2010年1月31日日曜日

森田知事 「検察審が受理」市民団体が発表

 市民団体「森田健作氏を告発する会」(井村弘子代表)は千葉検察審査会に「起訴相当」の議決を求めて不服審査を申し立てていたが16日付けで審査申し立てが受理されたと28日、発表した。同会は、森田知事が、知事選で自民党に所属しながら「完全無所属」を掲げて選挙活動をしたことは公職選挙法違反(虚偽事項の公表)にあたるなどと主張し、千葉地検に告発したが、同地検が9月、不起訴処分(嫌疑不十分)とした。同会は「選挙民、市民の目線にたって審査をしてほしい」と話している。

    ────朝日09年12/29────

2010年1月18日月曜日

県不正、97年内部告発文書
    知事給料減額案継続審査

 県が不正経理問題の追加調査結果を公表したのを受け、県議会は定例会最終日の22日、各会派が緊急質問を行った。小宮大一郎総務部長は、1997年に不正経理の方法を明らかにした匿名の内部告発文書があったことを認め、「当時真摯(しんし)に対応していれば、今回のような事態は回避できた可能性はある」と述べた。
 川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)の質問に答えた。文書は県職員を名乗る匿名の人物が書いたもので、「公費の乱用、使い込みの手口は(中略)各課の庶務主任が課長補佐と庶務係長の指示を受け、旅費、時間外、物件購入のカラ伝票を切り、裏金を作ります」などと具体的な方法が説明されている。さらに、「(裏金は)現在の硬直化した予算、財政システムでは支出の困難な事務経費に使われる」などと、今回判明した不正経理の実情と一致する記述もある。
 当時、この文書の内容について、共産党の議員が県議会で事実関係をただしたが、県側は告発者が匿名であることを理由に調査を見送った。小宮部長はこの日、「匿名通報も可能である部分も含め、内部通報制度の周知徹底を図る」と再発防止に力を入れるとした。
 一方、県警の五十嵐邦雄本部長は、「県警では国費支出等について独自に調査をしており、来年2月上旬の公表をめどにしている。職員の処分はその結果を踏まえて対応する」と述べた。
 県の不正経理問題で、森田知事は22日、自らの給料を減額する条例案を県議会に追加提案した。これに対し、議会側は「時期尚早」などと全会一致で総務委員会で継続審査にすることを決めた。
 この日の本会議で知事は、自らの給料の10分の3を3か月(約106万円)、副知事給料の10分の1を1か月(約10万円)減額する条例案を提出した。議案を付託された総務委員会では、委員から「不正経理調査特別委員会や決算審査特別委員会で結論を出していないのに、知事の処分は時期尚早だ」などの意見が相次いだ。
 減給条例案が継続審査になったことについて、知事は「じっくりと審議してもらって、(定例会のある)2月まで議会の判断を待ちたい」と語った。
 12月定例県議会はこの日、総額92億1800万円を増額補正する一般会計補正予算案など14議案を可決するなどして閉会した。

    ────2009年12月23日 読売新聞────

2010年1月16日土曜日

千葉 不正経理追加調査
   緊急質問で『不十分』指摘

 十二月定例県議会は最終日の二十二日、不正経理問題で県が十八日に追加の調査結果を発表したことについて、各会派の緊急質問が行われ、「追加調査は不十分だ」などと厳しい指摘が相次いだ。この問題を受けて知事らの給与を減額する条例案は継続審査となった。 (小川直人)
 緊急質問で、河上茂議員(自民)は「(県議会の)不正経理調査特別委員会や決算委員会の審議が終わっておらず、(減給の条例案を)簡単に認めるわけにはいかない」などと指摘した。
 湯浅和子議員(民主)は「(不正経理処理の)上司の関与が明確にされていない。管理職への聞き取りの状況はどうなっているのか」と質問。県側は「必要に応じてやっている」などとし、詳細は明らかにしなかった。
 川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)は、調査の対象外となった二〇〇二年度以前の不正経理に対する認識をただした。小宮大一郎総務部長は「〇三年度当初にプール金が存在している以上、それ以前にも不正経理があったと推測できる」と述べた。〇二年度以前の調査については「業者側の帳簿がないことなどから全庁的な把握は難しい」と否定的な見解を示した。
 一方、十八日には発表されなかった県警分の調査について、県警は「二月上旬の公表をめどに調査を進めている」と答弁した。
 緊急質問後に開かれた総務常任委員会では、知事の給与を三割三カ月、副知事を一割一カ月減額する条例案について「時期尚早だ」などとして全員一致で継続審査とし、本会議でも承認された。
 閉会後、森田健作知事は継続審査となった減給条例案について、「(過去の不正経理について)私には責任はなく、新生千葉の再構築に向けて私自身の姿勢を示したものだ。議会の判断を待ちたい。(減給額などは)変えるつもりはない」と述べた。
 定例県議会は、補正予算案など県提案の十六議案を可決・承認して閉会した。
 県が十八日に公表した追加の調査結果によると、不正経理の総額は九月公表分を含め約三十六億六千万円に上った。このうち、私的流用などで県に損害を与えた約九億円については、退職者を含む幹部職員ら約四千五百人に返還させるとしている。

    ────東京12/24────




千葉 不正経理、県議会で緊急質問


 県の不正経理についての追加調査結果を受け、県議会で最終日の22日に緊急質問が行われ、議員から調査の甘さや処分の不公平さなどに厳しい指摘が相次いだ。返還金のうち1千万円の負担を求める堂本暁子前知事に対しては、返還額の説明とは別に、不正経理の中身についてのヒアリング調査をしていないことなども明らかになった。県議会の反発を受け、森田健作知事と副知事の減給についての条例案は継続審査となった。
 県議会の緊急質問は1991年の2月議会以来。この日は各会派から1人ずつと無所属議員の計6人が質問した。
 堂本前知事や沼田武元知事らへのヒアリングの有無については、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)が質問した。小宮大一郎総務部長は、2人にヒアリング調査を実施していないと答弁。また関係する県幹部には「納品や使途の確認など必要に応じて行っている」とした。堂本前知事に求めた1千万円の根拠について「調査の全体像を総合的に判断した」と述べた。
 県は97年の内部告発文書について「当時真摯(しん・し)に対応していれば今回のような事態は回避できた可能性があるのではないか」との見解を示し、また2002年度以前について「03年度当初にプール金が存在したことから、02年度以前から行われてきたものと推測している」と答えた。
 調査期間の本庁の課長級以上の幹部職員全員を戒告処分としたことについて、湯浅和子議員(民主党)は「実際に不正に関与した人とそうでない人に差がないのは公平性を欠かないか」と指摘。県は「組織全体で長年の慣例や前例踏襲があり、幹部職員が把握是正しなかったことが大きな原因」と当初からの答弁に終始した。
 森田知事の減給額(給料10分の3を3カ月、約106万円)については、河上茂議員(自民党)が、岐阜県の古田肇知事の減給額約1100万円を例に挙げ、さらに、処分でボーナスへの影響額と返還額をあわせて約110万円減額となる部長よりも少ないとして「これでは県民が納得するでしょうか」と詰め寄った。また、「突然一方的に自分たちだけ減額というのは議会軽視」とも発言した。
 森田知事は議会終了後、報道陣に対し、「(自分の処分は)自ら判断したが、これは不正経理の過去の私の責任を問うものじゃない。私はその時に在任していたわけじゃないので責任はないが、新生千葉の再構築に向けて私自身の姿勢を示した」とした。
 12月議会は22日、一般会計補正予算案を含む13議案を可決、1議案を承認、知事と副知事の給料に関する条例案を継続審査とした。また、請願1件を採択、19発議案を可決し、閉会した。

    ────朝日12/23────

2010年1月14日木曜日

09回顧

  1.「森田節」全開 新知事誕生

「千葉県のポテンシャルは高い!」。
あいさつや講演で「森田節」は常に全開=6月、千葉市内

 「おれがいる限りは千葉県は大丈夫だ!」



 森田健作知事は1日、フジテレビの生番組「笑っていいとも!」で、県民をスタジオ内で見つけると上機嫌に言い放った。「八街のピーナツはナンバーワン」「来年はゆめ半島千葉国体」・・・。県のPRに努める「森田節」は、俳優出身ならではのテレビ映えだった。
 3月の知事選。05年の選挙で堂本暁子知事に6千票の差で敗れた森田氏は、100万票を超す得票で大勝。記者会見や永田町訪問など、新たに誕生した「タレント知事」の一挙手一投足を多くの報道陣とともに追った。
 就任から1カ月そこそこの5月、東京湾アクアラインの通行料の値下げを発表。ETCに対象を限った社会実験という形とはいえ、早くも選挙公約を実現したのには驚かされた。7月には北総線の運賃値下げに向けた地元8市村との交渉も明らかになり、11月に合意を取りつけた。「まずはやってみる」という実行力の一端を見せたと言えるかもしれない。
 だが知事としての手腕を発揮しているのかどうか判断がつかない。アクアライン値下げは実質全額国費任せ。北総線値下げも割引率の低さから、地元では「値下げになっていない」といった批判が少なくない。特産品や観光PRでは精力的に見えるが、三番瀬や地域医療などの問題はほぼ手つかずのままだ。懸案に対しては動きが鈍い。「主戦場」である県議会では、職員のメモを読むのが精いっぱいな場面が続く。
 自民党支部長でありながら「完全無所属」を掲げて知事選を戦ったことに対し、公職選挙法違反の疑いで市民から刑事告発された問題は今も批判が絶えない。嫌疑不十分で不起訴となったが、市民側は検察審査会に不服を申し立てるなど追及は続く。説明を十分に尽くしたのか。森田知事には今一度省みてもらいたい。
 年明けには新年度予算が待ちかまえる。人件費をはじめとする義務的経費を含めた初の本格予算編成で、真の手腕が問われる大仕事となる。県民は森田知事がこの1年で何を学んだかを見ることができるかもしれない。知事には冒頭のテレビでの発言通りに県民を安心させ、言葉負けしないような施策を求めたい。

    ────(小沢邦男)朝日12/24────

2010年1月12日火曜日

「不正経理─百条委」設置合意ならず 決算審査特別委
     ──── 三輪由美ホームページ────

 24日の決算審査特別委員会で、不正経理問題に関する百条委員会を発動せよと私が主張しましたが、合意を得られませんでした。そのことを報じた25日付の「しんぶん赤旗」の記事を転載します。

百条委の発動求める/千葉県議会委/不正経理で三輪議員

 日本共産党の三輪由美県議は24日の千葉県議会決算特別委員会で、県の不正経理問題について追及しました。冒頭、同経理問題の追加調査の結果について「ウミを出し切ったどころかますます疑惑が深まった」と述べ、徹底解明をするためには百条委員会の発動が必要だと強調し、決算委員会で前知事や県幹部、預け金にかかわった業者の証言を求めることを提案しました。
 ほかの委員からは「百条委員会は慎重に」などの発言があり、委員長は三輪委員の提案を「意見として承る」にとどめました。
 決算審査で三輪委員は業者に預けたプール金の期限付き返還や証拠書類の保存の徹底、内部通報の要綱の変更を求めました。




千葉県議会閉会 不正経理調査いまだ不十分
       ────岡田県議────


 千葉県議会は22日閉会し、知事提出の17議案のうち16議案が自民、民主、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党は一般会計補正予算など6議案に反対し、岡田幸子県議が討論に立ちました。

岡田幸子県議
 岡田氏は、一般会計補正予算に盛り込まれた全国瞬時警報システム整備事業費(J-アラート)について防災の範囲を逸脱しているとして反対、館山港整備工事の請負代金の引き上げ契約について不要不急の公共工事であることなどを指摘し反対しました。
 不正経理問題で知事を3カ月の減給10分の3、副知事を1カ月減給10分の1とする条例改正案が追加提案されましたが、全会一致で継続審査となりました。日本共産党は総務常任委員会で「不正問題の調査はいまだ不十分であり、県民は納得していない。さらに解明したもとで知事や副知事にはより厳しい処分が求められる」と主張しました。





不正経理、県予算全体にメスを
        ────小松実────


 昨日の千葉県議会最終日。通常午後1時からの開会を午前10時に繰り上げて、18日の全員協議会に報告された、県庁不正経理の「追加調査結果」に対する緊急質問が行われました。日本共産党は、十分な質問時間の確保を要求していましたが、自民党が反対、持ち時間は、わずか10分に限られました。日本共産党を代表して私が登壇しました。(第一回目の質問はホームページ「政策・論戦集」に掲載)
 以下、23日付「しんぶん赤旗」に掲載された記事を転載します。

予算全体にメスを 千葉県庁不正経理
      ────小松議員が追及────


 千葉県議会閉会日の22日、県庁不正経理問題の追加調査結果に対する緊急質問が行われ、日本共産党の小松実県議が質疑しました。
 小松氏は、県が調査対象を限定したことについて「6年分で86億円、県庁の年間1兆6千億円の比べ0.1%にも満たず、一件落着とはいかない」と批判。県予算全体にメスを入れるべきだと追及しました。県側は「来年度、特別監察を実施する」と答えました。
 小松氏は、今回の県職員の大量処分から県警本部だけが除外されていることを指摘。県警本部長は、国費を含めた調査結果を2月ごろに公表した後に対処することを明らかにしました。
 また、県が匿名の内部通報でも、事実と推察できれば調査するとしたことについて、内部通報に関する取り扱い要綱の改正を要求したのに対し、県側は「趣旨の周知徹底を図る」と答えました。小松氏は、再発防止策として備品購入など必要な予算を措置し、職員の声や意見を吸い上げるシステムの構築を求めました。

   ────「しんぶん赤旗」の記事────
            作成日時 : 2009/12/23 17:23




不正経理、県議会全員協議会で「追加調査」報告
       ────小松実ブログ────


 12月定例県議会の常任委員会予備日の今日、全員協議会が開かれ、不正経理問題について、9月の報告に続く「追加調査」の結果が公表されました。
 「追加調査」によれば、平成20年度の需要費については、約3億1千万円の不正経理が確認され、平成15年から20年までの累計は、32億8千万円になりました。
 需要費以外の「賃金」「旅費」「委託費」等の抽出調査では、新たに約6千万円、県立学校の関係で、平成15年から20年度の需要費に、約2億7千万円の不正経理が発覚しました。
 同時に、職員の処分については、今日付けで、4名を懲戒免職、1人を停職処分とするとともに、本庁課長級以上の全員445名を戒告処分、全体で1783名が処分を受けました。また、森田知事の責任の取り方について、さまざま指摘されてきましたが、「県庁組織全体の責任」として減給3割3カ月、二人の副知事は、1割1カ月となりました。
 全員協議会終了後、私は、地元の千葉テレビや新聞各紙のインタビューに答えて、
1.「追加調査」といっても、対象はこれまでの分を含めて約86億円程度であり、年間1兆6千億円の県予算のほんの一部に過ぎないこと。したがって、これで一件落着とは言えず、再発防止の徹底のためにも引き続き、県予算全体にわたる調査が必要なこと。
2.また、処分については、9月の報告書で示された「処分の基準」が変更され、管理・監督者の責任をより重視したものになったが、厳粛に受け止め、再発防止とお預かりしている税金の適正な執行に努めてほしいこと。
3.再発防止については、すでに実施されつつあるものに加え、「実態に合わせた予算計上の見直し」などが盛り込まれているが、何より、現場の職員の声をよく聞くこと、意見を吸い上げるシステムを構築することが重要だ、と指摘しました。
 今日の「報告」を受けて、県議会は、最終日の22日に、緊急質問を行います。日本共産党は、代表者会議や議会運営委員会などで、十分な質問時間を確保するよう訴えてきましたが、自民党の抵抗で、各党10分という、極めて限られた時間になりました。22日は、午前10時開会。日本共産党からは、私が質問に登壇します。

  << 作成日時 : 2009/12/18 18:50 >>




県庁不正経理
  森田知事自身の政治資金疑惑解明が必要
      ────小松実ブログ────


 15日開かれた千葉県議会総務常任委員会。私は、9月の委員会に続き、森田知事の政治資金の疑惑について質しました。
 問題は、公表された昨年度の「森田健作政経懇話会」(森田知事の政治団体)の収支報告書に記載されている船橋のたきのい幼稚園からの講演料10万円。
 9月議会での指摘に、学事課長は調査を約束していました。「幼稚園は、政治資金として提供したのか」との私の問いに、学事課長は、森田氏個人の一般的講演への報酬だと答弁。
 「しかし、幼稚園側の意図がどうあれ、政治資金として収支報告書に記載されている。訂正されない限り、幼稚園が政治資金を提供したことになるのではないか。」との指摘を、市町村課長(千葉県選挙管理委員会事務局)は、否定できませんでした。
 続いて私が、「幼稚園側は、森田知事に訂正を申し入れたのか」と質問したのに対して、学事課長は、「確認しておりません」との無責任な答弁を行いました。「申し入れていないとすれば、幼稚園側も政治資金としての扱いを認めたことになり、明確な教育基本法違反になるが」との問いには、「幼稚園は一般的な講演への謝礼を出しただけ」との見解を繰り返しただけでした。
 さらに私は、「学事課として、幼稚園を指導したのか」と追及。課長は「特にしていない。幼稚園側から相談があれば応ずる。」との、さらに無責任な答弁を行いました。
 幼稚園が森田氏個人に、一般的な講演の謝礼として支払ったお金なら、これは森田氏個人の所得として申告し、所得税を払わなければなりません。それを承知で、所得税のかからない政治資金としての収入にしたとすれば、「税金逃れ」「脱税」の疑惑が生じます。
 知事自身が、自らの政治資金に関するこうした疑惑について、きちんと説明、あるいは訂正することなく、県庁の不正経理問題について「森田県政のもとでは、こうした不正は許さない」などと力んで見せたところで、とうてい県民を納得させることはできません。
 少なくとも知事として、幼稚園側の迷惑にならないよう、政治資金収支報告書訂正の早急な処理が求められています。

    << 作成日時 : 2009/12/17 20:25 >>

2010年1月10日日曜日

ちばニュース<4>
  県の不正経理 職員意識 県民とずれ

 四月に就任した森田健作知事は、まさかこれほど多く頭を下げるとは思っていなかっただろう。九月と十二月に県の調査結果が発表された不正経理問題。二〇〇三~〇八年度で総額約三十六億六千万円にも上り、県職員ら二千二百四十五人が処分される県政史上類を見ない不祥事となった。
 公金詐欺や業務上横領などで逮捕された県職員は既に四人(うち三人に有罪判決)を数え、さらに四人を県が県警に告訴。最も悪質な私的流用に至らないまでも、職場に置く冷蔵庫や将棋盤、残業時の夜食代などを公金から支出していた事例も判明した。県民から「もう税金を払わない」などと苦情が相次いだのも当然だ。
 県は不正経理の主な原因を「職員のコンプライアンス(法令順守)意識の欠如」と説明。十一月には特別監察などを担う「コンプライアンス推進本部」、外部の弁護士と公認会計士が推進本部への助言などを行う「コンプライアンス委員会」を設置するなど、再発防止に努めるとしている。
 だが、長年の慣習や前例踏襲で、まひしてしまった職員の意識改善には、まだまだ時間がかかりそうだ。森田知事によると、今回の処分に対して「厳しすぎる。冷たい」との声も上がったという。
 確かに、〇三~〇八年度の幹部職員は全員が組織責任を問われて戒告処分を受けるなど、全く不正経理にかかわっていない職員への処分には気の毒な面もある。しかし、「処分が厳しい」と感じる県民は皆無だろう。県庁内の“内向きの論理”は根強く生き残っていると言わざるを得ない。
 森田知事は不正経理について謝罪するたび、「これを機に全部うみを出し、生まれ変わってやる」と繰り返してきた。だが、私的流用とみられながら使途が不明な部分は残っている。今回の調査は消耗品費などの「需用費」が主な対象で、調査対象になっていない費目に不正経理が潜んでいる可能性も否定できない。
 書類が現存していない〇二年度以前については調査すらできず、不正経理が始まった時期は特定できていない。架空伝票を使って業者にプールした公金は約四億二千万円に上り、大部分の返還交渉はこれからだ。
 二十二日の県議会の不正経理調査特別委員会では、ある委員が「問題は今始まったところだ」と述べた。二十四日の決算審査特別委員会では、複数の委員が「まだうみは出し切っていない」と口をそろえた。来年以降に持ち越された解明すべき問題、県民に説明すべき事項は山ほどある。 

    ────(小林孝一郎)東京12/28────





千葉
  信頼回復厳しい道のり 県の不正経理


 イラスト・川田あきひこ 高級料亭でコンパニオンと食事をしながら、何を思っただろうか。週に1回以上の頻度で通い続けたと聞けば、県民から預かった公金に手を付ける罪の意識はなかったに違いない。「私たちはそこまでしていない」と反論する職員もいるだろう。だが公金に対する意識の低さで言えば、一部の職員に限った話ではない。
 県の不正経理は組織的に行われ、2008年度までの6年間で総額36億6100万円に上った。卓球台や将棋盤など業務に必要ない物品を購入したほか、愛人との交際や料亭での飲食に充てた事例もある。この問題での処分者数は、全国最大規模の2245人。詐欺罪の有罪が確定した3人を含む計7人を懲戒免職にし、私的流用の疑いが強い4人を県警に刑事告訴するなど、県政史上前代未聞の大不祥事となった。
 「私がこの業界に入った40年ほど前からあった。(取引業者に代金をプールする)『預け』というのは貯金のような感覚で……」。今年9月、業者と接触した際のノートに、こう記してある。20年以上、プール金を管理していた別の業者も、「県との信頼関係というか、絆(きずな)みたいなものだった」と癒着の実態を証言した。今回、県の調査対象に、02年度以前は含まれていない。「36億円」という巨額は、氷山の一角に過ぎないのだ。
 なぜ、これまで明るみに出なかったのか。1997年1月、県職員労働組合に1通の投書が寄せられた。
 「50億を楽に超える公費が乱用され、幹部職員の飲み食いに消えているだろう。これは立派な犯罪です」。職員を名乗る内部告発だ。議会でも問題になったが、県は「匿名」を理由に黙殺した。この時、県が実態調査に乗り出していたら、03~08年度に不正経理の金額が36億円まで積み上がることはなかったのではないか。
 調査結果を公表してから、県に届いた怒りのメールや電話は2000件を超える。
 「税金は私たちが汗を流して働いた大切なお金。返してほしい」「あなたたちは全員犯罪者です」。こうした声は、他県からも寄せられているという。納税者としては、公金を不正に扱うことや、そうした意識自体が許せないのだろう。
 11月、再発防止のために開かれた県幹部職員向けのコンプライアンス(法令順守)研修会。約300人の幹部職員を前に、壇上で怒りのメールを読み上げた佐藤忠信・行政改革監は、人目をはばからず涙を流した。「誇りを持って仕事をしてきたつもりだが、メールを読んで情けなかった」。県が信頼を取り戻すためには、職員一人ひとりがその悔しさを忘れてはならない。

   ────(福井浩介)(2009年12月26日 読売新聞)────

2010年1月8日金曜日

千葉 仕事始め:県庁で「御用始め式」
    森田知事が職員を鼓舞

 仕事始めの4日、県庁の「御用始め式」で森田健作知事は「虎は千里行って千里帰る。1日で千里の道を往復できる。この1年、私たちは虎のようにガンガン攻める」と寅(とら)年にまつわるあいさつをした。さらに「けつまずいても前に倒れる。前に倒れれば1センチでも前に進む。後ろに倒れれば頭を打って死ぬこともある。私たちは虎のようにどんなものにもまっすぐ頑張る」と持論を展開し、職員を鼓舞した。
 森田知事は「今年は治安、教育、乳幼児医療費など各論に取り組みたい」と新年の抱負を述べ、「どんどん国体をPRし、これに便乗して農産物も観光もアピールする」と話した。


NAA社長は「安全優先で」


 成田国際空港会社(NAA)の仕事始めでは、森中小三郎社長が昨年3月のフェデックス機事故にふれ、「痛ましい事故が二度と起きないよう、すべてに安全を優先して頑張っていただきたい」と職員を激励した。B滑走路用地の未買収地については「北側への延伸は実現したが、問題が根本的に解決したわけではない。年内解決を目標に(買収に)取り組んでいく」と強調した。

    ────【倉田陶子、山田泰正】毎日1/5────




千葉 乳幼児医療の助成拡大など
       知事訓示で意欲


 官公庁や民間企業の仕事始めの4日、森田知事や成田国際空港会社の森中小三郎社長は職員を前に年頭の抱負を述べた。
 森田知事は県庁で幹部職員約300人を前に訓示。今年の干支(えと)の寅(とら)を例に、「県庁への批判はあるかも知れないが、虎のようにガンガン行き、ガンガン攻める。虎のようにどんなものにも真っすぐ前に向かって頑張る」と、職員を鼓舞した。
 さらに、「今年は『動』の二乗で、各論で攻めていこう」と熱っぽく語り、各論の具体的内容として、移動交番の導入や私学助成、乳幼児医療費助成の拡大を挙げた。その上で、「非常に難しいが、難しいからこそやる。必ず成果は出ると思う」と述べた。また、9~10月に県内で開催される「ゆめ半島千葉国体」と全国障害者スポーツ大会「ゆめ半島千葉大会」についても、「どんどんPRしていきたい。私たちのおもてなしの心は選手、関係者、観光客の皆様に届くと信じている」と意気込みを見せた。
 知事室などでは、「県鳶(とび)工業会」の12人が正月らしい「木遣(きや)り」を披露。地曳岩夫会長は「県内の景気が良くなるように歌わせてもらいました」と笑顔で話していた。

    ────2010年1月5日 読売新聞)────





千葉 「今年は各論に力」
      知事年頭あいさつ


 仕事始めの4日、県庁では森田健作知事が、約200人の幹部職員らを前に年頭のあいさつをし、今年は移動交番や乳幼児医療費助成などの「各論」に力を入れる方針を示した。
 森田知事は、不正経理問題などがあった昨年を「県庁にとっても非常に厳しい年」と表現するとともに、東京湾アクアラインの料金や北総鉄道運賃の値下げなどを挙げ、「同時に県庁の皆さんが本当に踏ん張ってくれた成果も出た」と評価。また、昨年は「国をも巻き込んだ大きなことを皆さんと一緒になって、それなりに成果が出た」とし、今年は「各論に攻める」として、治安では移動交番を、教育では私学助成や青少年の心の教育、乳幼児医療費助成などに取り組むとした。
 また、ゆめ半島千葉国体・千葉大会や農産物、観光のPRを掲げたほか、中央や外国、経済界などへの積極的な交流にも意欲をみせた。最後は森田流に、今年の干支(え・と)の虎にちなんで「まさしく千葉県は虎。この一年私たちは止まってはいけない。虎のようにがんがん行く、がんがん攻める。私たちは虎のようにどんなものにもまっすぐ前に頑張る」と熱弁をふるった。

    ────朝日1/5────




千葉 『虎のように攻めよ』
  県庁で仕事始め 知事、職員の士気鼓舞


 県庁で四日、新年の仕事始め式が行われ、森田健作知事=写真(右)=はあいさつで「この一年、私たちは虎のようにガンガン行く、ガンガン攻める」と述べ、今年の干支(えと)にちなんで職員にはっぱをかけた。
 昨年一年間を「動」と表現した森田知事は「今年は『動』の二乗。何事も動かなければ成果はない」と強調。移動交番や私学助成、乳幼児医療費など具体例を挙げながら「難しいが、難しいからやる。必ず成果は出る」と意気込んだ。
 不正経理問題で失った県民の信頼回復については「一つ一つ仕事を全力でやり、私たちが流す汗を見てもらおう」と呼び掛けた。これまで以上に自ら農産物や観光のPRなどに乗り出す姿勢も示した。 (小林孝一郎)

    ────東京1/5────




千葉 前に進み困難打開を
   県内自治体、企業で仕事始め

 
 仕事始め式で、年頭のあいさつをする森田知事(右)=4日午前、県庁会議室
 「虎のように前に進め」「困難な局面を乗り切ろう」。県内自治体や多くの企業で4日、仕事始め式が行われ、2010年が本格的に始動した。激動の時代のかじ取りを任うトップの面々は、年頭あいさつに当たり、抱負や決意を力強く訴えた。

 ○ つまずいても行け 県庁で森田知事
 県庁では、森田健作知事が幹部職員300人を前に「今年は寅(とら)年。まさしく虎は千葉県だ。この1年、私たちは止まってはいけない。ガンガン行って攻める。けつまずいても前に倒れれば、1センチでも前に進める。後ろに倒れると頭を打って死ぬ。私たちは虎のようにまっすぐ前に(進んで)頑張る」と前向きにスタートを切るよう訴えた。
 また、不正経理問題で失墜した信頼の回復に向け、「今は批判があるが、私たちの汗を県民が見たなら、必ず千葉県は生まれ変わったと言ってくれる日が来ると確信している」と職員を勇気づけた。

    ────千葉日報1/5────

2010年1月6日水曜日

激動の県議会報告会のお知らせ

────「愛国心」教育を阻止し、
    県民要求を実現しよう────


 森田知事は年頭のあいさつで、“今年は「各論に攻める」として、治安では移動交番を、教育では私学助成や青少年の心の教育、乳幼児医療費助成などに取り組む”と抱負を語りました。
 知事は、マニフェストで「心を育てる教育」に全力投球!「教育現場での国旗掲揚・国歌斉唱の徹底化、日本を嫌いになるような歴史教育の見直し、武道や伝統文化の奨励」を強調しています。
 戦前は「愛国心」「道徳」教育で、教え子を戦場におくり、日本は破滅しました。その誤りをくり返さないため、戦後教育が生まれました。
 森田知事は、その戦後教育を否定し、再び「愛国心」教育を千葉県で実践する構えです。
 このような緊迫する情勢のもとで、先の県議会では日本共産党県議団が県民要求とともに「不正経理」問題を厳しく追及しました。
 また、「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」は12月3日、森田知事当選後3回目の「県民要求実現、金権腐敗一掃」知事要請行動を200人規模で行いました。
 議会内外のたたかいで県民要求実現と「愛国心」教育阻止、金権腐敗を一掃させるため、12月議会報告を小松実県議団長が行います。
 みなさんの参加をお待ちしています。

とき 1月19日(火) 午後6時半より

ところ 自治体福祉センター 4階 大会議室

内容 12月県議会報告会

講師 小松実 県議団長

交流 各団体の情報交換