によっても、確実に放射線量が下がることが判明しています。これから落葉の季節を迎えるなかで清掃を徹底することも放射線量の低減に効果的といわれています。

 国の除染計画(「除染に関する緊急実施基本方針」)は、年間1~20ミリシーベルトの区域では、市町村が計画を策定して除染するという、いわば丸投げの方針になっています。そもそも、放射性物質に汚染された“ふるさと”をもとに戻すのは国と東京電力の責任であり、子どもたちの安全や安心して暮らせる日常を取り戻すために、千葉県は市町村や父母らによる除染活動を支援するとともに、国と東京電力に対して、直ちに地域の放射線量の測定と除染活動の実施、汚染された土壌や落ち葉等の収集、仮置き場の提供など強く働きかけてください。

 除染活動には造園、土木をはじめ建設労働者の技能が欠かせませんが、低線量下での安全対策については、国の基準が不十分なことから、どのような働き方をすれば当面安心して働くことが出来るのか、現場の視点も生かした基準づくりが求められます。また、放射能汚染除去作業に従事した市民や労働者に対しては数十年という単位で健康を把握する必要があり、健康管理手帳や相談窓口などの健康管理が出来る仕組みが求められます。



1. 放射線量のきめ細かな測定と、除染を国と東京電力の責任によって実施するよう求めること。

2.自治体や県民、学校等が行う放射線測定や除染活動を県として支援するとともに、除染により生じる土壌等の収集や仮置場を確保するために、国と東京電力に用地の提供や費用弁済を求めること。

3. 除染作業の実施にあたっては地域建設業者、建設労働者の活用を図ること。

4.低線量下での国の安全対策が不十分なことから、国に対して基準づくりを求めるとともに、県として除染作業に従事する労働者、県民の安全対策を検討し徹底すること。

5.放射線に対する県民の不安にこたえるための相談体制の強化と長期的な健康管理が出来る仕組みづくりを検討すること。

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