2010年8月30日月曜日

千葉 波乱含みの“見切り発車”
白井市負担金めど立たず
 北総線きょうから値下げ

 成田スカイアクセスの開業に合わせ、北総鉄道はきょう17日から、平均4・6%の運賃値下げを実施する。値下げの原資は、県と沿線6市の合意に基づき、自治体と北総鉄道が折半で負担することが決まっているが、白井市議会が同市負担分の補助金約2600万円の支出を認めなかったため、同市負担分は穴があいたまま波乱含みのスタートとなった。同市が負担金を支出するめどは立っておらず、値下げを継続できるかは不透明な状況で、“見切り発車”の値下げに県や関係団体は困惑を隠せない。

 同社が運賃を値下げするのは1979年の開業以来初めてで、17日から普通運賃が4・9%(10~40円)、通勤定期が1・1%、通学定期が25%値下げされる。初乗り運賃は現行200円から190円に、京成高砂-千葉ニュータウン中央駅間では現行740円から700円に引き下げられる。

 運賃値下げに向け、県と白井、印西、市川、船橋、松戸、鎌ケ谷の沿線6市は昨年11月、年間計3億円を5年間補助することで正式合意。北総鉄道が負担する3億円と合わせた6億円を原資として、成田スカイアクセス開業時に運賃値下げを実施することが決まっている。

 しかし、白井市を除く5市が市議会の議決を取り付ける中、白井市議会は3月議会で同市負担分の補助金支出の関連議案を否決。再提案された6月議会でも支出を認めず、同市負担金の予算措置は困難な状況になっている。

 こうした事態に、昨年3月の知事選で北総線運賃値下げを公約に掲げていた森田健作知事は「値下げ分だけただ乗りするのは許されない」と不快感をあらわにし、「政治生命をかけて約束を履行すると言った横山久雅子白井市長の考えを待つ」と同市の対応を注視している。

────千葉日報8/18────

2010年8月28日土曜日

【千葉】スカイアクセスが走る北総線
乱れる足並み 補助金めぐり沿線自治体

 17日、成田空港駅に到着した新型スカイライナー1号。開業した「成田スカイアクセス」も北総線を走っている=成田市で 十七日に開業した東京都内と成田空港を結ぶ新高速鉄道「成田スカイアクセス」。県内では同日から、スカイアクセスが走る北総線の運賃が値下げされた。同線は「運賃が高い」との声が強く、県と沿線六市の首長が補助金支出に合意して値下げが実現した。ところが、白井市議会が支出を拒否し、補助金は交付されないままだ。賠償問題に発展する可能性もあるなど、沿線は揺れに揺れている。
(小林孝一郎、竹内章)


 北総線は京成高砂(東京都葛飾区)-印旛日本医大(印西市)間の三二・三キロ。京成電鉄が子会社の北総鉄道に線路使用料を支払い、スカイアクセスを走らせる。

 北総線の運賃は、例えば印西牧の原-京成高砂(二八・五キロ)で十六日まで七百九十円、十七日以降は七百五十円。同じ距離のJR東日本東京-武蔵小金井(二九・一キロ)は四百五十円、東急電鉄渋谷-南町田(二九・二キロ)は二百九十円だ。

 北総線の運賃をめぐっては沿線住民らが値下げを要望し続け、森田健作知事が昨年三月に値下げを公約して初当選。スカイアクセス開業で値下げする機運が高まった。

 昨年十一月、県と沿線自治体が一年当たり計三億円の補助金を出すことで、北総鉄道と普通運賃を約5%弱値下げすることなどで合意した。

 ところが、白井市議会は三月、「(高い運賃の)抜本的解決への道を閉ざす」として、市負担分の補助金約二千六百万円を削除した本年度予算案を可決。同市が六月に再度提案しても削除した。

 県やほかの五市は支出を可決したが、白井市の負担が決まらないまま、見切り発車で値下げが始まった。 白井市の横山久雅子市長は「今後は県と鉄道事業者と協議する」と繰り返すのみ。森田知事は「横山市長は『政治生命をかけて約束を履行する』と言っている。市の提案を待ちたい」と話す。

 これに対し、北総鉄道は一時期、値下げで生じる減収の損害賠償や、来年度以降の値下げ中止を示唆。現在は「うちは合意に基づいて値下げを実施する。県、自治体側にも履行してほしいとしか言いようがない」と静観するが、先行きは不透明だ。

────東京7/18────

2010年8月26日木曜日

千葉 白井市長の報告待つ北総線問題で知事

 北総線の運賃値下げを巡り、白井市議会が値下げの原資となる北総鉄道の補助金を認めなかったことについて、森田知事は1日の定例記者会見で、知事や沿線6市長が招待されている15日の「成田スカイアクセス開業式典」を前に、横山久雅子・白井市長から今後の対応などについて報告を受けたい考えを示した。
 「市長も政治生命をかけて頑張ると言っている。まずは市長がどのように考えているのか聞きたい」と述べた。
 県交通計画課によると、市議会閉会翌日の30日に横山市長が県庁を訪れ、知事に対して「原資を出し合うとした合意の枠組みは壊したくない。何とか値下げを維持できる方策を協議していきたい」と説明したという。

────2010年7月2日 読売新聞────


『市長の考え聞きたい』 北総線運賃問題


 白井市議会の対応に知事2010年7月2日 北総線の運賃値下げ問題で、白井市議会が北総鉄道への補助金支出を認めなかったことについて、森田健作知事は一日の定例記者会見で、同市の横山久雅子市長が先月三十日に県庁を訪れ「県や他の沿線五市とも値下げを維持できる方策を協議していきたい」と話したことを明かした。

 今月十七日からの値下げをめぐっては、県と沿線六市が補助金を支出して値下げを実現する枠組みを設けた。だが、白井市議会は三月に続き、先月二十九日も補助金を削除した予算案を可決した。

 森田知事は会見で「首長みんなが責任を持って合意したこと。ぜひ履行してほしい」と白井市にあらためて要望。近く県と六市による会合を開き、値下げを維持する方策について「まずは市長の考えを聞きたい」と述べた。

 県交通計画課は白井市の要望を受け、県と沿線六市が協議する日程を調整しているという。

────(小林孝一郎)東京7/3────


北総鉄道:高額運賃問題
 「責任持ち合意履行を」
 森田知事、白井市長に苦言 /千葉


 北総線の高額運賃問題を巡り、白井市が北総鉄道に補助金を出すことを市議会が認めなかった問題で、県と沿線6市が値下げのため応分の負担をする枠組みが揺らいでいる状況を踏まえ、森田健作知事は報道陣に「首長が責任を持って合意したことですから履行していただきたい」と、同市の横山久雅子市長への苦言を口にした。

 県庁内で1日開いた定例会見で述べた。森田知事は「まだ時間もありますから、まずは市長がどのような考えでどのようにしていくのかを聞きたい」として、今後の推移を見守る考えを表明。横山市長が6月30日知事室を訪ねた場面については「市長から『運賃値下げの枠組みは壊したくない。ただ乗りはできない。県や沿線5市とも相談して何とか運賃値下げを維持できる方策を協議していきたい』と話があった」と説明した。 

 森田知事は「履行していただきたい」とクギを刺した上で「(値下げ実施予定の)17日までに何らかの動きはあると思う」と述べた。

────【斎藤有香】毎日7/3────




北総鉄道:高額運賃問題
  広報紙の配布は「行政事務行為」
--白井市監査委員 /千葉


 ◇市民の請求却下 北総線の高額運賃問題を巡り、北総鉄道に値下げのための補助金を支出する意義を掲載した白井市広報紙の配布経費などの返還を横山久雅子市長らに求めた住民監査請求で、同市監査委員は「配布は市の行政事務行為」として、6月30日付で却下した。

 監査請求を行った白井市民5人は、市が5~6月に発行した広報誌計3号に「運賃値下げはみんなの願い」など、市議会が認めていない補助金に対する理解を求める記事を掲載したのは地方自治法に違反するなどと訴えていた。

────【早川健人】毎日7/6────




千葉 北総鉄道:高額運賃問題
 白井市長が陳謝--県と関係市会議 /千葉


 北総線の運賃値下げ問題で、白井市議会が値下げのための補助金支出を認めなかったことを受け、県や沿線6市の副市長らが6日、県庁で会議を開いた。横山久雅子・白井市長が経緯を説明し、合意した補助金支出ができない現状を陳謝した。

 会議は非公開。県交通計画課などによると、白井市からは、合意の枠組みを崩したくないとの意向が示された。県は従来通りの負担割合で補助金を分担すると取りまとめ、各市が持ち帰って検討することにした。出席者から異論は出なかったという。

 横山市長は会議終了後、記者の質問に「再び値上げされないように努力したい」と話した。17日からの値下げについて「受益が白井市にもある。市民に理解していただくことから始めて、これからどうするか市民にも考えてもらうように努めたい」と述べた。

────【森有正】毎日7/7────




千葉 『県の信用なくなる』
 北総線運賃下げ問題で知事


 北総線の運賃値下げ問題で、白井市議会が補助金支出の予算案を認めなかったことについて、森田健作知事は八日の定例記者会見で、「非常に残念だ。千葉県の信用がなくなってしまう」と述べ、県と沿線六市で合意した補助金支出の履行を、あらためて白井市に求めた。

 森田知事は「印西市と白井市の強い要請を受けて、必死になって話をまとめた。今回の機会を逃したら一円も下がらない」と主張。「これは値下げの第一歩。みんなで二歩、三歩といこうよ」と協力を呼び掛けた。 今後の具体的な方策については「『政治生命をかけて履行したい』と言う白井市長の考えを聞きたい」と話し、これまで通り白井市の提案を待つ考えを示した。 

────(小林孝一郎)東京7/9────

2010年8月24日火曜日

ハマコー逮捕────       
 政界を去ってからもトラブル続きだった17年間

 いつか、こんな事態になると予想していた関係者は多かった。“ハマコー”こと、元自民党衆院議員の浜田幸一(81)が逮捕された一件だ。暴言とケンカ、果てはラスベガス賭博で議員辞職だったが、政界を去った後も無軌道ぶりは変わっていなかった。

 今回の逮捕容疑は背任。千葉県警によると、ハマコーは05年6月、千葉市稲毛区の産廃処理会社から2億円の融資を受ける際、担保として差し入れた株券を名義変更を理由に一時返還させると、勝手に売却し、同社に貸付金2億円相当の損害を与えた。本人は「答えるつもりはない」と供述を拒否。突っ張っているというから厚顔無恥ぶりには呆れてしまう。

 政界事情に詳しいジャーナリストが言う。「今回のトラブルは以前から流れていたが、慣れっこになっていたのか、ハマコーさんは特段、気にしたふうでもありませんでした。しばらく前に事務所で会うとクーラーをつけず、数キロのダンベルで腕力を鍛えていた。80歳のじいさんにはとても見えないほど元気でした」

 米ラスベガスのカジノで一晩4億円スッたことが原因で議員辞職に追い込まれたが、その後も反省のそぶりはなかった。当時と何も変わっていなかったのだ。 別の政治ジャーナリストはこう語る。「17年前に政界を引退し、後釜を息子の浜田靖一元防衛相に譲った後も、金銭がらみのトラブルは尽きなかったですね。ITベンチャーの未公開株投資に失敗したり、上場会社の三井埠頭の偽造手形乱発事件では手形の裏書などで10億円ともいわれる損を抱えてしまう。不動産では手付けが流れたり、肩入れしたベンチャー会社が上場前に税金滞納で不動産を差し押さえられて上場の話が白紙になるなどアブナイ話はいくつもありました」

 09年1月、ハマコーはとうとう千葉地裁から破産手続き開始の決定を受けている。債務は総額4億7000万円にのぼった。その5年前の04年に3億円近い所得税を納めた千葉県の高額納税者でもあったし、05年には東証マザーズ上場企業の大株主に名を連ねている。モンゴルの鉱山開発にも積極的だったという話もある。カネの出入りが乱暴で激しかったことだけは間違いない。で、「いつか事件化する」とみられていたのだ。

 そんな男が、テレビの政治バラエティー番組でモテはやされ、茶の間の人気者になっていたのだから、恐ろしい国だ。

 自ら「元ヤクザ」と公言してはばからなかった男を使い続け、1カ月約300万円もの出演料を払っていたとされる民放テレビは、ハマコーの信用力や箔付けに協力してきたことなど素知らぬ顔で、逮捕のニュースを流しているが、猛省すべきだ。でないと、また第2のハマコーが出てしまう。

────日刊ゲンダイ2010年8月11日掲載────

2010年8月22日日曜日

千葉県の男女共同参画推進を妨害
男女共同の基本理念を変質させる「日本会議」のメンバーら

 8月3日に千葉県男女共同参画推進懇話会が開かれた。第三次行動計画を策定するため、22人の委員を改選し、13人の委員でスタートした。
 新たな委員の長谷川三千子・埼玉大学教養学部教授は、右翼のナショナルセンターといわれている「日本会議」の代表委員、また、「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者である。
 また、渡辺利夫・拓殖大学学長・東京工業大学名誉教授は、日本教育再生機構の代表委員・設立発起人であり教科書改善の会世話人でもある。
ご存知のとおり、森田健作知事は、日本教育再生機構の代表委員・設立発起人であり、日本会議と深い関係がある。
さらに、瀧田敏幸・自民党県議は、男女共同参画に対し、自らのブログで「保守政治家として私は断固、「NO」を唱え闘うつもりだ」と豪語している。
 第2次行動計画の骨子は「女性も男性も、人として尊重され、その人らしく生きることが出来、それぞれが個性を認めえあえる社会、そして、平等な社会の実現をめざします」。
 この基本理念が、「男女ともに認め合い、支え合い、元気な千葉県の実現をめざします」に変えられました。
発言の中でも「学校における男女平等教育・・・あくまでも、男女はそれぞれの特性があり、平等はそぐわない。
共同参画が大本だから、変えるべき」「審議会などへの女性の進出についても目標値を設定する必要はない」など、第二次策定時との違いは歴然としている。
 この動きを運動と世論で阻止し、男女平等をすすめる必要がある。





千葉県男女共同参画推進懇話会のメンバー


1.設置の目的

男女共同参画社会の形成に関する施策の企画及びその推進についての意見をいただくため、千葉県男女共同参画推進懇話会を設置しています。

千葉県男女共同参画推進懇話会設置要綱(PDF:67KB)

2.委員の構成
(任期:平成22年7月1日~平成24年5月31日)

有識者

長谷川三千子 埼玉大学教養学部教授
原田壽子 立正大学名誉教授
渡辺利夫 拓殖大学学長・東京工業大学名誉教授
増谷信一 柏駅周辺防犯推進協会会長
大川玲子 日本産婦人科医会千葉県支部理事
松永敏子 (社)千葉県看護協会会長
綾部立子 アグリライフちば会長
中井節子 生活協同組合コープネット事業連合
鈴木洋 千葉県小学校長会会長
関口喜一 日本労働組合総連合会千葉県連合会副事務局長
花澤和一 (社)千葉県経営者協会専務理事
瀧田敏幸 千葉県議会議員
岡田幸子 千葉県議会議員




【2009年12月県議会】
日本共産党 みわ由美議員

 
 自民党提出「選択的夫婦別姓のための民法改正に反対する意見書(案)」への質問への答弁・再質問(12月22日)

答弁者 自民党・瀧田敏幸 

 自由民主党を代表いたしまして、日本共産党、三輪議員の御質問にお答えいたします。
 この議会、私、一般質問をさせていただきまして、その際、ジェンダーフリーについても勉強させていただきましたので、そういったものを踏まえまして御答弁させていただきたいと思います。
 まず、1番目の先進国で同姓を法律で強制しているのは日本だけであり、国連からも是正勧告を受けていることをどう受けとめているのかという質問についてでございますが、その前に、先進国で同姓を法律で強制しているのは日本だけという質問の前提について、我々とは事実認識が異なっていることについて、まず申し上げなければなりません。確かに規定上、すべての夫婦は同じ姓を名乗ることが規定されているので、同じ姓を名乗るよう強制されているという理屈は可能かと思います。では、子供が生まれたら、名前をつけることを強制されているとか、親の姓を名乗るよう強制されていると言うでしょうか。それは単に、そのような規定であるということを強制であるという言葉で言いかえただけで、言葉によって与えるイメージを操作しているだけにすぎません。そもそも夫婦が同姓であることと夫婦が別姓であることは、個々の夫婦が自由に決められるべきものであるという前提がなければ、夫婦同姓を定めた規定が強制であるとは言わないはずです。いずれにせよ、法律上、個人が自分自身の姓について何らかの権利が認められていると考えること自体、根拠はどこにもないと私は考えます。少し理性的に考えればわかると思いますが、姓は他者との関係性によって自動的に決まるものであって、本人の意思によって決まるものではないからであります。
 お尋ねの件についてでございますけれども、ほぼ同内容で、日本共産党の石井郁子前代議士が平成16年6月9日に、政府に対し質問主意書を提出されております。同年6月29日、内閣総理大臣、小泉純一郎名の答弁書がありますので、引用させていただきます。「民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百五十条においては、夫婦は婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称するものとされているが、この規定は、夫又は妻の氏のいずれを称するかを夫婦の選択にゆだねていることから、男女の平等の理念に反するものではなく、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に違反するものではないと考えている。」との答弁でございました。私も、この政府見解と同じ考えであり、答弁とさせていただきます。
 2番目といたしまして、相互の愛情によってのみ結びついた男女が築く家庭が可能になる社会を否定するのかとの質問でございますが、おっしゃられている意味が全く理解できません。我が党の提出した意見書案のどこにそのようなことが書かれているのか、私は今聞いて理解できませんでした。そもそも相互に愛情があるなら、同一の姓の共有に何ら問題はないではないかと私は考えます。先進国の夫婦同姓は、祖先の英知から成長した歴史的な制度であり、それが男性にとっても女性にとっても幸福の最大化がもたらされることが広く正しく、長い年月において了解されているものと認識するものであります。傲慢な一握りの人々の意識と共産主義イデオロギーに基づく発想には正当性はないものと考えるものであります。
 次に行きます。3番、法律的な不平等が解消されるだけでなく、日常生活において男女平等が実現されなければならないとの指摘は、日本社会にも当てはまることではないのかとのことでありますが、この指摘は、いつ、どなたが、だれに対して行ったものでしょうか。このことについても、日本共産党さんと我が党では見解が異なります。そもそも先ほど申し上げた政府答弁にもあったとおり、民法第750条の規定は男女平等の理念に反するものではなく、法律的な男女の不平等とは認識しておりません。また、日常生活において男女平等が実現されなければならないとの指摘は、日本社会にも当てはまることではないのかということでありますが、一般論で言えば、そのとおりと申し上げます。
 ただし、そもそも不平等とか差別とはどういうことなのでしょうか。それは本人の意思や考えに関係なく、一方的に不利な扱いを受けることのはずであります。男女の間で夫婦の氏が選ばれるのに差があるのは、どちらの氏にしてもよいと定めた法律に問題があるからなのでしょうか。どちらを選んでもよいと言われた結果、どちらかに結果が偏るとするならば、そちらが選ばれる何らかの理由があるということで、それが選ばせている側の責任、すなわち法律に問題があるというわけではありません。
 繰り返しになりますが、形式論理学的に申し上げましても、平等は担保されていると考えるのが自然であります。もっと妻の旧姓を名乗る夫婦がふえるべきだという考えを持つこと自体は自由ですし、そういう考え方があってもいいのですが、それがすなわち、現行の民法が不平等とか不公平とか差別だということにはならないと私は考えます。
 4番目の質問でございます。夫婦別姓の国で大量虐殺が次々と起こっているのかとの質問でありますが、質問の趣旨がよく理解できません。我が党の意見書案を読んでいただければわかるはずですが、そういったことは述べておりませんし、考えてもおりませんので、意味の理解できない質問に対しては答弁を控えさせていただきます。
 次に、5番目の質問です。自民党政権がポル・ポト一派を支援したことへの反省はないのかとの質問でありますが、質問4と同様、本意見書案と何ら関係性も認められないため、答弁は控えさせていただきます。

日本共産党 三輪由美議員 2回目の質問

 御答弁いただきましたけれども、全くまともにお答えいただいていないと、こう言わざるを得ません。一番思いますのは、瀧田さんは基本的な文書、お読みになったんでしょうか。女性差別撤廃条約、それから民法の改正について、自民党時代の法務大臣の答申、要綱、本当に読んでいらっしゃるんでしょうかと言わざるを得ませんね。女性差別撤廃条約第16条、ここでは再三―先ほど小泉首相の答弁のことを言われましたけども、違うんです。全くこちらに違反をしているから、世界から大変な批判を受け、是正の勧告を受けたばかりなんですよ。国連の女性差別撤廃条約、当たり前のこの条約について認識を問いたいです。これを是とされているのでしょうか、それとも非とされるんでしょうか。本当に基本的な問題ですので、自民党さんの見解、伺いたいと思います。ちなみに女性差別撤廃条約をつくられて30年、自民党時代に批准して、もう25年になるんですから、きちっとこの点お答えをいただきたいと思います。
 それから、自民党のポル・ポト政権に対する支援の問題、意見書にあなたが自分で書いていらっしゃるじゃないですか。自民党のポル・ポト政権支援、これは1978年8月12日ですよ。イエン・サリ副首相、外相の肩書で自民党の園田外務大臣が会談しているじゃないですか。この点について、自民党のポル・ポト政権支援は明らかじゃないか、はっきりとお答えください。

答弁者 瀧田敏幸
 
 まず、お読みになったのかということでございますけれども、これは全くもって失礼な話で、この答弁をするに当たりまして、適宜勉強させていただきました。
 それから、違反しているから批判を受けてきたと。この国連是正勧告に対して、先ほどの答弁、御納得されないということで、是か非かお答えいただきたいということでございますけれども、これは同じ答弁、繰り返しになりますから、是か非かということで言いますと、先ほど申し上げたとおりでございます。
 以上。
 (「どっち」「是なんですか」と呼ぶ者あり)

答弁者 瀧田敏幸 

 これは全くもって、小泉さんの言ったとおり……。
 (「非ですか」と呼ぶ者あり)

瀧田敏幸(続) だから、聞いてください。明らかに現行民法というのは、差別とか、そういうものを助長するということは一切ないという認識ですので、これは答える以前の問題であります。
 それから、ポル・ポト政権についてもいろいろおっしゃられておりますけれども、この意見書に関することで支援する云々という文言は一切出ておりません。そういったことをよく御認識いただきまして、この夫婦別姓の件とポル・ポト政権支援云々というのは全く関係がないというふうに認識しておるわけで、これについては御答弁は先ほど申し上げたとおりでございます。

日本共産党 三輪由美議員 3回目の質問

 御答弁いただきましたけれども、ポル・ポト政権のことは全く答えられない。自民党さん、まず自分の党の歴史をしっかりと勉強していただきたい。世界の流れに逆行し、国内の女性たちの苦しみにも全く目を向けない、まさに20世紀の異物とも言うべき時代錯誤の自民党さんだと私は申し上げなければなりません。本意見書案が万一採択されれば、これは県政に重大な禍根を残すでありましょう。実に恥ずかしい。撤回を強く求めたいと思います。皆さん、ぜひ撤回させましょう。




男女共同参画を考える会(自民党県連主催)で
長谷川三千子氏が講演


平成15年1月16日(木)午後1時より千葉市内(東横インポートスクエア)において開催いたしました、「男女共同参画を考える会」(自由民主党千葉県支部連合会主催)の講演内容を掲載いたしました。

主催者挨拶 堀江秀夫政務調査会長

【司会・谷田川 元 委員長】
県連が主催いたします公開の講演会にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

私は男女共同参画検討委員会の委員長を務めております佐原市選出県会議員の谷田川元と申します。今日の司会進行役を務めますのでよろしくお願いいたします。
今日は是非公開の場で、条例案の推進派と慎重派の専門家の方々に来ていただいて、公開の討論会を開きたいと、そういうことで企画してまいりました。
しかし、残念ながら、条例推進派の方から、是非この公開討論会に応じていいというお話は、今日現在頂いておりません。
詳しい話はまた後ほどさせていただきますが、少なくとも2月12日が2月県議会の始まりでございます。
ですから、その前までに是非日程の調整がつくならば条例推進派の方々に是非公開討論会に応じていただきたいと、そういう手紙を出しております。
ですから、そういったご返事があれば改めて条例推進派と慎重派の皆さんの公開討論会ができるものと希望している次第でございます。
そういった事情で、今日は予定を急きょ変更いたしまして、千葉県の条例案について非常に問題があると指摘されていらっしゃいます長谷川先生と高橋先生にお越しいただきまして、お二人の先生から講演をしていただき、そして、その後に質疑応答という形を取りたいと思います。
それではまず主催者であります自民党県連の政調会長である堀江秀夫県会議員からごあいさつを申し上げます。

(拍手)

【堀江 秀夫 政務調査会長】
皆さん、こんにちは。
ただいまご紹介いただきました政調会長の堀江であります。
今日は「男女共同参画を考える会」ということで開催をいたしましたところ、このように多くの方々がご参集をいただきまして、本当にありがとうございます。
そして今日は長谷川先生、高橋先生のお二人にお願いをいたしましたところ、快くお受けを頂きました。
そして、今問題になっております県執行部の出されました男女共同参画条例について、あるいはこれから自民党として作ろうとする自民党案、これの参考にということでお願いをしてございますので、皆さんもいろいろと勉強していただきたいと考えております。
千葉県としても、自民党としても、素晴らしい条例を作って、そして県民の方々に喜ばれるような、そういった条例を作るべく努力をしているところであります。
どうか皆さんの今後のご指導とそしてご協力を心からお願いを申し上げまして、あいさつに代えさせていただきます。
本日は誠にご苦労さまでございます。
よろしくお願いします。

(拍手)

【司会・谷田川 元 委員長】
それでは早速でありますが、まず長谷川三千子先生から講演をさせていただきたいと思います。
若干、私の方から長谷川先生をご紹介させていただきます。
長谷川先生は、現在、埼玉大学の教授であられます。
専門分野は哲学(比較思想)、そして日本文化論であります。
東京大学文学部を卒業後、昭和62年から現在の埼玉大学の教授をお勤めになっておられます。
特にこの男女共同参画問題に関しましては、文化問題、フェミニズム批判という形で活発に発言されておられます。
ちなみに先生の祖母に当たられる方が作家の野上弥生子さんであります。
そういった形で、今日は男女共同参画の千葉県条例が非常に問題があるということで先生のご講演をお願いしたところお引受けいただきました。
本当にありがとうございます。
それでは、長谷川三千子先生から約1時間ご講演を頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(拍手)

【長谷川 三千子 埼玉大学教授】

ただいまご紹介にあずかりました長谷川でございます。

今、主催者の方のお話にもありましたように、実は私、今日この会についてのお話を頂いたときには、この男女共同参画社会基本法を作るときの立て役者でいらした大澤真理さんご自身がいらっしゃるので、是非来ないかというお誘いを受けました。
私はもうこれは願ったりかなったりという、そういう思いで二つ返事でお返事を申し上げましたところ、実際にはいらっしゃれないと。
大変がっかりしておりますので、寂しいので、彼女のご本だけ携えてまいりました。
これはここの10年ばかりの間の特に顕著な現象なんですけれども、私ども、いわゆる保守派といわれる人間たちが、さあ、皆さん一緒に議論いたしましょうと、いわゆる革新派と呼ばれる方たちにお声を掛けますと、皆さん逃げておしまいになる。
開かれた保守、閉じられていく革新という、こういう形がここ10年ばかり特にひどくなっている思いがいたします。
ただ、これは私たち自身気を付けなければいけないと思いますのは、どうしてもそういう習慣が付いてしまうと、身内だけに通用するような、そういう言葉で、そういう話をするようになってしまう。
これは、まあ、そういう話し方が身に付いてしまったもので、革新の方たちも嫌がって出ていらっしゃらないんだと思うんですけれども、私はいつも、どんなところでお話をするときにも、今ここに全く正反対の考え方をなさる方がいらしていても十分に耳を開いて聞いていただけるような、そういう話をしようと常に心掛けております。
今日も実は、今日私の分担といたしましては、いわゆる男女共同参画社会の基本法に基づく条例を作るときにどういう心構えが必要なのかという原理論というようなところをお話ししたいと思うんですが、その際にも、本当にこの場に大澤真理さんがいらしても、彼女と対話ができるような、そういう姿勢で話をしていきたいと思っております。
今、ここにお集まりの方々は、こうしてわざわざウィークデーに集まっていただいた方々は本当に関心をお持ちの方々と思いますので、男女共同参画社会基本法に基づく条例を作る。
これがどんな重要な意味を持つのかということは既に十分心していらっしゃる方々だと思うんですが、改めてこれがいかに重要な問題なのかということをここで確認しておきたいという気がするんです。
これは大げさでも何でもなくて、本当に人間観そのものにかかわってくる、いわば哲学的な問題につながる、そういう重大な問題だというふうに私はとらえております。
で、どんなふうに重大かと言いますと、ちょっと耳新しい言い方で、皆さん、おやっとお思いになるかもしれませんが、「人間はどこまで生物なのか」という、こういう問題にかかわってくると思うんです。
もう少し正確に言いますと、人間というものが生物であるというその事実を我々はどこまでしっかりと見極めていったらいいのかという、こういう問題にかかわってくると思うんです。
考えてみますと、本当に人間というのは奇妙な生物ですよね。
例えば今はもう本当に冬の真っ盛り、大寒の、この関東地方でさえぶるぶる震えてしまうような寒い日なのに、今ここはもう本当にぽかぽか、一応上着は着ておりますけれども、上着を脱いでも大丈夫ぐらいにぽかぽかしております。
こんなに広い、我々の何百倍もあるような建物の中に座っている。
これ、何とも思いませんけれども、考えてみたら、地球上の生物で、こんなことをしている生物っていませんよね。
アリがアフリカで大きなアリ塚を作るなんていってびっくりしますけれども、でも、その中にこんなすごい暖房や光があって、そしてお昼間の青空の下のような、そういう生活を楽しめる。
こんな生物はほかにいませんね。
それから、例えば成田に行ってみれば、本当に人間は、我々一人一人2メートル飛ぶのがやっと、多分皆さんの中に2メートルの高さを飛べる方はいらっしゃらないと思うんですけれども、そんな生物があっという間に1日足らずで太平洋を飛び越えてしまえる。
本当に人間というのは考えてみると、もうスーパー生物、ウルトラ生物と言ってもいいような、そういう極めて特殊な生物です。
でも、では我々は本当に生物であることを脱し切ってしまったのかというと、決してそんなことはありません。
生まれ出て、育って、そして年老いて、やがて死んでいくと。
もうどんな生物もこういうサイクルをたどっていくわけですけれども、我々もそのサイクルを全く逃れることはできません。
私ももう本当にそのサイクルの大分終わりの方に差し掛かって、一生懸命髪を染めて入れ歯を入れてごまかしていますけれども、やっぱり生物としての在り方というものを逃れるわけにはいかない。
まあ、言ってみれば人間というものはスーパー生物であるという在り方と、でも、やっぱり生物であるという、この二つに常に引き裂かれて存在しているという、そういう存在者だと言ってもいいかと思います。
で、哲学者というのは、言ってみればその両方を常に眺めながら暮らして生きているわけでして、そういう意味で、人間がどうしても生物として「死」というものを逃れられないと、そういうふうなことがもう二千数百年来、哲学のテーマになってきたわけです。
ただし、それだけではないんですね。
人間が生物であるということに付随したもう一つ非常に大事なことがある。
これは何かというと、人間もまた雄と雌がいて、そして子供を産んで育てていく、そういうほ乳動物の1種類だということなんです。
これは余り古今東西の哲学者も注目してこなかったところなんですが、実は今まさにこれが問題になっているところだという気がするんです。
この男女共同参画社会基本法、ちょっと勉強なさった方は、今いわゆる「ジェンダー」という片仮名言葉なんですが、これが問題の焦点になっているということをあちこちでお聞きになっていらっしゃると思います。
この千葉の条例でもジェンダーという問題をどう取り上げるのかという、このことが大変大きな争点の一つになっております。
私は言ってみれば、この男女共同参画社会基本法の問題点はジェンダーという問題をどう考えるのか、ここに尽きると言っても大げさではないんではないかという気がするんです。
では、そのジェンダーというものはどういう考え方なのか。
これを今ちょっと簡単に、皆さんにとっては復習というような感じになると思いますが、改めて皆さんにご紹介してみたいと思いますが、これは基本的にはこういうことなんです。
確かに人間も生物であると。
で、その生物である、だから男性がいて女性がいる。
性別がある。
パスポートにもちゃんと性別が書かれる。
それはもういわば生物学的な事実、最低限の事実であって、例えばオリンピックでセックスチェックをするときには、ちょっと舌の後ろをこすり取って顕微鏡で見て、XY染色体があるか、XXであるか、それを見るという、本当に生物学的な、人間の力ではどうしようもない区別がある。
それがセックスという区別である。
ただし、我々が今こうやって普通に社会生活を営んでいるときに、例えば今こう見渡しても、ああ、女性の方は何人と、こう、すぐ外から見て分かりますね。
いちいち側に寄って、ちょっとすいません、染色体を見せてくださいなんてやらなくても、女性の方は女性の方、男性の方は男性の方、着ていらっしゃるお着物の色からも、髪型からも、それから仕草からも大体すぐ分かるという、こういうふうになっています。
で、そういう違いはどこから出てきているのかというと、これは決して単なる生物学的な性別ではなくて、そのあと社会的文化的に出来上がってきた、男性の方は背広をお召しになって、これもちょっと何か背広みたいですけれども、よくご覧になるとスカートをはいております。
そんなふうに、男性と女性で着る服が違う。
それから、いろんなお祭りの中でも男性の役割、女性の役割、様々に決まっている。
人間の生活のありとあらゆるところで、男性のもの、男性のやり方、女性のもの、女性のやり方、それが決まっている。
それがジェンダーの区別であると。
これが一番常識的な区別と言っていいかと思います。
で、この例えば大澤真理さんのご主張になっていらっしゃるような考え方というのはどういうものかというと、先ほど言ったスーパー生物、ウルトラ生物という言い方を使わせてもらいますと、人間というものはそもそもスーパー生物であり、ウルトラ生物である。
ここが人間の尊厳である。
だから、できる限り生物学的な性差なんていうものに足かせをはめられずに、スーパー生物振り、ウルトラ生物振りをみんなが発揮しなければいけない。
だから、後から社会的に出来上がった男女の差であるジェンダーというようなものは、もうできる限り振り捨てていくのが一番である。
そうするとそれが日本の活性化にもつながって日本再生の鍵であるというふうなことをおっしゃっていらっしゃるわけなんです。
これは、実はそれだけ聞くと、ああ、なるほどという気もするわけです。
日本人の人口が1億あって、今、大体その半分しか日本活性化のために働いていない。
そのあと半分が全部活性化されたら、これは日本再生になるんじゃないかと、だれでもそんなふうに思いたくなってまいります。
そういうちょっと見、なるほどと思わせられるような議論に惑わされないためにはどうしたらよいのかということを今ここでもう一度振り返ってみたいと思うんです。
実は、先ほど言ったように人間が生物であるというその事実は、単に人間がいつかは死ぬものであるという、そこだけに現れているのではない。
子供を産んで育てて、そしてそれを繰り返していかないと人類はたちまち滅んでしまう。
そういう意味ではどんな生物とも同じなんだという、そこにもう一度焦点を当てて考えてみたいと思うんです。
ここで、では肝心の生物たちはどうなっているのかと振り返ってみますと、実はこれが我々が想像するよりもはるかに彼らは文化的なんですね。
というのはどういうことかと言いますと、例えば子供を産んで育てる。
鳥だったら卵を産んで温めるというところから始まるわけですが、それは決して単に雄と雌がいればそこで卵が産まれる、そこで子供が産まれるというものではないんですね。
それぞれの生物のそれぞれの種に固有の、まあ、言ってみれば「繁殖の作法」というようなものがあるんです。
例えば面白い例をご紹介しますと、オーストラリアにはアズマヤドリ、日本語で訳した名前なんですが、アズマヤドリと呼ばれる種類の鳥がいるんです。
カラスよりもちょっと小さいくらいの大きさの鳥なんですが、この鳥が自分の身長よりも4倍ぐらいあるような東屋(あずまや)、簡単な作りなんですけれども、それを木の枝で作り上げるんです。
で、いろいろきれいな、ちょうどこんなブルー、これをもうちょっと鮮やかにしたようなブルーの鳥とか、あるいは白地にちょっと赤の入った種類、いろんな種類があるんですが、その自分の羽の色に合わせて、それにそっくりな木の実とか花とかを取ってきて、その東屋の周りに飾り立てるんです。
それをやるのは雄だけなんですね。
そして自分の立派な東屋を作って、きれいな飾り付けをして、そしてそこで雌が来るのを待つんです。
そうすると、雌は枝の上からそれを見ていまして、あっ、この東屋がきれいだと思うと、その東屋の中に入っていくんですね。
しかも、それだけではないんです。
雌が東屋に入ってくれたと見ると、雄は今度は自分で伴奏、チッチッチッ、チッチッチッと付けながら、その周りをこう、きれいな羽をできるだけ見せびらかすようにしてぐるぐる踊って回るんです。
それだけもうエンターテイメントをして、雌がうっとりして、初めてそこで結婚式が成り立つという、言ってみれば人間だったら簡単に、ちょっと今度劇の切符、ミュージカルの切符が手に入ったから一緒に行こうよと言うので済むところが、このアズマヤドリはまず劇場を作り、自分が音楽もやって、自分が踊って、そして気に入られたらという、大変な手続を取るわけです。
これはもう何というか、本当に文化と呼ばなければ失礼じゃないかという気がしてくるような、そんな作法を取らないと、このアズマヤドリは繁殖ができないわけなんです。
じゃあ、一体何でそんなことをするのかと生物学者に聞きたくなるんですが、生物学者も何でということは答えられないんですね。
もう本当に、生物って不思議なものだなと考えるよりほかないようなことなんですが、そこまで複雑にならなくても、ほとんど、ありとあらゆる動物たちがそれに似たような、例えば赤カンガルーだったら雄同士がお相撲をして力比べをして勝者を決定すると、そういったような様々な作法があって、そこで初めて繁殖ということが成り立っているわけです。
そうしてみると、何か動物たちにもジェンダーという言葉が使えそうだという気がしてきます。
ただ、一つ大きく違うのは、動物たちの場合には大多数の場合、だれに教えられなくても、何か年ごろになると雄は東屋を作り始めて、だれに、学校で教わったわけでも何でもないのに自分で飾りを集めてくるということをするんですね。
これを普通、我々は本能と言っているわけなんですが、本能という言葉がそこにまで使えるほど、そういう複雑なことまでが動物の場合には脳の内にインプットされている。
ところが人間の場合にはそういう複雑なことをするためにはどうしても何らかの教育が必要なんですね。
教育というのはこれは必ずしも学校で教わるということだけではない。
親たちを見ていて、ああ、こういうふうに振る舞うんだなというふうに心得ること。
あるいは周りのみんながしていて、自分も見て、ああ、これは素敵だなと思って自分もやる。
そういうことは全部教育に含まれるわけですが、人間の場合にはそういう教育、広い意味での文化的伝承というものがないと、そういう複雑な作法を身に付けることができないわけです。
これを実は我々はジェンダーと呼んでいるわけです。
ここで、ここから先は難しい話になるんですが、人間の場合に、果たしてこういう、アズマヤドリのようなそういう繁殖の作法というもの全くなしに、雄と雌をおりの中へ入れておけば自然に子供ができるというような、そういうものなのかどうか。
それとも、人間はそれこそ高級な動物であるから、もっともっと複雑な形で繁殖の作法というものが必要なのか、どっちなんだろうかということになるわけです。
これは常識で考えれば、こういう、いろんな動物の文化的な振る舞いというものは、高級な動物になればなるほど複雑になっていくわけですね。
そういう意味では、人間がそういう繁殖の作法というものなしに過ごせる、そういう生物だとは思われない。
現に我々自身が200年前、300年前のいろんな文学作品を見てみると、そこにいろんな様々の繁殖の作法の物語があるわけです。
もちろん我々は繁殖の作法の物語なんて言わないで、それを恋愛小説と言ったりするわけですけれども、しかし、生物学の目で眺めてみると、ああ、なるほど人間というのはそれぞれの時代、それぞれの地域によって、いろんな様々の型を作りながらそういう繁殖の作法というものを自分たちで作り上げ、かつ守ってきたんだなということが分かるわけです。
ところが、この男女共同参画社会基本法というものは、まさにそういう人間が本能を持っていないから、その代わり文化的に社会的に教育して作り上げてきたそれを壊そうという、これが一番基本に潜んでいるところなんです。
これは基本法で申し上げますと、第4条のところにかすかに表現されているところなんですが、ちょっとその条文を読んでみますと、こういう条文になっております。
社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。
これだけすらっと耳から聞いただけでは何を言おうとしているんだか分かりにくいんですが、例えば今のアズマヤドリに翻訳してみますと、こういうことなんです。
社会における制度又は慣行というのは、例えばアズマヤドリの場合には雄だけが東屋を作り、きれいに飾り立てる。
そういう創造的な文化活動をするということになるわけです。
こういう慣行があって、雌たちはただ専らそれの鑑賞者である。
これはけしからんと。
本当の男女平等ではない。
だから、そういう慣行があろうがなかろうが、男女が社会における活動はそういう昔からの習慣に惑わされず、縛られないようにしなければならない。
つまり、雌もせっせと東屋を作って、せっせとその東屋を飾り立てて、さあ、雄も雌もみんな東屋を作る。
それですばらしいアズマヤドリの文化が花咲くと思うと、はっと気が付くと、あっ、そこに来てそして雄と結婚するその雌がいなくなってしまったということになる。
まさに、それをしようと言っているのがこの男女共同参画社会基本法の第4条ということになるわけです。
これは本当に一番根本的なところで男女が共同参画しなければならない、その生物としての大事な営みをどこかに蹴っぽってしまった、そういう考え方というほかないと思うんです。
実はこの男女共同参画社会基本法というものはいろんな紆余曲折をたどって出来上がっているものだと言っていいと思います。
もちろん、片方にはこの大澤真理さんのように、まさにそういうジェンダーという区別、これを退けるためにこういうものを作った。
これまでのいわゆる男女平等というものは、彼女たちの目からすれば、いわばその男性と女性というそういう区別がある、その生物学的な区別は置いておいて、そして、ただウルトラ生物、スーパー生物としてのその領域の中での男女平等を実現しようという、そういう話であった。
だけれども、自分たちはそのスーパー生物、ウルトラ生物の領域をもう人間の社会のありとあらゆる全領域に押し広げるんだという、こういう考え方を持っていらっしゃる。
まさにその家庭という繁殖の支えである場、それ自体がもうまさにジェンダーの巣窟ということになるわけですから、これももうスーパー生物、ウルトラ生物の観点から、全部ばらばらにしてしまって、人間が究極的には1個1個の個人として生きられるような社会を作らなければいけないということを本当にはっきり、この本の中で言っていらっしゃいます。
そういうラディカルな考え方というものと、それからもう一つ、これまでどうしてもフェミニズムというものは専ら女性の観点から女の権利を広げる、女たちが自分の不満をぶつける、そういう観点からしか運動がなされてこなかった。
でも、それではやはり本当に人間の社会全体を良くするというその目的にはかなわないだろう。
男性と女性がどうやったら本当にうまく人間の社会を運営していくことができるか、そのシステムを考えなければならないという、こういう非常に真っ当な考え方、そういう考え方を背景に持って、この共同参画社会基本法づくりに関与したという人を私は現に知っております。
その中で、どういう熾烈な戦いがあったかどうかは分かりませんが、結果としてここに出来上がった共同参画社会基本法というものは、一方で人間をもう本当に全部スーパー生物、ウルトラ生物としての在り方としてとらえてしまおう。
もう人間が繁殖の作法が必要だ何だ、そんなことはもう全くかまっていられない。
とにかく、このスーパー生物としての文明の発展というものを一直線に進めていかなければいけないという、こういう考え方というものが確かにこの基本法の中には生き残っています。
と同時に、先ほど申し上げたような、いや、人間はやっぱり本当に男性と女性というその二つの性によって成り立っている生物である。
で、そのことは幾ら人間の文明が進んでも大切にしなければならない我々の大切な基本的事実であり、基本的存在の根本であると、そういうことを見つめながらやっていこうという考え方とがもう一緒にこの中に詰め込まれているわけです。
そういう基本法を基に各都道府県で条例を作っていくということは、これはまた大変難しいことなんですね。
残念ながら私が奉職しております埼玉の埼玉県条例というのは、その意味ではもう非常にそのジェンダーを破壊し、人間を単なるウルトラ生物としてとらえるような方向にむしろ基本法を推し進めてしまったような、そんな条例が出来上がってしまいました。
私自身、今、さいたま市の市の条例づくりにかかわっているんですが、これは県条例がびしっと出来上がっていますと、市の条例でこれを真っ当な方向に戻すというのは、これはもう本当に至難の業で、大体25人ぐらいいます審議委員の中の、そういう考えを持った人間は私一人だもんですから、いつも会長さんが、ああ、また長谷川が発言するといった顔で、もう時間がありませんから2分だけなんて言われて苦労しておりますけれども、そういう苦労になってしまうんです。
ですから、本当に県のレベルでしっかりと、人間はやはり男性と女性のある生物である。
そのことを無視したら人類は生き残れない。
しかもジェンダーというのは、本能を失ってしまった、失ってしまったとは言いたくないんです。
本能が大変薄くなってしまった人間においてはとても大事な拠り所である、そういうジェンダーを大事にしていかないと、人間は本当に生物として生き延びることができなくなってしまう。
この観点を忘れない県条例を作るということ、これが非常に大事なことだという気がするんです。
例えばここで、ことに千葉県の場合、皆さんもご承知のとおり、リプロダクティブ・ヘルス(reproductive health)、本当に舌をかみそうですが、リプロダクティブ・ライツ(reproductive rights)という、こういう二つの観点が問題の一つの争点になっております。
この争点を、細かく条文をどうしろこうしろというようなアドバイスを申し上げるんではないですが、この問題について、今申し上げたような観点からどう考えたらいいんだろうかということを、ちょっと、まあ、いわば応用問題として申し上げてみたいと思うんですが、こういうことだと思うんです。
このリプロダクティブ(reproductive)、再生産とこれを漢語で訳してしまいますと、何か工場で人間が生産されてくるみたいで変な感じがしますが、要するに今申し上げた、人間も生物である以上、子供を産み育て、またその子供が自分の子供を産み育てるというそのサイクルがなければ人類が滅びてしまうというその問題が一言リプロダクティブというその言葉に表されていると言っていいわけです。
それについて、そのヘルスを問題にすると。
これはどういうことかと言えば、本当に人間はただ生き延びていくためにも健康でなければならないわけですけれども、そういう更に自分の次の世代の生命を産み育てるという、このことのためには本当にピッカピカの健康が必要です。
私自身二人子供を産んだときのことを思い出してみますと、ああ、若かったからできるんだなという感じがいたします。
もう9か月ぐらいになると、本当にこんなになって、お相撲さんみたいな格好をしてよたよた歩いているんですが、実際もうそうなると、自分の内臓なんて本当に体のどこにあるのかなという感じなんですね。
もう体中がもう一人の生命を支える道具になったような格好で歩き回っているんですが、しかし、それでも恐ろしいもので、若いときにはそれで何とも思わず、普通に仕事をして、歩ける。
もちろん走ったりなんかはできませんけれども、それでやっていけるんです。
ですけれども、これはたまたま私が本当に、たまたま健康に恵まれていたからということで、これは例えば今の若い女性がダイエットに走って、もう若いうちから歯がぼろぼろになって骨がやせ細るという、そういうことがいろんなところで心配されております。
若い女性が自分のスタイルだけを考えて、本当のリプロダクティブ・ヘルスを考えずに、食事を制限してやせ細っていたら、次の世代はきちんと生まれてこない。
そういう意味で、若い人たちに、あなた達の健康は自分たちだけのものじゃないんですよ。
これからもう一つの生命を育てる大事な体なんだから。
昔はそういうことは常識だったんですけれども、今は改めてリプロダクティブ・ヘルスが大事だという、これを声を大にして言わないと、若い人たち、いろんなことでこの文明の中で自分の体を損なっている。
そこをきちんとしなければいけない。
そういう意味では、このリプロダクティブ・ヘルスという問題は非常に大事な問題なわけです。
まさに男女共同参画社会基本法として、これは大事な問題としてとらえている。
ところが、問題はリプロダクティブ・ライツの方なんですね。
これはどういうことなのかと言いますと、つまり、確かに一見すると、女性がそうやって大きなお腹をしてよたよた歩く。
これは確かにその人間本人にとってみれば、その限りでは大変つらい、うっとうしいも言えるわけです。
それをもう、もちろん、これまで母親になる女性たちはうれしさというその1字で乗り切ってきたわけですけれども、これをふっと考えてみると、あっ、女性は損じゃないかということにもなるわけです。
こういう、もう、とにかく幾ら男女平等が進んでも、何か月も大きいお腹を抱えてうっとうしい思いをしなければならないのは、これはやはり幾ら医術が進んでも、まあ、あと何十年かは女性の役割であろう。
となると、では女性にはそれに対してノーという権利があるんだという、これがリプロダクティブ・ライツの考え方なんですね。
これはもちろんフェミニストの人たちはこんな言い方はいたしません。
例えば昔、もう次から次へと、毎年絶え間なく子供を産んで、もう歯もぼろぼろになり、健康もぼろぼろになる。
そんなふうな女性の虐げ方はやめましょうということでリプロダクティブ・ライツ、ヘルスという問題があるんだなんて申します。
ですけれども、今の日本に、はっきり言ってそんな状況はありません。
今の日本にあるのは、自分がもう少し仕事を続けたいから、足手まといになる妊娠、出産ということは避けたいという、そういう女性の、はっきり「わがまま」と言わせていただきますけれども、それをどこまで許容するかという、そういう話になってくるわけです。
ここで本当に難しいのは、つまり、そういう、今、私は女性のわがままと言いましたが、そういうわがままというものが例えば200年前ぐらいの女性を考えてみて、あったろうか。
恐らく、もう子供を授かるというそのことの有り難さということを中心に考えていただろうという気がいたします。
この100年間、20世紀の1世紀の間に、我々は既に本当にジェンダー的な文化というものを失っております。
そういう人間の在り方を中心に考えてみると、ああ、じゃあ女性が子育て、出産を嫌がるのは当然だという、そんな考えが出てきてしまう。
このリプロダクティブ・ライツという考え方は、言ってみれば、もう既にそういう人間が次の世代を次々に継いでいかなければ死に絶える生物だということから、みんなの視線が完全にそれてしまっている、そういう中で生まれ出てきているのがこのリプロダクティブ・ライツという考え方だと言っていいような気がするんです。
ですから、これをもし前面に掲げるとすると、これはもう、これまで日本のどの都道府県でできたよりも、なお一層、この共同参画社会基本法の危険な側面を強調したものになるということが言えると思います。
それについて、実際にこちらの自民党でどういう案をお作りになるか、それはまだこれからの話だと思いますけれども、これに関しては私は絶対に妥協をしないでいただきたいという気がしております。
えてして、今回の共同参画社会基本法の問題に関しては、こういう正論を言う立場というのはいつでも受け身の立場といいますか、何かこの共同参画社会基本法が改革を掲げて、未来に向けての新しい方向を打ち出そうとするのに、いわゆる抵抗勢力としての、後ろを振り向いて、スカートの裾を踏んづけているとか、そういうイメージでとらえられることが多いんです。
もちろん、今申し上げたように、20世紀というこの過去100年間の流れを振り返ってみると、確かに今私がここで主張しようとしているようなことは、その流れのそのスカートを踏んづけようとしていると形容してもらってもかまわないと思います。
ですけれども、振り返ってみると、この21世紀というものは、果たして過去の20世紀の「行け行け、どんどん」、人間というものはもうほとんど生物ですらないんだ。
どんどんクローン人間を作って、そして人工栄養でどんどん人工的な人口、人工的な人口を増やすというのも変な言い方ですが、それで世界を制覇していけばいいんだという、その考えの延長で突っ走っていいものかどうか。
むしろ私は21世紀の入り口に立ったときの、もうこれは日本人のみならず、世界中の人間の反省というものが、20世紀というのはちょっと前を向いて走りすぎた。
もう1回、我々が生物であり、この地球上の中で、地球の恵みを受けて育っている、そういう存在なんだということをしっかり見直さなくては駄目じゃないかという、これが私はむしろ21世紀の入り口に立っての、世界中の人間の反省だったような気がするんです。
ところが不思議なことに、こういうことを言うのがまた何かエコロジストとか、何か片仮名の人達なんですね。
振り返ってみれば、我々が日本人としての真っ当な在り方を考えるというのは、実はまさに今申し上げたような、20世紀というのはちょっとやりすぎだった。
もう1回自分たちの足元を振り返ってみようという、そういう姿勢をそのまま素直に自分たちの生き方にすることが我々の日本人らしい生き方でもあると、そういうことが言えるんじゃないかという気がするんです。
そういう意味では、この男女共同参画社会基本法は21世紀に向けてということを言っているんですが、実は発想は完全に20世紀の発想なんですね。
もう20世紀の発想をそのまま押し詰めて、人間はどんどんクローン人間を作って、そして雄だ雌だ、そういうセックスの区別さえも、これも実は本当にあやふやなものなんだということをフェミニストたちの学者先生たちは言い出しております。
確かにそうかもしれません。
生物というものが有性生殖を営むようになってきたという、これも地球の歴史全体から考えたらごく最近の、その、非常に繊細な生物の営みのてっぺんにあることなんですね。
ですから、それが揺らぎを持っているのは当然のことなんです。
ですけれども、我々はそういう生物として有性生殖を営むに至った、これはもう大変なことなんです。
人間が生物に戻れなんていうと、何かよほど、もう原始人の暮らしに戻れと言っている話だというふうにお考えになるかもしれませんが、実は人間が生物であるということは、この地球上の存在とすると、大変な特権階級であるということなんですね。
ただ、その特権階級であるということにはいろんな制約が付きまとうし、個人個人としては煩わしいな、うっとうしいなと思う、そういうこともたくさん付きまとっています。
ですけれども、その個人的な煩わしさ、うっとうしさというものをそれをまるごと引き受けて、初めてこの複雑な人間という生物の繁殖、存続が成り立っているわけです。
そのことをもう一度振り返っただけで、この共同参画社会基本法の一体どこがおかしくて、どこがおかしくないか、それを見極めることはかなり簡単ではないかという気がいたします。
そういう意味から、この千葉の県条例というものは、是非、これが本当の男女共同参画社会基本法なんだという、そういうモデルを作り上げていただきたい。
そのモデルはどういうものかというと、実はジェンダーというものは、本当に我々、こうウルトラ生物でありながらかつ生物でもあるという、複雑な人間の在り方がバランスを取って何とか存続していく、その何というか、綱渡りするときに長い棒を持ちますね。
あのバランス棒のようなものなんだと、そう心得ていただくと一番いいんじゃないかという気がするんです。
綱渡りする人があんなに長い棒を持っていて、何で、邪魔なんじゃないかと、私は昔思っていたんですよね。
そうしたら、そうではなくて、危うい綱渡りのバランスであるからこそ、あの長い棒をつかむことで、あの細い綱の上を歩いていくことが簡単になる。
で、人間が社会的、文化的に作り上げたジェンダーというのはまさにそういうものではないかという気がするんです。
これを単なるうっとうしさ、束縛としてはねのけていったらどういうことが起こるか。
人類全体が綱から落っこってしまうことになるというふうに私は危ぐしております。
是非、この千葉県では自信を持って、本当の男女共同参画基本条例を作っていただきたい。
そこではジェンダーというものを胸を張って大事にするという、そういう観点を取り入れていただきたいと思っております。
どうもご静聴ありがとうございました。
(拍手)

【司会・谷田川 元 委員長】
長谷川先生、ありがとうございました。
このあとの日程についてご案内いたします。
これから五、六分休憩を取りまして、午後2時から再開させていただきたいと思います。
そして高橋史朗先生に約1時間ご講演をいただきまして、そのあと残り30分で質疑応答という形を取りたいと思います。
それでは、今から休憩を取りますので、どうぞトイレ等、行っていただきたいと思います。

 

2010年8月20日金曜日

呼びかけ文
県民要求を実現させよう!
「不況打開!生活危機突破!9.9県民大集会」
                    にあなたも

1. はじめに

 09年3月の知事選挙で森田知事が誕生しました。
 「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」は、県議会ごとに県民集会と県民要求を実現させるため知事要請活動、県政報告会を行っています。 この一年間で千葉土建の組合員は16人が自殺しました。その内、3人は30代の青年です。原因は、悪政と建設不況で、仕事がないなど状態悪化が深刻だからです。
 また、15歳から24歳までの青年の失業率は11.1%で最悪、この春卒業した大卒の就職率は6割と深刻です。
 この状態悪化を打開するカギは、9.9県民大集会など、私たちの運動と世論にかかっています。

2. 森田県政の特徴は次の4つです。 

① 森田知事は、県民をあざむき、金権腐敗にまみれています。 当選直後から「完全無所属」という看板に「だまされた」との怒りの声が「森田知事の政治責任を追及する会」に多数寄せられました。 また、検察審査会は「政党隠しを徹底して行ったと推測できる」と指摘しながら「不起訴相当」にしました。この「不起訴相当」に県民は納得していません。その証拠に、森田知事の不支持率ランキングは、石原慎太郎知事に次いで、2位になっています。 森田知事は、自民党支部経由で「森田健作懇話会」に1.5億円の企業献金を受けていました。 この他、「違法献金」「ヤミ献金」「所得税逃れ」など、「政治とカネ」問題が解決していません。千葉県から金権腐敗を一掃する大運動が求められています。

② 大企業の利益に奉仕する県づくり、財政危機といいながら大型開発を最優先しています。 かずさアカデミアパーク構想が破たんしているにもかかわらず、今年度も26億円の県費を投入するなど、相変わらず大型開発最優先です。 都市部の主な県が実施している法人事業税の超過課税導入も拒み続けています。その背景は、「森田健作経済諮問会議」「千葉力創造研究会」が森田県政の司令塔になっているからです。 メンバーは県経済界の重鎮、千葉商工会議所・千葉滋胤会頭らが名を連ねています。 県民のくらし最優先の県政が求めれています。

③ 自治体本来の役割である、くらし、福祉、医療、教育を支える仕事を放棄しています。 県民が県政に求めていることは、県庁が行っている09年の世論調査でも明確です。 一位は高齢者福祉、二位は医療の充実、三位は災害から県民を守る、四位は子ども支援です。 ところが、特養ホームの県内待機者は1.7万人、65歳以上1000人あたりの数値は全国最下位です。 医者・看護師の数も、全国最下位クラスで深刻です。 県民の人権を守るため、県民要求の前進が求められています。

④ 森田知事の奇異な歴史観(靖国派)を千葉県教育へ持ち込んでいます。 森田知事は、昨年の8月15日に靖国神社に参拝しました。 知事は、「日本教育再生機構」の代表委員もつとめています。 戦後教育を「自虐史観」と攻撃し、戦前の日本を賛美し、アジアの侵略戦争を正義の戦争だったとする歴史教科書の採択をねらっています。 2010年3月に「愛国心」「道徳教育」「親学」を強調する「千葉県教育振興基本計画」を策定しました。 来年の中学校歴史教科書採択に向けた運動が求めれています。

3. 県民の運動と世論、共産党議員の奮闘で県民要求が前進しました。

① 子どもの医療費助成については、長年の運動により今年の12月より小学校三年生までに改善させました。森田知事の公約である中学生までの医療費助成を求めて運動することが求められています。

② 私学助成については、ピンハネをなくし、県単上乗せに改善させました。具体的には2010年度より高校生は一人あたり3千円を6千円に、幼稚園生は300円を600円に引き上げます。

③ 特養ホーム一床あたりの建設補助金、現行250万円を400万円に引き上げました。 ④ 県議会常任委員会の逐語議事録の作成、本会議並みに傍聴を原則自由化に改善させました。

④ 道路4事業の市町村負担金を2010年度より廃止することができました。

4. 変革の時代、変化をチャンスに、県民本位でくらし最優先の県政に変えよう。

 野田市では昨年、千葉土建などが長期にわたり運動をしてきた公契約条例が全国ではじめて制定されました。「官製ワーキングプア」をなくす運動に弾みをつけています。
 また、核兵器廃絶をめざす「平和市長会議」に県内自治体の30人の首長が昨年から今年にかけて一気に加入しました。加入率は関東で一位です。
 このように、大きな変化が千葉でうまれています。
 この変化は、世界、日本、千葉で起きています。理由は変革の時代の始まりだからです。この変化をチャンスに、諸要求を前進させることが求められています。
当面、 9月県議会に向け、切実な県民要求を県政に突きつけ、仕事確保、福祉や医療、教育の改善を求めます。9月9日に行う「不況打開!生活危機突破!県民大集会」を3000人規模で成功させようではありませんか。

 

2010年8月18日水曜日

「千葉県政報告と交流会」に30人参加
森田県政への関心が高まる

「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」は8月10日、自治体福祉センターで「千葉県政報告と交流会」を開きました。この企画は、昨年3月に森田知事が誕生して以来、議会ごとに行っています。今回で5回目になります。

 参加団体は12団体から30人が参加しました。主な参加団体は、千葉土建、新婦人、自治労連(県職労)、全教千葉、県国公、市川浦安労連、明乳争議団、市川年金者組合、民医連、民青、日本共産党等です。

 河野泉・明るい会代表委員の開会あいさつ後、岡田幸子県議が80分にわたり、森田県政の4つの特徴、日本共産党の論戦、役割、展望などを熱く語りました。 その後、参加者から「カジノ構想」や「知事の靖国参拝」などを巡り、活発な質問、意見、要望がだされ、岡田幸子県議と小松実県議がこたえ、会場参加者をまじえ、議論を深めました。

 岡田幸子県議は、講演の最初に、森田県政の反県民的な四つの特徴を述べました。一つは、県民あざむき、金権まみれ、二つめは、財界の利益最優先で大型開発推進、三つ目は、くらし、福祉、医療、教育を支える自治体本来の仕事を放棄、四つ目は、特異な歴史観の千葉県教育への持ち込み、これらの事実を資料に基づき明らかにしました。

 次に県議会内の自民党、特に靖国派の目に余る振る舞いを告発しました。 そして、6月県議会でおこなった岡田県議の一般質問の内容についてふれました。最初に知事の政治姿勢をただしたこと。続いて、日立グループの大リストラ計画、特別支援学校の過密化の解消、不正経理問題と地元の要望について質問したことを明らかにしました。

 最後に日本共産党が果たした役割と来春の一斉地方選挙で諸要求を前進させるため、共産党県議を5議席以上に増やしてほしいと訴えました。

 この間、県民運動や共産党の地方議員と力を合わせ、ねばり強い取り組みを行ってきた結果、いくつかの県民要求を実現させてきた、と実績を話しました。

 主な実績は、
①子どもの医療費助成については、今年の12月より小学校三年生までを対象にすることができたこと。
②私学助成については、ピンハネをなくし、県単上乗せを勝ちとったこと。具体的には2010年度より高校生は一人あたり3千円を6千円に、幼稚園生は300円を600円に引き上げの成果を得たこと。
この他、道路4事業については、市町村負担金の廃止も改善させるなど、数々の成果を上げたと報告しました。最後にこれからも力を合わせて、諸要求前進をめざしともにがんばりましょうと訴えました。 

 続いて、質疑を行いました。主な質疑は次のとおりです。 
① 森田知事のカジノ構想にたいし、共産党はどう考えているのか。 
② アクアライン800円値下げ問題を、共産党はどう考えているのか。 
③ 森田知事は昨年も8月15日に靖国神社に参拝している。申し入れをしないのか。 ④ 県警の不正経理問題に対する処分は甘いのではないか。 
④ 県議会の傍聴場所が柱がじゃまして、見づらいので改善してほしい。
⑤ 道路4事業の地元負担は本当にゼロでいいのか。
⑥ 特別支援学校の生徒は増えているのか。
⑦ 船橋に住んでいるが、下水道の本管部分も負担を強いられている。これはおかしい。 ⑨ 千葉県議会の中で、民主党は森田知事にどう対応しているのか、などなど。

その後、各団体より下記のとおり発言がありました。
① 平和委員会の代表は、ブルーインパルス、田母神講演について次のように述べました。国体の開会日(9月25日)に千葉市上空を航空自衛隊のブルーインパルスが旋回する。この間、ブルーインパルスは8件事故を起こし、7人が亡くなっている。飛行中止を求めていきたい。 また、「核武装論」を唱える更迭された田母神元航空幕僚長が、千葉で13回目の講演を企画するなど、核兵器廃絶の流れに逆行する動きが生まれている、と警鐘しました。
② 全教千葉の代表は、会場質問にこたえ、特別支援学校の生徒は増えいると話しました。2008年度は1500学級で5200人である。学校現場では、教師の半分が非正規の教師である。非正規問題を解決しないと教育はよくならない。改善に全力をあげたいと語りました。
③ 新婦人の代表は、新婦人が運動してきた子どもの医療費無料化拡大が前進したことを話しました。具体的には、今年の12月より小学校三年生まで医療費が無料になる。 男女共同参画に対して、基本理念も改悪する攻撃がされている。男女平等をめざしがんばりたい。 また、「子宮頸がん予防ワクチン接種の助成を求めること」の意見書は6月議会で継続審議になった、と報告しました。
④ 千葉土建の代表は、仕事づくりのため、7月に県下の保育所など100カ所の公共施設のウォッチングを行った、と話しました。建設労働者の実態は深刻、建設労働者のアンケート結果をマスコミに訴えている。今は、単価たたきとルール無視で、仕事が無くて困っている。現場では「ワンコイン大工」と言われている。リフォーム助成を勝ちとるため、本日、県庁の7課に要請をした。対応の悪い課もあった。国体用務で各課2人動員で仕事も忙しい、と言っていた。9.9県民集会には千葉土建として1500人の参加をめざし、要求を前進させたたい、と力強く語りました。 最後に三輪定宣代表委員の閉会あいさつで散会しました。

三輪定宣代表委員のあいさつ

 
 「明るい民主県政をつくる会」と「森田知事の政治責任を追及する会」の二つの課題が本日の講演と質疑で明確になったと思います。

 森田知事の不支持率32%である。これは、引退した長野県の知事を除くと、石原慎太郎知事の39%についで高い数値である。このことは、森田県政に県民の厳しい目がそそがれている証である。

 森田知事は奇異な教育観を押しつけている。このことは県政の私物化である。男女共同参画への攻撃も、根は一つである。

 森田知事の背景である日本会議は、夫婦別姓問題で5000人規模の集いを開いている。親学とか道徳教育で始末をつけていこうとしている。日本会議は、全国300くらいの支部をつくり、教科書採択をねらっている。千葉県男女共同参画推進懇話会委員に就任した埼玉大学教養学部の長谷川三千子教授も日本会議のメンバーである。

 これからは就学援助が大事である。「社会全体であなたの学びを支えます」という文章を文科省が作っている。佐賀県は不登校などの子どもから授業料をとらないよう応援する姿勢を示している。また、そういう子が通える高校をつくろうとしている。このようなネットを張っていくことが大事である。 

 いま、若者の失業率は11.1%、大学生の就職率は6割です。そういうことに対して、職場を開拓することが県政の仕事です。引き続き、県民の期待にこたえてがんばりましょう。

 

2010年8月16日月曜日

森田知事昨年に続き、今年も8月15日に靖国神社参拝

 千葉県の森田健作知事は8月15日、昨年同様、今年も靖国神社に参拝しました。

靖国神社参拝は、中国をはじめ近隣諸国からきびしい批判を受けてきました。それは、同神社がかつて侵略戦争推進の精神的支柱であり、戦後も侵略戦争を指導した東条英機らA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀(ごうし)しているからです。

 民主党の閣僚は8月15日、アジアとの関係を重視し、靖国神社に全員が参拝しませんでした。「完全無所属」の森田知事は、やはり靖国神社に参拝しました。

 森田知事は「観光立県日本一」を公約にしています。成田空港は連日、アジアの人々がたくさん利用しています。これでは、アジアの人々を歓迎するどころか、不愉快な思いをさせているのではないでしょうか。

靖国神社が戦没者の純粋な追悼の場所ではなく、日本の侵略戦争を肯定・美化する組織で、森田知事の参拝はこの立場を公的に認知し、侵略戦争の反省に背を向ける政治的行為であり、断じて許されないことです。
 

 

靖国神社に参拝しないよう求める申し入れ
東京都知事 石原慎太郎 殿



 65回目の終戦記念日を迎えるにあたり、日本共産党東京都議会議員団は、石原知事に対し、靖国神社に参拝しないよう、強く求めます。

 靖国神社が戦没者の純粋な追悼の場所ではなく、過去の侵略戦争を肯定・美化することを自らの使命としている組織であることは、現在では内外で広く指摘されている事実です。東京都の代表である知事の靖国参拝は、この神社の政治的立場を公的に認知することであり、それは日独伊の侵略戦争の反省の上に築かれた今日の国際秩序に背を向ける政治的行為にほかならず、断じて許されないことです。

 さらに東京は、この侵略戦争によって多くの戦死者を出すとともに、10万人もの被災者を出したといわれる東京大空襲など、甚大な被害を受けた経験をもっています。
かつての小泉首相(当時)の靖国参拝は、国内外からきびしい批判をうけ、福岡地裁および大阪高裁により違憲と判断され、判決が確定しています。首相による8月15日の靖国参拝は、2007年以来行なわれていません。

 にもかかわらず石原知事は、植民地支配や侵略戦争を肯定する発言を行い、五輪招致活動で海外出張していた昨年をのぞき、毎年8月15日、都民の反対の声を無視して、靖国参拝を行ってきました。

 今年は、日本が朝鮮半島全体を軍事的強圧のもとに併合してから100周年でもあります。過去の侵略戦争と植民地支配に対して、関係諸国政府および国民の間で、歴史認識の基本を共有することは、21世紀に日本が東アジアの人々と真の平和と友好を築いていく上で、不可欠の課題です。このさい、石原知事は、歴史の真実と教訓を直視し、これまでの態度を明確に改めるべきです。

 日本共産党東京都議会議員団は、石原知事が憲法を遵守するとともに、靖国神社参拝を行なわないよう、強く求めるものです。

2010年8月4日
      日本共産党東京都議会議員団 以 上



石原都知事が靖国神社参拝「英霊浮かばれない」


 東京都の石原慎太郎知事は15日午後0時35分すぎ、東京・九段の靖国神社を参拝した。

 石原氏は記者団に対し、菅内閣の全閣僚が参拝しないことについて「日本のことを考えない奴らのことを話しても仕方がない」「この国はこのままではダメになる。100歳を過ぎたご老人の行方が知れないってどういうことだ。自分の親の弔いもしていない。本当に英霊も浮かばれない」と述べた。

 石原氏はこの後、参道の一般参拝客に「みんなで、がんばろうな」と呼びかけた。参拝客からは歓声が上がった。

 これに先立ち、午前8時15分すぎには千葉県の森田健作知事も参拝した。

8月15日13時34分配信 産経新聞


 靖国神社参拝は、中国をはじめ近隣諸国からきびしい批判を受けてきました。それは、同神社がかつて侵略戦争推進の精神的支柱であり、戦後も侵略戦争を指導した東条英機らA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀(ごうし)しているからです。

2010年8月13日金曜日

千葉 各党は八ツ場ダムどうする NGOアンケート
自民推進
  民主「中止」言わず
    みんなの党 ムダ一掃いいながら「推進」

 建設中止をめぐって参院選の争点となっている群馬県の八ツ場(やんば)ダム計画を各政党はどう考えているのか―。NGOが行ったアンケートで、みんなの党と自民党が、同ダム建設を続行すべきと回答していることがわかりました。発表したのは、同ダムの建設中止と地域の再生を目的とするNGO「八ツ場あしたの会」です。アンケートは、日本共産党、民主党、自民党、公明党、社民党、国民新党、みんなの党から回答を得ました。

 ダム本体工事が凍結中となっている同ダム事業について、みんなの党と自民は「関連事業を継続し、本体工事を着工」と回答。

 昨年、「建設中止」を表明した民主党ですが、アンケートの具体的な設問に回答しませんでした。民主党の態度について、あしたの会は「このままでは地元の人々の行政不信、政治不信を払しょくすることはできません」と苦言を呈しています。

 共産党、社民、国民新は「本体工事を中止し、関連事業を真の地域再建事業に組み替えるべき」と回答しました。

 みんなの党は、マニフェストに「ムダ遣い一掃」を掲げながら、無駄な公共事業の典型とされる八ツ場ダム建設の推進を表明しています。

 各都県の「八ツ場ダムをストップさせる会」が選挙区候補に行ったアンケートでも、同党のあやふやな態度が浮かんできます。埼玉県選挙区の公認候補は中止に賛成しています。茨城県の候補者は「わからない」と回答。東京選挙区の松田公太候補は、アンケートに回答していません。

 同ダムの予定地である群馬県でみてみると、みんなの党の上野宏史参院比例候補は、自民党公認で同ダムの建設を強硬に求めてきた八ツ場ダム推進派の大沢正明県知事の支援を受けています。「比例はみんなの党、選挙区は自民党候補」を押し出す動きもあります。

 上野氏は、義父の元建設省OBの上野公成自民党元参院議員の支持基盤を受け継いでいます。

 八ツ場ダム 群馬県長野原町に国土交通省が建設を進め、利水と治水を目的としています。しかし首都圏の水余りと低い治水効果が指摘されており、必要性が疑問視されています。完成予定が2015年、総事業費4600億円とされていますが、大幅な遅れと増額が必至とされています。

────赤旗7/1────

2010年8月11日水曜日

千葉県議の所得平均1670万円
      県選出国会議員は2253万円

 県議は前議員を含め87人が対象で、所得の平均は前年比64万円減。最も所得が多かったのは、山中操氏(自民)の1億105万円。株式の譲渡所得が5088万円あったほか、社長を務める企業からの報酬などがあった。次いで、小島武久氏(同)の4805万円、亀田郁夫氏(同)の4038万円だった。昨年まで5年連続トップだった杉田守康氏(民主)は、取締役などを務める企業7社からの報酬と議員報酬など給与所得が7432万円あったが、株式譲渡で生じた損失(4503万円)などのため、所得は3167万円だった。

 会派別の平均額は、自民(52人)が1824万円、民主(19人)が1519万円、公明(7人)が1238万円だった。

 千葉市の熊谷市長は昨年6月に就任して以降の市長給与と、それ以前の市議報酬、原稿料などがあり、合計所得は1174万円。千葉市議は、現職52人が公開対象で、最高は茂手木直忠氏の3038万円。

 県内36市のうち、自主公開も含めて32市の市長(前市長含む)が公開した。白井市長は控除前の収入を公開した。最高は藤代孝七・船橋市長の2543万円。家賃収入による不動産所得877万円があった。次いで蕨和雄・佐倉市長の2338万円、鈴木洋邦・君津市長の2228万円だった。

 県内の選挙区で選出された国会議員で、公開対象となったのは衆院、参院議員とも5人ずつ。10人の平均所得は2253万円。最高は石井準一氏(自民・参院)の2704万円で、内山晃氏(民主・衆院千葉7区)の2669万円、野田佳彦氏(同・衆院千葉4区)の2330万円が続いた。

 報告書は各自治体が指定した場所で閲覧ができる。

(2010年7月1日 読売新聞)関連記事・情報

2010年8月9日月曜日

圏央道:市町村長ら、工事現場を視察
────茂原 /千葉────

 長生郡市7市町村の首長らが25日、茂原市の真名(まんな)トンネルなど圏央道(仮称東金ジャンクション-仮称茂原長南インターチェンジ間)の工事現場を視察した。同区間は2年遅れの12年開通予定で、急ピッチで工事が進められている。

 地下約40メートルを通る同トンネルは全長927メートル。国土交通省の工事関係者の説明では、9月ごろに貫通する計画で「あと約200メートルの見込み」という。砂地盤の地形で水量が多く、地盤沈下を最小限に抑えながら工事を進めている。また同区間には遺跡やオオタカ、ミヤコタナゴなど貴重な生物の生息地があり、「環境保護に配慮した工事」という説明を受けた。首長らは、国道との交差部の工事状況なども見て回った。 茂原市の田中豊彦市長は「工期が遅れれば、企業誘致などで影響が出る。国が工事予算を減らすことが心配だ」と話した。

【吉村建二】毎日6/28

2010年8月8日日曜日

笑い 森田知事の不支持率は全国3位

 朝日新聞社が6月24、25日に各都道府県で知事支持率を調べたところ、1位は宮崎の東国原知事、大阪の橋下知事は4位で73%。

 逆に不支持率が最も高かったのは長野の村井知事で40%、次いで東京の石原知事、その次が森田知事の32%である。


知事支持率、トップは東国原氏89%
────朝日新聞世論調査────


 朝日新聞社が6月24、25日に参院選序盤情勢調査と同時に、各都道府県で知事支持率を調べたところ、1位は宮崎の東国原英夫氏で89%だった。2位は鳥取・平井伸治氏の78%、3位は高知・尾崎正直氏の76%だった。大阪の橋下徹氏は4位で73%。逆に不支持率が最も高かったのは長野の村井仁氏で40%、次いで東京・石原慎太郎氏の39%だった。

 元テレビタレントの東国原氏への支持はほかの知事を圧倒し、不支持率も5%と全国最低だ。東国原氏は前回、知事支持率を全国的に調査した2007年参院選のときもトップの92%だった。俳優出身の千葉の森田健作氏は支持率48%だった。

 米軍普天間飛行場の移設問題で揺れる沖縄の仲井真弘多氏の支持率は58%で、07年時の56%と同水準だ。

 現職が立候補し、7月11日に知事選が投開票される滋賀は調査しなかった。

朝日新聞社が24、25日に参院選序盤情勢調査と同時に、各都道府県で知事支持率を調べたところ、1位は宮崎の東国原英夫氏で89%だった。2位は鳥取・平井伸治氏の78%、3位は高知・尾崎正直氏の76%だった。大阪の橋下徹氏は4位で73%。逆に不支持率が最も高かったのは長野の村井仁氏で40%、次いで東京・石原慎太郎氏の39%だった。 

 元テレビタレントの東国原氏への支持はほかの知事を圧倒し、不支持率も5%と全国最低だ。東国原氏は前回、知事支持率を全国的に調査した2007年参院選のときもトップの92%だった。俳優出身の千葉の森田健作氏は支持率48%だった。

 米軍普天間飛行場の移設問題で揺れる沖縄の仲井真弘多氏の支持率は58%で、07年時の56%と同水準だ。

 現職が立候補し、7月11日に知事選が投開票される滋賀は調査しなかった。

 

2010年8月5日木曜日

【参院選】
「甘い言葉いらない」「争点は公約の信頼性」
森田知事談話

 参院選千葉選挙区から9人が立候補を届け出た24日、千葉県の森田健作知事は県庁で報道陣に、「民主党が過半数を制するか否か、大きな意味を持つ重要な選挙。争点は党や候補者の掲げる公約の信頼性だ」と述べた。

 森田知事は「あまりに多くの政党が乱立し、党と候補者が一致しないこともある」としながらも、「甘い言葉はいらない。国民は本当に実現できる公約かどうかをしっかり見て、考えて一票を入れなければならない」と投票を呼びかけた。

────産経6/25────

2010年8月3日火曜日

【千葉】議員報酬を削減へ
 県議会 県の不正経理問題で

 県議会六月定例会は最終日の二十二日、県の不正経理問題をめぐり、最大会派の自民が提案した議員報酬の削減案を賛成多数で可決。

 民主などが提案した不正経理調査特別委員会の再設置案は反対多数で否決された。

 議員報酬削減案は、月額3%を三カ月減額する内容。
 阿部紘一議員(自民)は趣旨説明で「監視機能を果たせなかった議会にも責任がある」と述べた。
 討論で民主議員は「幕引きのための減給には反対」などと主張したが、自民、公明の賛成で可決された。 
 民主、公明、共産、市民ネット・社民・無所属の四会派は、県の出先機関が農道工事などの予算繰り越し処理を怠った問題や、外郭団体の不正経理を調査する調査特別委員会の再設置を求めたが否決された。

 一方、一般会計補正予算案では、かずさアカデミアパーク構想の見直しなどを求める付帯決議が賛成多数で可決された。
 所見を求められた森田健作知事は「適切に対応する」と答弁した。 

────(小川直人)東京6/23────

2010年8月2日月曜日

道徳教育の実践的取り組みを
 推進委員会が会議

 道徳教育を実践的に推進するための「千葉県道徳教育推進委員会」(委員長・岩佐信道麗澤大教授)の第1回会議が28日、県庁で開かれた。

 学識経験者や保護者らで構成する同委員会は、道徳教育を推進するための施策や教材、指導内容を検討するために設置された。

 会議に先立ち県教育委員会では、県内の小中高校に対し道徳教育の課題に関する調査を実施。結果から、生徒らの「人間関係づくりが苦手」「自分の言葉で考えを表現できない」といった実態が浮き彫りとなっていた。
 これらの結果を踏まえて委員らからは「家族と話し合うことを宿題とするなど、家庭と連動した教育が必要」など、さまざまな意見が出された。
 教材についても「生徒が関心を持ち、先生自身も考えられる、リアリティーあるものを」との観点から、DVDのような映像資料が有効との声もあがった。

 今後は教職員らでつくるワーキンググループも並行して作業を進め、秋ごろをめどに具体的な取り組みや教材案を固める方針。次回会議は7月9日。

────産経 2010.5.28────