2010年3月30日火曜日

教育への、侵略戦争賛美のおしつけやめよ
    ────03/01 代表質問その2────
       三輪由美 ホームページ

 1日の代表質問で私は、侵略戦争賛美の歴史観を千葉県の教育に森田知事が持ち込もうとしていることを批判しました。以下は、これから掲載予定の「しんぶん赤旗」の記事です。

 侵略戦争賛美のおしつけは教育への介入 三輪県議が森田知事を追及 千葉県議会 1日の千葉県議会本会議で日本共産党の三輪由美県議が代表質問に立ち、就任以降、侵略戦争を賛美する特異な歴史観を、県の教育に持ち込もうとしている森田健作知事を追及しました。
 
 森田知事は、戦後教育を自虐史観と攻撃する歴史教科書の採択を画策する「日本教育再生機構」の代表委員。同じ代表委員を県教育委員に送り、愛国心や道徳教育を推奨する県教育振興基本計画の策定をめざしています。
 
 三輪氏はこれらへの知事の見解を追及。知事が雑誌の対談などで言っている「日本が嫌いになる歴史教育」「事実かどうか疑わしい歴史」とは具体的に何か、「従軍慰安婦」や南京大虐殺を事実と認めるか、知事も自虐史観の立場かと質問しました。 
 知事は答弁もれを重ね、これを指摘されたあとも「事実かどうかは色々な見解がある」「歴史の専門家ではない」などと答弁を避けました。
 
 三輪氏は、「自治体の長が自身の歴史観を押し付けることは、教育への介入であり許されない。県がすべきことは貧困・格差や過度の競争教育の是正、教職員の手厚い配置や少人数学級の促進だ」と批判。傍聴者は「まともに答えないのは無責任」「千葉を突破口に教育をゆがめようとするのは問題」と語っていました。

      ────「しんぶん赤旗」浅野宝子記者────

2010年3月26日金曜日

巨大開発中心の総合計画で
  県政の歪み拡大
────丸山慎一ホームページ2010.3.9────

 千葉県が来年度から3カ年で実施する「総合計画」は、相も変わらず「かずさアカデミアパーク」や「幕張新都心」などの巨大開発が軸で、県民の暮らしと県財政を破たんに導く最悪のものとなっています。


4つの巨大開発を高速道路で結ぶ

 森田健作知事が、自身のカラーを出したいとしている「総合計画」は、県内で進められてきた4カ所の巨大開発――「かずさアカデミアパーク」(木更津市・君津市)、「幕張新都心」(千葉市美浜区)、「成田国際空港都市」(成田市)、「つくばエクスプレス沿線開発」(柏市・流山市)を、新しく「交流基盤の整備」として位置付け、「交流拠点都市として充実を図る」と、これらの推進を軸に掲げています。

 さらに、この4カ所を圏央道や外環道、北千葉道路などの高速道路で結び、成田空港と羽田空港は「同一空港並みの利便性を実現させるため」、リニアモーターカー構想を進めるとしています。

巨大開発計画が
いずれ失敗することは証明済み

 巨大開発計画がいずれ失敗することは、「かずさアカデミアパーク構想」を進めてきた株式会社かずさアカデミアパークの破たんで明らかです。

 この会社の破たんによって60億円もの税金が消え去ることになりましたが、構想全体には、道路やダムの建設費、DNA研究所の運営費など、すでに1500億円もの巨費が投じられています。

 こうした失敗を反省することなしに、総合計画にもとづいて巨大開発を進めていけば、県財政がいくらあっても足りるはずがありません。

「県民の感じ」を指標にするのは無責任

 総合計画では3年間の数値目標を掲げていますが、その内容は「楽しく生活していると感じている県民の割合」など「県民の感じ」を指標にするという驚くべきものとなっています(下の表参照)。


〔県の総合計画に掲載された目標数値〕
 以下は、県が総合計画に掲載している目標数値の一部です。
 「○○に満足している県民の割合」という目標の立て方で
 県が責任を持つ目標数値といえるでしょうか…。
  現状 目標
自分が住み慣れた地域で安心して受診できる医療体制にあると感じている県民の割合 46・4%
(21年度) 50・0%
(24年度)
自分らしく、地域において、明るく楽しく生活していると感じている県民の割合 58・4%
(21年度) 65・0%
(24年度)
芸術や文化に親しむ機会に満足している県民の割合 23・2%
(21年度) 25・0%
(24年度)

※県の文書からの引用なので( )内の年度は「平成」です

 県が目標を掲げるというのであれば、「特養ホームの待機者をなくす」とか、「3年で30人学級実施」など、県自身の責任で実現できるものにすべきです。県民の暮らしをどこまで改善していくのか、その目標は、感覚ではなく具体的なものであるべきです。

2010年3月24日水曜日

北総線の高運賃温存で
  値下げを実現する会が県に要請
 
成田空港線運賃認可で
  もうけ本位の京成運賃申請を批判
 
───丸山慎一ホームページ 2010.3.5───

 京成電鉄が申請していた成田新高速鉄道(東京都心―成田空港、7月開業)の運賃を国交省が2月19日に認可、千葉県の沿線住民から「運賃値下げの声に背を向ける不当認可だ」と批判が噴出しています。

 北総線の運賃値下げを実現する会(北実会、吉田治男会長)は3月5日県に対し、住民の要望を聞くよう国や京成電鉄に働きかけることを要請しました(右の写真)。

 申請は昨年12月に出され今年1月に公聴会が開かれたものの、住民の意見は取り入れられず認可されました。

 成田新高速は子会社北総の線路を使って親会社京成が運行、京成が北総に線路使用料を払いますが、北総線と新高速とで運賃が異なる「二重運賃」への懸念、JRの倍近い北総の高運賃の値下げ要望が出ていました。

 2008年8月には北実会と日本共産党の志位和夫委員長、超党派議員が国と交渉、当時の国交相が「二重運賃にはしない」と回答していました。

 今回の要請で吉田会長らは、同じ路線の電車で別の運賃という二重運賃となったことへの県の認識を質問。県は「二重運賃になっている」と認め、国と住民との約束違反との認識を示しました。

 会の人たちは国や自治体、京成などの資料をもとに、自治体による税金投入や、線路使用料が少なく積算されている問題、乗降客数が減っている問題などを指摘。

 「線路使用料がきちんと入れば税金を投入しないで済む。積算根拠を示すべき」「乗降客数も減っているのに新高速は必要なのか」と迫りました。

 また、成田新高速の特急が停車しない駅では「利便性は上がらないのに、時速百数十キロで通過する電車によって危険性だけは増している」としてホームへの柵の設置などを求めました。

 日本共産党の丸山慎一県議が同席しました。

〔しんぶん赤旗・浅野宝子記者〕

2010年3月22日月曜日

「私立高校の授業料助成、納付金全体を対象に」
   総務部長が検討を約束
    ────小松実ブログ────

 2月定例県議会の総務常任委員会が今日開かれ、私立高校生の授業料助成の制度改善を求めて質問しました。

 私立高校生の授業料負担軽減のための国の「就学支援金」(千葉県分60憶円)が交付されることに伴い、千葉県は新年度、県独自の授業料減免のための予算を、今年度の3億9200万円から、一気に8300万円にまで3億円以上も減額してしまいました。

 減額の率、額ともに、全国トップクラスの削減です。

 新年度、国は、地方交付税に私立高校生一人当たり5千円の授業料減免制度推進のための予算を算入しており、千葉県には、2億3千万円が交付されます。さらに、昨年、国が設置した「高校生等就学支援基金」の私立高校の授業料減免分が、1億3千万円ほどあります。その一部、1億5千万円ほどで、年収640万円未満の全世帯を全額免除にできます。

 私は「国が、私立高校生の授業料負担軽減のために措置したお金が、そのために使われず、他へ流用されている。私学教育予算の新たなピンはねだ。」と、厳しく批判しました。

 しかも、私学の場合は、授業料が免除になればそれでよしとはなりません。施設整備費等の負担があります。

 千葉県の場合は、この施設整備費が授業料以上に重い負担になっています。卒業期を迎えて、たとえ授業料減免を受けていても、その他の学費を捻出できず、未納・滞納になり、卒業ができない事態が広がっています。

 ある母子家庭の生徒は、授業料の免除を受けてきましたが、施設整備費等が納めきれず、祖父母の年金から支払ってきたものの滞納になっていました。卒業式には出席できましたが、式の後、担任の机の上に卒業証書を置いていくように言われました。

 こうした事例をいくつか紹介した後で私は、「子どもたちにこんなつらい思いをさせていいのか。助成対象を授業料のみでなく、納付金全体に広げるべきだ。」と主張しました。

 小宮大一郎総務部長は、「たいへん心の痛む話だ。」とした上で「他県の状況なども勘案しながら、そうした方向への制度改善を検討したい。」と答弁しました。  11日の総務常任委員会で、「市町村が負担すべき金額について」取り上げました。

 毎年、2月議会に、その年度の県事業(道路や排水整備など)について、市町村に求める負担金が、議案として提出されます。この市町村負担金が、千葉県の場合、他県に比べて異常に高く、市町村の重い負担となってきました。

 たとえば、『排水整備事業』や『地域排水路整備事業』『道路新設改良事業』『橋梁架橋事業』のいわゆる道路4事業について、関東近県では、市町村から負担金を取っている例は、千葉県以外にはありません。

 「県の事業に市町村から負担を求めるべきでない」と、日本共産党は、常にこの議案に反対してきました。

 新年度、国は、同様に国の事業に対する自治体の負担、年額1兆円にもなる「直轄事業負担金」について、2015年までに廃止することを打ち出しました。その第一歩として、維持管理費負担金を11年度までに廃止する法案が今国会に提出されています。維持管理費負担金の総額は、1580億円ですが、新年度は、経過措置として、そのうちの980億円を減らしました。

 私は、「国も直轄負担金を廃止する方向を示した。千葉県も『市町村負担金』の廃止、負担率の見直しに向けて検討すべきだ」と主張しました。

 これに対し、財政課は、「新年度から見直しをすることになっている。」と、答弁。

 具体的には、先に指摘した、いわゆる道路4事業の負担金については廃止することを明らかにしました。その結果、県下の市町村は、2億200万円の負担軽減になります。

 そのほか、「公園事業」の負担金も、2011年度から廃止の方向です。さらに、「港湾事業」については、負担率の見直しを検討中、ということで、長年の日本共産党の主張、市町村の要望が一部実現することになりました。

 さらに、全国の都道府県の実態を調べ(現在、照会をかけています。)、県内市町村の「いわれなき負担」の軽減に努めていきたいと思います。

  ────作成日時 : 2010/03/15 17:01────

2010年3月20日土曜日

県事業への「市町村負担金」一部廃止へ
   ────小松実ブログ────

 11日の総務常任委員会で、「市町村が負担すべき金額について」取り上げました。

 毎年、2月議会に、その年度の県事業(道路や排水整備など)について、市町村に求める負担金が、議案として提出されます。この市町村負担金が、千葉県の場合、他県に比べて異常に高く、市町村の重い負担となってきました。

 たとえば、『排水整備事業』や『地域排水路整備事業』『道路新設改良事業』『橋梁架橋事業』のいわゆる道路4事業について、関東近県では、市町村から負担金を取っている例は、千葉県以外にはありません。

 「県の事業に市町村から負担を求めるべきでない」と、日本共産党は、常にこの議案に反対してきました。

 新年度、国は、同様に国の事業に対する自治体の負担、年額1兆円にもなる「直轄事業負担金」について、2015年までに廃止することを打ち出しました。その第一歩として、維持管理費負担金を11年度までに廃止する法案が今国会に提出されています。維持管理費負担金の総額は、1580億円ですが、新年度は、経過措置として、そのうちの980億円を減らしました。

 私は、「国も直轄負担金を廃止する方向を示した。千葉県も『市町村負担金』の廃止、負担率の見直しに向けて検討すべきだ」と主張しました。

 これに対し、財政課は、「新年度から見直しをすることになっている。」と、答弁。

 具体的には、先に指摘した、いわゆる道路4事業の負担金については廃止することを明らかにしました。その結果、県下の市町村は、2億200万円の負担軽減になります。

 そのほか、「公園事業」の負担金も、2011年度から廃止の方向です。さらに、「港湾事業」については、負担率の見直しを検討中、ということで、長年の日本共産党の主張、市町村の要望が一部実現することになりました。

 さらに、全国の都道府県の実態を調べ(現在、照会をかけています。)、県内市町村の「いわれなき負担」の軽減に努めていきたいと思います。

   ────作成日時 : 2010/03/15 17:01────

2010年3月18日木曜日

どの子も安心して学べる社会を
  森田知事の教育「改革」とは
 ────5.9教育シンポジウム────

 森田知事は、戦前の日本と当時の教育政策を賛美し、日本によるアジアへの侵略戦争を正当化する教科書の採択をねらう日本教育再生機構の代表委員をつとめています。 

 知事が肝いりで立ち上げた「千葉県の教育を元気にする有識者会議」が「提言案」をまとめました。この会議では、「武士道精神」や「愛国心」、国旗(日の丸)・国歌(君が代)などが最も大事なこととして議論され、「道徳教育」の推進を太く打ち出しています。

 県は、今後、この提言をふまえて「教育振興基本計画」を策定するとしていますが、戦前の教育への回帰を懸念する声が上がっています。 

 そもそも教育行政は、教育現場を支援し、どの子にも行き届いた教育を保障するための教育条件整備にこそ、その責任を負うべきはずです。貧困や格差に苦しむ子どもや家庭への支援、30人学級の実現、教職員の増員、教育予算の大幅増額などの教育条件の拡充こそ、県民が教育行政に対し望んでいることではないでしょうか。 

 私たちは県民のみなさんとご一緒に「5.9教育シンポジウム」で考えたいと思います。

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日時 5月9日(日)午後1時半~

ところ 県教育会館303(県庁近隣) 

内容 「5.9教育シンポジウム」

基調報告 三輪定宣氏(千葉大学名誉教授)

コーディネーター 小林洋二氏(全国革新懇世話人)

パネラー 大学教授
 県会議員(共産党県議)
 現場の教師
  私立学校の生徒の親

参加 150名(先着順) 

資料代 500円

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2010年3月16日火曜日

千葉県政報告会と懇談のお知らせ

 「明るい会」と「追及する会」は、森田知事誕生後、県議会ごとに県民要求を掲げ、知事要請、議会報告会を行っています。

2月19日の県議会初日には、「県民要求実現」「金権腐敗一掃」「教育の反動化阻止」の三大要求で宣伝、記者会見、知事要請を行いました。

 私たちは県政の三つの異常を指摘しています。一つは巨大開発最優先の異常です。ムダと有害な八ッ場ダムに21億円の予算を計上、一方、県民の医療・福祉・教育の水準は全国最下位クラスです。

 二つめは、教育反動化の異常です。森田知事は、戦前の日本と当時の教育政策を賛美し、日本によるアジアへの侵略戦争を正当化する教科書の採択をねらう日本教育再生機構の代表委員をつとめ、千葉県を反動教育の実験場にしようとしています。私たちは憲法と教育の条理に基づく、教育を求めています。

 三つめは、金権腐敗の異常です。森田知事になってからも県庁の不正経理はとまりません。その根っこに、森田知事自身の虚偽記載、違法献金、迂回献金疑惑に対する説明責任、道義的・政治的責任の回避があります。

 これらの異常を質し、県民本位の県政をつくりましょう。


と き  4月6日(火)午後6時30分~

ところ  自治体福祉センター 4階 大会議室

内 容  2月県議会報告と懇談

講 師  三輪由美 県会議員

2010年3月10日水曜日

会社だけではない。
 「かずさアカデミアパーク構想」
    そのものが破綻している
    ────小松実ブログ 10.2.26────

 破綻した、第三セクターの株式会社「かずさアカデミアパーク」。(1/29付ブログをご覧ください)
しかし、破綻は、第三セクターの株式会社だけの話ではありません。
1期事業278ヘクタールのかずさアカデミアパーク構想そのものが破綻しているのです。

 「ずさん・過大な見積もりにもとづく無謀な巨大事業だ」。
日本共産党がかねて指摘してきたとおり、初期投資や維持管理で、総額1500億円の県費を投入したにもかかわらず、149ヘクタールの企業用地は、未だにその三分の二が空き地です。

 その中には、地主から県が一括して借り上げている土地があります。
一括借り上げの土地は、他の部分を含めて総面積89ヘクタール。その借地料、年間5億円ほどを毎年毎年、もう20年も、県は、税金から払い続けています。

 その中の、企業用に賃貸する予定の土地は、25ヘクタールほど。

 かつて、自民党沼田知事の時代、「企業が進出するまで、その地代を県民が肩代わりするのはおかしいではないか」と指摘した日本共産党に、沼田知事は「いずれ、企業が進出した時に、それまで県が負担してきた地代を含めて、全部支払ってもらう」と、答弁していたものでした。

 ところが、いつまで待っても、企業進出はありません。

 とうとう県は、2008年(平成20年)、「県が借り上げている土地に、進出したら、5年間は地代をただにします」と、方針を転換しました。
「地代は、県が肩代わりするから、企業さん来てください」ということです。その結果、確かに、2社(8.5ヘクタール)が進出してきました。
その2社のために、県民が負担する地代は、合計2億1千万円です。

 ところが、そうまでしても、残りの16.7ヘクタールは、やっぱり空き地のままです。

 かずさアカデミアパークの構想そのものが破綻していることの証明です。
地代はいらない、県が、つまりは、県民が肩代わりしますとまで言って、それでも進出する企業がない。これがかずさの現状です。

 「かずさアカデミアパーク構想」を抜本的に見直し、これ以上の県費の浪費に歯止めをかけるべきです。

 

2010年3月8日月曜日

【2010年2月県議会】
 日本共産党 みわ由美議員
   代表質問 1回目の質問

■教育問題について

 次に教育問題について伺います。
「教育日本一」を公約に掲げた森田知事が誕生して一年、知事主導のもとで、歴史に逆行し憲法の理念にも反した教育を千葉県に持ち込む動きが、にわかに強まっていることに対し、心ある多くの県民が憂慮の声をあげています。
 かねてより「愛国心の普及」を唱えてきた知事に対し、我が党は、知事就任早々の昨年6月議会で、国民を侵略戦争に駆り立てた戦前の教育をどう見るかについて質しましたが、知事は「戦前の教育は、必ずしも一面的な教育であったとは認識していない」と、これを擁護する答弁を行ないました。
 同じ6月議会で知事は、千葉県教育委員会の新しい委員に、野口芳宏氏を任命しましたが、その野口氏は、知事と同じく「日本教育再生機構」なる団体の代表委員をつとめる人物でした。「日本教育再生機構」とはどういう団体か。
日本による侵略や加害の事実をいっさい認めようとせず、侵略戦争への反省から始まった戦後教育を「自虐史観」に立った教育だ、などと攻撃している団体です。
戦前の日本を賛美し、アジアへの侵略戦争を正義の戦争だったと描く歴史教科書の採択を画策している団体です。
歴史に真正面から向き合って、事実を正しくとらえること、他国に侵略して深い傷を与えた国が、その過ちをきちんと反省すること、この真摯な姿勢がどうして、自分を痛めつける自虐史観になるのか。
知事もそういう立場なのか、お答え下さい。
 私は、この団体が推奨する教科書、いわゆる「新しい歴史教科書」を読んでみましたが、実にひどいものです。
例えば、南京大虐殺や従軍慰安婦、強制連行など、加害の事実には口をつぐんだまま、あの戦争はアジア解放のための戦争、自存自衛の戦争だったなどと描いています。
こうした教科書が持ち込まれ、侵略の歴史を偽って『誇るべき歴史』だなどと教えられたら、これは単なる歴史認識の誤りにとどまらず、アジアと世界で生きていく子どもたちの前途に重大な影響を与えかねません。答弁を求めます。
 このほど発表された「千葉県教育振興基本計画」素案では、「真の国際人」の育成がうたわれていますが、歴史偽造の教育で、どうして「真の国際人」が育つでしょうか。
自分の国が過去に犯した過ちの事実を正しく認識すること、侵略戦争への反省と平和への決意から出発した戦後国際社会の原点と、その後の歩みをきちんと理解すること、こうしてこそ、「真の国際人」が育つのではありませんか、知事の認識をうかがいます。
 ところが、千葉県の教育は全く逆方向に走り出そうとしています。
昨年9月、知事の肝いりで「千葉県の教育を元気にする有識者会議」なるものが設置されましたが、そこにも日本教育再生機構から人が送りこまれ、驚くべき議論が行なわれました。
例えば、その再生機構代表委員の百地章氏は、子どもたちの元気がなくなったのは、「戦後教育そのものに原因があった」「伝統を否定し軽視するような、あるいは自虐的な歴史観、これが郷土や日本人としての誇り、自信を喪失させた」、「道徳の否定や軽視」、「愛国心の喪失」などが、子どもたちを荒廃させ、元気を奪った原因だ、と述べ、だから、道徳や愛国心教育が必要なんだと、結論づけています。
 これはとんでもない議論です。
いったいこどもたちから元気や誇りを奪い、いじめ不登校、中途退学、等々、教育を重大な困難に追い込んできた本当の原因は何か。
貧困と格差拡大という弱肉強食社会の歪み、国際社会からも批判されている過度の競争教育、カネに汚れウソがまかり通る政治の世界の道徳的退廃など、それこそ戦後の自民党政治そのものがもたらしたものではありませんか。こどもたちに元気を明るさを、というのであれば、この大元をこそ正すべきです。お答え下さい。
 有識者会議の議論を受けて策定がすすむ千葉県教育振興基本計画の素案には、道徳だとか、元気だとか、郷土や国を愛し誇りに思う心だとか、武道、礼儀、奉仕といった言葉がことさらに強調されていますが、それらが「戦後教育が間違いで、戦前の教育は正しかった」とする逆立ちした歴史観と結びついて持ち込まれることは絶対に許されないことを、強く指摘するものです。
 さらに、計画(案)が、以上述べた歴史観にかかわる問題を含むその一方で、環境に従順に適応できるいわゆる「人材づくり」を目指している問題も重大です。
 これは、中央の財界団体がかねて各種の提言等で繰り返し提唱してきた、財界のための人づくり戦略と、ウリふたつです。
計画(案)に頻繁に登場するボランティアや体験学習が、自主的自発的なものではなく、強制的なものであったり、あるいは成績評価の対象などにされた場合、たちまち歪んだものになりかねません。
本来、教育がめざすべきものとは全く異質のものです。教育は「人格」の完成をめざす崇高な営みであり、財界への「人材」提供の手段ではないことを強調しておきます。
 最後に、計画(案)には、行き届いた教育条件の整備という、教育行政がめざすべき一番重要な課題について、具体的な数値目標がすっぽり欠落しています。
今、県行政がやるべきことは、教職員の手厚い配置、少人数学級の促進、教育費父母負担の軽減や学校施設の充実、特別支援教育の充実などで、思い切った前進をはかるべきではありませんか。
知事の明快なる答弁を求めます。

■貧困ビジネスについて

 最後に、いま社会問題になっているいわゆる「貧困ビジネス」について、伺います。 
失業者やホームレスを自らが運営する無料低額宿泊所に入所させ、無断で生活保護費の振込口座を作って保護費を天引きで横領していた事件や、2億5千万円もの使途不明金が発覚した事業者など、貧困に付け込んで生活保護費などをむさぼる貧困ビジネスの実態は、驚くべきものです。
県内でも逮捕者が出る、また刑事事件に至らなくても、例えば、市役所が便宜を図り、生活保護の支給日に、市役所の別室で天引きの作業をやらせるという信じがたいことが起きています。
これは、生活保護法にも違反する重大問題です。
私たち日本共産党は、こうした状況があることが分かったその場で指摘をし、すぐに改善されることになりましたが、こんな重大で、しかも指摘すればすぐにでも改善できるようなことさえ、県は、掌握もしていなければ、指導もしていませんでした。
まず、こうした事態について、どう認識しているのか、伺います。
また、全県的な点検を行い、行政自らが法に反して業者に手を貸すようなことがないようにすべきだと考えますが、どうか。
 無料低額宿泊所の生活環境は劣悪を極めています。
6畳間を板で仕切って一人畳2畳分に、荷物も入れて生活をさせているなどというのは珍しくありません。
2DKの間取りを仕切って5人も詰め込まれているところもあります。
仕切りの板の上の方は開いているため、隣どおしの音は筒抜けでプライバシーはまったくありません。
クーラーも供用です。これではストレスがたまるのは当たり前で、怒鳴り声が飛び交い、いじめも珍しくありません。
こんな居住環境でも、住宅扶助費の限度額46000円が事業者に支払われています。
県は、こうした劣悪な居住環境について、どう認識していますか。
また、こうした状況を認識していながら改善を促そうともしていませんが、指導を強化すべきではありませんか、お答え下さい。
 宿泊所で提供される食事もひどいもので、ある入所者の話では、朝食はウインナー2本漬け物2切れ、ご飯と味噌汁、夕食は給食業者の調理済みのパックを暖めただけ、給食業者が休みの日曜日は、カップラーメン1個の時もある。にもかかわらず、1日2食で月に29000円も取られています。
その方は、「こんなことなら、300円のお弁当を買った方がよっぽどましだ」と言っていましたが、弁当を買おうが、外食をしようが、29000円をとられる仕組みになっていますから、施設で食べるしかありません。
 施設内就労と称する労働条件もひどく、寮の賄いを手伝っている入所者の賃金は時給728円で、これは、千葉県の最低賃金そのものです。
こうした食事の内容や就労条件について12月議会の常任委員会では、「知りえていない」とか、「調査していない」などと答えていますが、入所者の生活の基本を把握していないで、指導するといっても説得力はありません。福祉事務所のケースワーカーなどとも連携して、入所者から直接状況を把握するなどきめ細かな作業が必要だと思いますが、どうか。
 そもそも、こうした宿泊所への入所は短期が前提です。
県のガイドラインでも「施設は一時的な使用が想定されているものであって、事業者は、利用者に対して、利用開始後3カ月以内に自立させるよう指導すること」とされています。
ところが実態は、1年以上の入所者が7割以上をしめ、5年以上住んでいるというのも2割にも上っています。ほとんど、自立できていないのが実態であり、ここの改善が必要です。
長期入所者が大多数を占めている現状を、どう認識していますか。
事業者が入所者に自立や就労支援を強める必要があると思いますが、県として、どう事業者を指導しているのか、伺います。
 貧困ビジネスがはびこる中で、市川市の取り組みが注目されています。
市が、みずから自立支援住宅を8戸確保し、公園や河川敷などホームレスの居場所を毎週巡回指導しています。
健康相談所も市内に2カ所設置して、週1回、看護師も配置して相談に乗っています。
そこではシャワーにも入れるようにしており、訪れた人に喜ばれています。
県も、市川市の事業に対して一定の補助金を出していますが、県内自治体のセーフティーネットを充実、拡大させるために、他市町村にもこうした取り組みを広げる努力をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 いま起こっている貧困ビジネスの問題の背景には、生活保護行政の不十分さがあります。
ケースワーカーの人数も少なく、都市部では一人のケースワーカーが被保護世帯80世帯を担当するのが基準になっているのに、100ケースを超えて対応しなければならないワーカーが少なくありません。これでは、本格的に保護世帯を支援しようと思っても、出来ないのは当然です。無料低額宿泊所の入所者の6割が自治体からの紹介になっており、自治体が劣悪な環境を認識していながら、施設を頼らざるを得ない状況になっている最大の要因もここにあります。
 しかも、市川市の話では、自立支援施設に入った人の多くがアルコール依存症やうつ病などの症状があり、実際就労できるのは1割程度だと言っています。
このことは、いま必要なのが、狭い意味での生活支援や就労支援だけではなく、福祉や医療の全体で、総合的に支援をすることの必要性を物語っています。
貧困ビジネスやホームレスの問題を根本から解決していくためには、生活保護行政を充実させる以外にありません。
老齢加算の復活など保護費の増額とともに、日常生活や就労を支援できる十分な体制を確立することが欠かせないと思いますが、県の認識はどうか、伺います。
 貧困ビジネスがはびこるのは、何よりもそこに貧困があるからです。
構造改革路線により格差と貧困が拡大されてきたところに最大の要因があり、今こそ、この路線の転換が急務です。
正社員が当たり前の社会、安心して長生きができる社会を作り、格差と貧困そのものを解決すること、ここにこそ根本的な解決の道があることを厳しく指摘し、以上、第一回目の質問といたします。

2010年3月5日金曜日

【2010年2月県議会】
 日本共産党 みわ由美議員
  ────代表質問 1回目の質問────

☆ 3月4日分

日本共産党のみわ由美です。

■知事の政治姿勢について

 初めに、知事の政治姿勢について、3点伺います。まず第一は、政治とカネの問題です。
鳩山首相の虚偽献金疑惑や、小沢一郎民主党幹事長の土地購入資金事件など、わずか半年で早くも新政権をめぐる政治とカネの問題が噴き出しました。
 何億円ものお金が飛び交い、闇から闇へと転がされ、裏では公共事業の受注にからむ企業のヤミ献金、政治家の莫大な不動産取得の実態まで浮かび上がる。
 「これでは庶民の暮らしなど分かるわけがない」「自民党とどこが違うのか」国民の怒りは当然です。カネをめぐる疑惑が、政治不信をここまで高めているのは、由々しき問題だと考えますが、知事はどんな感想をお持ちか、うかがいます。

 犯罪行為の責任を全て秘書にかぶせて、政治家が頬かむりするなど、もちろん許されませんし、仮に政治家自身が直接の罪に問われなかったとしても、政治的道義的責任が不問に付されてよい訳がありません。
 国会の場での真相解明が絶対に必要だし、あらゆる疑惑にこたえる厳しい説明責任が、政治家に求められるのは当然です。
 ところが、当の政治家は「検察の事情聴取でシロだったから、一件落着」などと居直り、肝心の民主党の中からは、「疑惑を正せ、真相を国民に説明せよ」との声が全くあがらない、異様な事態だと言わざるを得ません。
 政治家の政治的道義的責任、国民への説明責任は、しっかり果たすべきだと思いますがどんな見解をおもちか。
 知事自身も政治資金をめぐって厳しく問われてきた問題ですので、明確にお答え下さい。

 この問題の大もとには、やはり企業献金が横たわっています。
 政治家個人への企業献金は禁止といいながら、政党や政治資金団体への献金は禁止されていないため、政治家が支部長を務める政党支部への献金を装った迂回献金や、政治団体を偽装した献金などが、後を絶ちません。
 小沢氏の問題も「西松建設」のダミ一を使った偽装献金事件が発端でした。
 森田知事自身も、かつて自民党の支部を通じて、2004年から7年までの4年間で1億6千万円もの企業献金を集め、そのほとんどを、同じ事務所にある知事の資金管理団体に寄付していました。政治とカネが大問題になっている今、自らをも振り返り、改めて、知事自身の問題についてどうお考えか。
 知事として、企業団体献金は全面禁止をとの声を上げるべきですが、どうか。
 お答え下さい。

 政治姿勢の第二は、民意に対する姿勢についてです。
 自民・公明政権の社会保障削減政策がつくった数々の「傷跡」を速やかに是正してほしい、これは先の総選挙に託された切実な民意の太い柱でした。
 その象徴ともいうべき後期高齢者医療制度について、新政権が廃止の公約を反故にして、「四年後」の遠い彼方へと先送りしたことに、強い怒りが湧き起こっています。
 障害者自立支援法による応益負担も、約300億円あれば元の応能負担にもどせるのに、その3分の1しか予算化しなかったことが、公約違反だと大問題となっています。
 いのちと健康、人権にかかわる重要問題で、このように国民への約束が破られ、民意に背く政治がまかり通ることについて、知事はどう考えますか。
 また、県民の命と暮らしを守るべき知事として、後期高齢者医療制度の即時廃止と、障害者応益負担の速やかな廃止を、国に求めるべきですが、どうか。お答え下さい。

 普天間基地問題でも、新政権の公約への姿勢が厳しく問われています。
 名護市長選挙の結果は、基地建設ノ一の審判をつきつけました。
 ところが平野官房長官はその直後、なんと「(選挙結果を)斟酌してやらなければならないという理由はない」等と、驚くべき暴言を放ちました。
 そもそも民主党は総選挙で、県内移設反対という沖縄県民の意思を尊重すると約束していたはず。
 それを反故にするばかりか、選挙結果も斟酌しないなど、こんな二重三重の民意無視は、到底許されないと思いますが、知事の見解を伺います。

 政治姿勢の第三は、消費税増税についてです。
 四年間は消費税を上げないとの鳩山首相の約束などまるでどこ吹く風で、早くも自民・民主による消費税引き上げの大合唱が始まっています。
 谷垣自民党総裁は、「三年間もの時間を費やしている余裕はない」と増税をあおり、菅財務大臣が「しっかりした案を掲げてたたかう」などと応じていることは、極めて重大です。
 知事はこれまで、地方の税収増につながるからと、消費税増税に期待する発言をしてきましたが、所得の低い人ほど負担が重い、最悪の大衆課税である消費税を、この経済情勢のもとで引き上げることが、県内経済と暮らしに重大な影響をもたらすことになる、知事もその事実は否定できないはずですが、どうか。答弁を求めます。

 消費税をめぐる問題は、新たな税の負担を、暮らしにあえぐ庶民に求めるのか、それとも莫大な内部留保をかかえる大企業に求めるのか、という問題に帰着します。
 大企業と大資産家への優遇税制は温存したうえ、さらなる大企業減税をすすめる、これでは結局、消費税増税にならざるを得ません。
 財源を負担させる相手が、間違っていませんか。大企業減税を中止し、軍事費の浪費をなくし、この二つの聖域にメスを入れて消費税増税はキッパリ止める、これこそ道理ある方向だと考えますが、どうか。認識をうかがいます。
 
■総合計画(案)について

 次に、議案提出されている千葉県総合計画に関連して質問します。
 行政の長期計画は単なる「願望」ではなく、裏づけを伴った責任あるものでなければならないことは、言うまでもありません。
 その裏づけを欠いた「くらし満足度日本一」の乱発は、無責任につながる、とわが党は12月議会できびしく警告いたしました。
 それでも「日本一」をかかげるというなら、それこそ、県政の大本からの転換が不可欠のはずです。
 ところが上程された計画案は、破たんに瀕した従来の基本路線をそのまま引き継いだばかりか、矛盾をさらに拡大するものとなっています。
 これは由々しい問題であります。
 その最たるものが巨大開発です。計画案をひとことで言えば、四半世紀前からの三角構想、その後、つくば沿線開発を加えて四角となりましたが、この構想を、「交流基盤整備」という新たなネーミングで、森田カラーという色づけのもとに、規模をさらに拡大して、何が何でも推進するというものであります。
 そのための巨大道路、区画整理による市街地開発、港湾整備、新たな工業団地造成、さらにはリニアモーターカーまで登場しています。
 まさに県内財界の要望そのものです。しかしこの間、財界の利益最優先に、県の最重点課題としてすすめられてきた一連の巨大開発が、県内あちこちで、いかに行き詰まり、県政の重荷となっているか、枚挙にいとまがありません。
 最大の事例が、株式会社かずさアカデミアパークの破たんです。
 県の損失は最大で60億円、これ自体、重大な問題ですが、ことの本質は、単なる3セクの破たん、60億円損失だけではありません。
 かずさの第一期事業、278ヘクタールの開発のために、県はいくら財政をつぎこんだか。アクセス道路整備、ダム建設、DNA研究所とアカデミアホールの建設、財団法人かずさDNA研究所と3セクへの巨額の出資、進出企業用にと借り上げた広大な土地の賃借料、ホール運営の赤字補填、等々、累計1500億円に及ぶ膨大な県費の支出。
 その全体にかかわる非常事態と見る必要があります。
 (株)かずさアカデミアパ一クの経営破綻は、かずさ構想そのものの行き詰まりに、原因があると思いますが、どうか。
見解を伺います。

 いったいなぜ、山深い丘陵地にこの事業が計画されたのか。
 新日鉄が昭和40年代以降、手当たり次第に買い占めた1000ヘクタールに及ぶ土地の価値を、県の手で高めてやることが目的だったからであります。
 その動機の異常さ、計画の無謀さ、推進手法の危うさと、事業そのものの破たんの危険性を、共産党は30年前から一貫して告発してきました。
 県は何と答弁してきたか。
 たとえば、将来進出する企業のために、県が予め地権者から広大な土地を一括して借り上げ、保有して、毎年毎年地代を払い続ける、その道理の無さ、負担の重さを指摘すると、県は、「進出した企業には、それまで県が負担した地代も含めて払っていただきます」と答えていたではありませんか。
 たとえば、高齢者福祉全国最下位の千葉県がその充実のための予算を惜しむ一方で、かずさに湯水のように金をつぎこむのは、自治体ほんらいの使命に反しないかと問えば、県は、「かずさは、県民生活と県民福祉の向上に大きく貢献する事業です」と答えていたではありませんか。
 こうした過去の答弁について、それがことごとく破たんしてきたことについて、いま県は、どんな認識をもっているのか、率直にうかがます。

 「東京湾横断道路が開通すれば一等地になる、未来はバラ色だ、世界最先端のバイオのメッカの誕生だ」。
議会で何を言われようが、どんな事実を突き付けられようが、歴代県政は明けても暮れてもこう宣伝し、湯水のように財政を投入してきたのであります。
 それがいま、広大な未利用地と借金の山、そして無残な3セクの破たん。私たちの警告どおりの事態になっているではありませんか。
 今回の3セク破たんから、県はどんな教訓を引き出したのか述べていただきたい。
 “県だけで事業をやったわけじゃない”“地元も金融機関も一緒になってやったことだ”などという、県幹部の驚くべき居直り発言が報道されていますが、とんでもないことです。
 謙虚な反省が必要ではないですか。お答え下さい。

 総合計画では、アクアラインの値下げで、「かずさの優位性は飛躍的に高まる」などと、またしてもバラ色の夢を描いています。
 このバラ色の将来展望と、無残な3セク破たんという現実と、いったい論理的にどうつながるのか、ご説明願います。
 現実から目をそらして虚勢を張る態度に、もうそろそろピリオドを打って、現実を直視し、これ以上傷を深くしないためにも、事業計画の大胆な見直しが必要ではないでしょうか、答弁を求めます。

 つくばエクスプレス沿線開発も事態は深刻です。保留地がまるで売れない。とりわけ、事業費の8割を保留地処分金にたよる木地区は、販売ゼロです。
 最高の一等地を、値段を下げても、買い手がない。容易ならざる事態と見なければなりません。
 私は一年前の質問で、流山市が将来の人口推計を大幅に引き下げた結果、県の事業計画は実態から乖離してしまっていることをとりあげました。
 いま流山市はさらに、市施工の西平井・鰭ヶ崎地区について、現行の開発計画では見通しがないとして、計画そのものの見直しを県に申請し、いま両者の協議が進んでいるとのことです。
 市に設置された市長の諮問機関では、これだけの規模の開発を進めるには、もはや国内の人口や資金だけでは無理だ、国外に目を向ける必要があるといった議論が交わされているとのことです。
 人口が減り、経済が収縮し、地価が下落する中で、保留地がいつまでも売れない。
 きわめて深刻な事態をどう認識するのか。保留地処分金が入らなければ、結局、県費投入で事業費をまかなう以外になくなるではありませんか。
 それは絶対にない、と今でも責任をもって云えますか。ハッキリとお答え下さい。

 経済・社会情勢の激変のもと、従来型巨大開発の抜本的な見直しがますます必要なときに、真摯な検討とは全く逆に、またもやバラ色の夢を描いて中央突破をはかる。
 計画案には、千葉県の発展性やポテンシャルが「飛躍的に高まる」との表現が、かずさでも、つくば沿線でも、千葉ニュータウンでも、至るところに登場します。
 その号令のままに、なおも莫大な県費をあれこれの事業に投入し続ければ、どういうことになるか。
傷口の拡大、県財政のいっそうの逼迫は、避けがたいものとなるでありましょう。
 たとえば財界がつよく要望する北千葉道路では、成田から千葉ニュータウンまでの着工済み区間の促進とは別に、新たに未着手区間の検討が正式に打ち出されました。
 市川の東京外環道路との接続まで、約20キロメートル。都市部の高い地価、人家の密集を考えると、その建設費は1千億というオーダーになるでしょう。
 巨大道路ではすでに、東京外環道路に1400億円が使われました。
圏央道には最終的に1300億円つぎこむ予定であり、これに北千葉が加わります。
 1千億円超の道路がずらり。現下の財政状況のもと、これでは、くらしのための公共事業にお金がまわる訳がありません。
 そういうお金の使い方を改め、公共投資の流れを変えないかぎり、生活道路、学校耐震化、福祉施設の建設、橋梁など老朽化した社会資本の補強と延命などに必要となる膨大な事業費は、到底でてはきません。
 いくら「促進する」と総合計画で言葉だけ並べても、それこそ“絵に描いた餅”にならざるを得ないではありませんか。お答え下さい。

 こうして、財界大企業には“満足度日本一”の、手応えたしかな計画であればあるほど、その分、県民の暮らしや福祉には、まことに寒々とした、雲をつかむような計画となっています。策定段階で県は、それぞれの施策の3年間あるいは10年間の達成目標を数値で示すと約束しました。
が、示された指標一覧なるものは、唖然とするものであります。
 たとえば高齢者福祉なら、全国最下位の介護基盤の整備率をどこまで引き上げるか、特養老人ホームをどれだけ増設して、1万7千人もいる待機者をどこまで減らすのか、こうした指標は不可欠のはずです。
 ところが、こうした県自身の頑張りで達成すべき数値目標は何ひとつ登場しません。
 代わりに何が出てきたか。「自分が住み慣れた地域で安心して受診できる医療体制にあると感じている県民の割合」、これを現状の46.4%から50.0%に引き上げるというものです。
 あるいは「自分らしく、地域において、明るく楽しく生活していると感じている県民の割合」、これを現状の58.4%から65.0%に引き上げるというものもあります。
 一体こういう茫漠としたものを、長期計画における施策の数値目標と呼べるのでしょうか。
 県民を愚弄するのもいい加減にしなさい、との声がでるのは当然ではありませんか。これはもはや指標の名に値しません。
 こういうものではなく、県民生活にかかわる各分野の施策ごとに責任ある到達目標を示すべきです。答弁を求めます。

 最後に、私は「千葉力創造研究会」なる団体が昨年8月に発表した「報告書」を読んでみました。
 この団体は、会長、副会長、監事のすべてに県内財界トップがすわる、文字通りの財界団体です。
 報告書には、千葉の力を引き出すために、どんな巨大開発が必要か、財界がどんなプロジェクトを望んでいるか、その狙いが赤裸々に描かれていますが、その内容が、県の総合計画と余りにも似通っていることに驚きました。
 総合計画は財界の行動計画書なのか。調べてみると、千葉力創造研究会の会長と、県の総合計画策定懇談会の会長は、財界トップの同一人物がつとめています。
 こういうことでいいのでしょうか。
 財界はこれまでも、開発だけでなく、県に行政改革をあおりたて、歳出削減のために県庁をどうスリムにするか、職員を減らし、給与をカットし、県の仕事を民間の儲け仕事に委ね、県はいかに足を抜き身軽になるかの処方箋を、折にふれ指示してきました。
 県庁が、暮らしと人権を守る自治体としての役割を失っていく、そんな事態を絶対に許してはなりません。
財界主導と云われても仕方のない、県政のこうした現状を今こそ改め、県民の声をこそ中心においた県政運営をはかること、総合計画もそれにふさわしい内容に変更することを強く要求し、答弁を求めます。

 次に来年度予算について質問します。
 この予算は、県税の大幅な落ち込みを臨時財政対策債を含む交付税で補い、人件費抑制などで収支のバランスをとっています。知事は、「満足できる」「及第点だと思う」と胸を張っていますが、全体として、交付金、国から降ってきた一時的なお金を使って、それなりの予算をつけたと、いうことではないでしょうか。
 
■新年度予算案について

 県民の暮らしは、ますます厳しさを増しており、その暮らしを支えるために、県として、独自にあらゆる努力を尽くしたのか。
 森田知事初の予算がそうなっているのか。
 第一は、県民生活の分野についてです。
 4点伺いますが、一点目は、後期高齢者医療制度です。
保険料が、この4月から値上げされます。県は、この医療制度を運営している千葉県後期高齢者医療広域連合と協議して、今年度余った44億円と、「財政安定化基金」から24億円を繰り入れて、値上げ幅を630円に抑えたとしています。
 確かに、抑えたことは県民運動の反映ですが、もともと高い保険料が増額されること自体問題です。
 値上げをやめるために必要な金額は、およそ17億円。今後、「財政安定化基金」の残高は、42億2千万円へと大幅に増える見込みですから、県がその気になって広域連合に働きかければ、保険料の引き下げは可能です。
 限られた収入で暮らす多くの高齢者に、これ以上の負担を強いることは許されません。
 神奈川や埼玉では引き下げています。
 千葉県でも、基金からの繰り入れをさらに増やすなどして、少なくとも後期高齢者医療保険料の値上げは、据え置くべきですがどうか。

 二点目は、私立学校への経常費補助です。
県独自の上乗せが、高校で生徒一人当たり6000円、同じく幼稚園で600円に、それぞれ倍増したことは前進面であり、これは私学助成の大幅増額を求めてきた県民運動の成果です。
 しかし問題なのは、私学の授業料減免制度です。
 3億円あった県の予算が8300万円に、なんと7割以上もカットされました。ご承知の通り、国は公立高校授業料無償化とともに、私立高校就学支援事業を創設します。
 生徒一人当たり11万8800円の授業料助成を行い、所得の低い家庭にはさらに増額されます。国から千葉県にくるお金は60億円。私学関係者の多くが、これで県の助成制度が拡充されると期待したのは当然です。
 ところが県は、国が助成をはじめた途端、国からのお金を県が実施していた授業料減免の分に含めてしまいました。
 その分、県負担を減らしたのです。
 これでは、堂本県政がやっていた「ピンはね」を復活させたといわれても仕方がありません。
 これまでどおりの県予算を確保すれば、高校授業料減免制度を大幅に拡充できます。お答え下さい。

 三点目は、子どもの医療費助成です。
 県民の強い願いが県政を動かし、ようやく助成対象が12月から小学3年まで拡大しますが、子育て世帯は自己負担もなくしてほしいと、強く望んでいます。
 では、1回300円の自己負担をなくすためにどのくらいかかるのか。
 県の試算では年間ベースで15億円です。
 知事も当初は、自己負担なしでやろうと思っていた、と述べています。
 自己負担をなくし、あわせて所得制限もやめるべきだと思いますが、いかがですか、お答えください。

 四点目は、地域経済の振興です。商店街の予算は、来年度も4千万円を割り込みました。
県内には779の商店街がありますが、一商店街あたりにすれば、5万1千円。駐車場整備やバリアフリー化など、商店街の要望は切実であり、県は、バリアフリーを優先した予算にしたといいますが、あまりにも少なすぎます。商店街の要望に応えられるよう大幅に増額すべきです。お答え下さい。
 また、生活に密着した公共事業は、地元業者の仕事づくり、地域経済振興にとっても重要です。
依然として多くの入居希望者がいるのに、県営住宅の新規建設はゼロで、必要な建て替えも遅々として進まず、廃止は増える一方です。
また県道などに架かる橋りょうの耐震化は、優先すべきものですが、今年度末で30もの橋りょうが改修がされないまま残されており、来年度の予算でも、8つ分しかついていません。
災害時、住民避難や救援物資の輸送、傷病者の搬送に重大な支障をきたすようなことはあってはなりません。
橋梁の耐震化は一気に完了させること、県営住宅の必要な建替えや新規建設を検討すべきですがどうか。

 第二の問題は、大型公共事業の浪費が続いていることです。
 わが党がこれを重視するのは、これまでの県政が巨大開発にまい進する、その一方で、お金がないからと県民生活を切り捨ててきたからです。
 不要不急の巨大開発がどういう結末をむかえるか、先ほどの「総合計画」のところでとりあげた(株)かずさアカデミアパークの経営破たんをみれば明白です。
 ところが県には反省がない、反省がないから、来年度予算でも、つくばエクスプレス沿線の開発に114億円、北千葉道路33億円、酒々井インターチェンジ含む東関道整備に29億円をつぎ込み、木更津金田西地区の区画整理事業は13億円、1.6倍に増額しています。
 なかでも驚くのは、八ッ場ダムの予算です。
 利水の面でも、治水の面でも、必要のないものだということは、繰り返し指摘しているところですが、県は、来年度21億3千万円を計上しました。
 このうち、ダム本体の工事分として、2億5千6百万円が含まれています。
 新政権がダム本体部分を凍結したことは、重々承知のはずなのに、国が凍結した使わないお金だということがハッキリしていながら予算に計上する。
 予算編成にあたって、あまりにも無責任すぎます。少なくとも八ッ場ダム本体工事関連の予算は削除すべきです。お答え下さい。

 第3の問題は、県独自の歳入確保についてです。
 わが党が繰り返し求めている大企業への法人事業税超過課税はまたもや見送りです。
 この間、大企業は、派遣労働者を物のように使い捨てし、下請け企業の単価をたたき、その犠牲のうえに内 部留保を大幅に増やし、株主への莫大な配当をおこなっています。
 国の減税の恩恵も受け続けています。
 こうした独り勝ちといわれる大企業に、応分の負担を求めて、その社会的責任を果たしてもらうのは当然ではないでしょうか。
 来年度、限度いっぱい課税すれば、100億円の増収となり、暮らしや福祉の貴重な財源になります。工業県では当たり前のように実施している大企業への法人事業税超過課税を、なぜ実施しないのか、どんな不都合があるのか、お答え下さい。

 県は行政改革・財政健全化の名で、人件費の大幅抑制、民間・市町村譲渡などで歳出削減と財源確保を進めようとしています。
 しかし例えば、児童虐待や精神・児童福祉の分野などの現場は深刻な人手不足のままです。
またこの間、民間にできることは民間にと、指定管理者制度が導入され、県有施設が民間に任されてきましたが、県立公園の維持・管理がずさんだったことが問題になりました。
 責任ある検証や反省がなされてしかるべきです。
 福祉など県民生活に密着した分野での職員不足や、行き過ぎた民営化路線は、くらし福祉を守る自治体の本来の役目を捨て去るものですが、どうか、お答え下さい。 

    ────2010年3月1日────

2010年3月2日火曜日

「かずさ構想」反省なし
   三輪県議が千葉県批判
 ────三輪由美ホームページ────

3月1日代表質問に立つみわ県議

 2月定例千葉県議会で1日、日本共産党の三輪由美県議が代表質問に立ち、県総合計画案で打ち出されているかずさアカデミアパーク継続や八ッ場ダムなど浪費を続ける県の姿勢を批判しました。

 三輪県議は県などが出資し今年経営破たんした第三セクター、かずさアカデミアパークについて、新日鉄が買い占めた土地を開発し企業を呼び込む「かずさ構想」そのものの破たんだと指摘。「企業は1ヘクタール3千万円の協力金を払っても来る」と強弁しながら企業進出は計画の3分の1にとどまり、その後維持管理に税金を投入してきた県を批判しました。

 森田知事は「東京湾横断道路の料金引き下げを生かし企業誘致を進める」と答弁。三輪氏は「30年前は『横断道路ができるから』、今後は『料金を下げたから』企業が来るとバラ色に描くのは無責任極まりない」と県の姿勢をただしました。

 2010年度予算に八ツ場ダム本体工事分約2億6千万円を盛り込んだことにについて三輪氏は「国が凍結した事業で八ツ場ダムには予算計上し、同様の館山道路63億円は計上していない」と指摘し、矛盾を追及しました。

 民主党政権や森田知事の政治とカネの疑惑について知事は「説明責任はある」と認めましたが、自身の違法献金問題は「法に定められた通りやっている」と説明を回避しました。

   ────10/03/02付「しんぶん赤旗」────