2012年1月26日木曜日

要綱に補助金返還規定
パナ茂原工場休止受け 制度見直し検討へ
千葉県の企業立地補助制度

千葉県と茂原市が巨額の企業立地補助金を交付したパナソニックの茂原工場が操業開始からわずか5年余りで休止することを受け、県が一定期間以上操業しなかった企業に補助金返還を義務づけるなどの制度要綱の見直しを検討していることが7日、分かった。地元経済への波及効果などを期待して交付するのが制度の趣旨にもかかわらず、短期間で撤退した場合、補助金が無駄になってしまいかねないため。また、同工場に支払い済みの補助金について今後、返還請求の可能性を模索していくことを明らかにした。 薄型テレビ向けの液晶パネルを製造する同工場は、県や茂原市の誘致により同市への立地を決め、2006年5月に操業開始。県内への企業立地としては平成以降で最大級の整備費約1100億円を投じる大型立地で、県と市はこの誘致を機に大幅拡充した補助制度を設け、同工場に適用した。それらの制度に基づき、ともに15年間の分割交付で県が総額50億円のうち20億3千万円、市が40億円のうち13億5千万円をこれまでに支払ってきた。

 企業立地は大型になるほど、地域の雇用創出や固定資産税などの税収、地元企業との取引活性化などで大きな波及効果が見込める。ところが、パナソニックが同工場の年度内の休止を決めたことで、当てが外れる形になった。「現行の制度では、補助金の交付終了後もずっと操業が続くと想定している。ここまで経済環境や薄型テレビ製造業界の環境が激変するとは考えていなかった」と県企業立地課の担当者は言う。
 県が着手する補助制度見直しでは、立地後に一定期間以上操業することを交付要件にすることや、一定期間を経過せず撤退した場合に返還を義務づける規定などを検討する。

────2011年11月08日────

ちば経済:パナソニック茂原工場休止
先行き見えず、危機感/千葉
────県が要望「雇用対応、しっかりと」────

12年3月期の連結最終(当期)損益が、4200億円の赤字になるとの業績予想修正を発表したパナソニックが、同時に液晶テレビ用のパネル製造を行う茂原工場の休止を公表したことが、地元茂原市や県内経済界に、雇用不安を含む大きな波紋を広げている。【吉村建二、味澤由妃】

 業績修正の会見翌日の1日午前8時、茂原工場を運営する子会社幹部が、同市を訪れ、休止方針を正式に伝えた。

 対応した同市幹部によると「工場は年度内に休止する。正規社員500人については姫路工場に配転する計画だ」と説明する一方、非正規社員約1000人については「個々の雇用形態に準じて対応したい」と述べるにとどまり、雇用継続への具体的な考えは示されなかったという。

 対応した同市の田中豊彦市長は「何ら情報もなく、31日にいきなり休止発表。どうして事前に連絡してくれないのか。不安が広がっているのに、売却されるかどうかも先行きも不明。あなたたちの情報は後手後手だ」などと強い調子で、同社側の対応を批判したが、子会社幹部からは、工場売却の見通しなどについて、具体的な回答はなく、面談は約30分で終わったという。

 危機感を募らせる茂原商工会議所も情報収集に奔走しているが、情報が集まらず、対応策を打てずにいる。同会議所の事務局幹部は「目の前に工場がありながら、情報が全く入ってこない」と顔を曇らせている。

 最悪の場合、1000人を超える失職者が発生しかねない事態に、行政も警戒を強め始めた。千葉労働局の担当者は「茂原市内だけで再就職先を見つけるのはとても難しい」と話す。県商工労働部も「雇用者対応をしっかりやってほしいとパナソニック側に強く要望した」と説明する。 雇用拡大など県内経済活性化のため、進出企業に対する補助金を05年度から支出してきた県は、同工場に対し、当時の制度の限度額50億円を支出する計画だったが、今後の支出については打ち切る方針を固めている。

 一方、すでに支払い済みの20億3000万円については、撤退時の補助金返還を求める規定がないことから、県は返還請求しない方針。

────毎日新聞 2011年11月3日 地方版────

パナソニック:茂原工場の売却検討
地元に広がる不安「震災に追い打ち」/千葉

◇ 雇用規模最大級 家電大手のパナソニックが主力のテレビ事業を縮小し、液晶パネルを製造する茂原工場の売却を検討していることが明らかになった。関連企業も少なくないだけに、地元の茂原市とその周辺では、今後の工場の存続や雇用に対し、不安が広がっている。同工場の雇用規模は市内最大級で、県内の経済関係者からは「震災や円高で県内経済が厳しさをみせるなか、追い打ちをかけかねない」と懸念の声も出ている。

 同市によると、同工場は約1100億円を投じて整備され、06年5月から操業を始めた。現在、市内外から約1600人の従業員を抱えている。部品を納入したり、こん包を担う取引企業も10社程度あるという。

 さらに同市に対して、数億円規模の固定資産税を納入するなど、地元経済だけでなく、今後の展開次第では、市財政にも大きな打撃を与えかねず、地元飲食店やホテルなどのサービス業への波及を懸念する声もある。同市の担当者は「この地域では、大きな企業で、地元経済への影響が心配だ」と不安を隠せない様子だ。 いまのところ、パナソニック側から地元関係者に対し、正式な説明はまだなく、工場売却検討のニュースに当惑する地元経済関係者も少なくない。茂原商工会議所は「こちらも情報収集をしている最中。もし売却になれば、影響は少なからずあるだろう」と話している。

【森有正】毎日新聞 2011年10月22日 地方版

「平成最大級の立地」に暗雲
パナソニック茂原工場に売却方針
雇用、税収へ影響懸念も

液晶パネルを生産するパナソニックの茂原工場 パナソニックの茂原工場の売却方針が浮上した20日、地元に動揺が広がった。1千億円を超す巨額投資を伴う工場進出は「平成以降、県内最大級の企業立地」(県企業立地課)とされ、県や茂原市が現在の企業誘致方針を形作る契機にもなった。従業員1600人の雇用や県・市の税収、地元企業との取引への影響も懸念され、多くの関係者が行く末を注視している。

 同工場は当時、日立製作所、旧松下電器産業(現パナソニック)などによる共同出資会社が約1100億円を投じて整備し、2006年5月に操業開始。当初約600人だった従業員は08年5月末にピークの2300人超に。10年4月に姫路工場(兵庫県)が稼働してから減少傾向にあったが、今も約1600人が働く。現在は出資比率を高めたパナソニックが経営権を握る。

 県企業立地課の担当者は「少なくとも平成以降、立地投資額としては最高レベル。県の誘致施策の転機にもなった立地で、売却されることになれば非常に残念」と肩を落とす。「地域の雇用を守るのが第一なので、今後、従業員の処遇を極力慎重に扱ってほしいと伝えたい」と話した。 市商工観光課も雇用や地域経済への影響を懸念する。「部品製造や設備メンテナンスなどで関係の深い地元企業もある。従業員が減れば、街のにぎわいにも影響するかもしれない」。また、「年間数億円から十数億円と、固定資産税が市内トップクラス」(同課)と財政面への影響も心配する。

────2011年10月21日 千葉日報────

パナソニック:テレビ事業縮小
従業員1000人超削減へ

パナソニックが、主力のテレビ事業を縮小する方針を固めたことが20日、明らかになった。プラズマテレビ用パネルの最新工場である尼崎第1、第3工場(兵庫県尼崎市)の生産を今年度中に中止する。また、液晶テレビのパネルを生産する茂原工場(千葉県茂原市)は売却する。これに伴い、1000人超の従業員を削減する。テレビ事業は、円高に加え、韓国メーカーなどとの競争激化で価格下落に歯止めがかからず、08年度から赤字続きで、抜本的再編に追い込まれた。 パナソニックは、テレビ用のプラズマパネルを尼崎の3工場と中国・上海工場で、液晶パネルを茂原と姫路工場(兵庫県姫路市)の計2工場で、それぞれ生産。国内でのプラズマパネルの生産は尼崎第2工場に集約する。05年稼働の第1工場は生産ラインを太陽電池パネルに転用する。

 10年1月に稼働したばかりの第3工場の扱いは、今後検討する。上海工場は存続の見通し。液晶パネルについては、茂原工場を売却する方向で調整している。 これに伴い、パナソニックのテレビ向けパネルの生産能力は現在の月産約256万台(プラズマパネル42型、液晶は32型換算)から約141万台へ4割超減少する。

 パナソニックの11年3月期の連結売上高は8兆6927億円で、テレビ事業の占める割合は約11%。韓国・台湾メーカーなどの低価格競争に拍車がかかり、抜本的な改革が急務だった。パナソニックは、テレビの生産縮小を受け、今年度の世界販売目標として設定していた2500万台を2000万台に下方修正する。12年度は1500万~2000万台へとさらに引き下げる。

 また、パネルの外部調達やテレビの相手先ブランドによる受託生産(OEM)の比率を今後高め、コスト削減を進める方針だ。次世代テレビとして期待される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビは開発を続ける。

【宮崎泰宏、宇都宮裕一】毎日新聞 2011年10月20日

ジャパンディスプレイ
パナソニック茂原工場を買収へ

東芝、日立製作所、ソニーと官民ファンドの産業革新機構が来春までに設立する中小型パネル事業の統合新会社「ジャパンディスプレイ」が、パナソニックが売却する方針を固めた茂原工場(千葉県茂原市)の工場を買収し、生産拠点にすることで最終調整していることが20日分かった。新会社は生産の増強を図る計画で、日立の液晶子会社に隣接するパナソニックの工場が最適地と判断し、調整を進める。

 パナソニックは茂原工場で大型液晶パネルを生産しているが、赤字が続くテレビ事業の収益改善のため、売却する方針。一方、ジャパンディスプレイは、スマートフォン(多機能携帯電話)など向けに需要が拡大している中小型液晶パネルで韓国、台湾メーカーに対抗するため、生産ラインを増やして事業基盤を強化する計画だ。

 東芝やソニーの拠点がある石川県や愛知県での生産ライン増強案も挙がっているが、日立の液晶子会社に隣接しているパナソニックの工場を引き継げば、技術移転や人材活用の面から最も合理的と判断している。今後、パナソニックとの具体的な交渉を詰める考えだ。

【竹地広憲】毎日新聞 2011年10月21日

2012年1月24日火曜日

県議会
パナソニック液晶と日立ディスプレイズへ
雇用確保の申し入れ

11月8日、日本共産党は、工場の休止を表明したパナソニック液晶ディスプレイ(株)と、来春設立予定のジャパンディスプレイ(株)に統合される日立ディスプレイズ(株)にたいして、雇用の確保を求める申し入れを行いました。 全文は以下の通りです。

貴工場の年度内休止にかかわる要請について


パナソニック液晶ディスプレイ茂原工場 御中

2011年11月8日
 日本共産党千葉県委員会
 日本共産党千葉県東部地区委員



日ごろの貴工場の活動に敬意を表します。
 貴パナソニック液晶ディスプレイ茂原工場の年度内休止が発表され、正規・非正規の労働者約1500人の雇用と、地域の関連企業の経営に不安が広がっています。 日本共産党は、雇用と地域経済を守る大企業の役割を果たされるよう以下のように要請するものです。


1.巨額の内部留保や地元自治体からの補助金交付にてらして、雇用と地域経済への社会的責任を明確に果たすこと。
① パナソニック本社の内部留保は、4兆円を超えており、その1%を使っただけで1万人の雇用が守れます。いかなる状況であれ、労働者の雇用や関連会社の経営を守ることを強く要請します。
② 貴工場には、旧IPSアルファテクノロジー社の時から継続して、千葉県から50億円、茂原市から40億円の合計90億円の補助金拠出が実行中で、すでに千葉県から20億3千万円、茂原市から13億5千億円が支払い済みであり、貴工場として地域の雇用と経済にたいする責任を果たすべきです。
③ 工場休止などによって、雇用や地域経済に深刻な影響をもたらすならば、千葉県や茂原市からの補助金は返還すべきです。

2.非正規雇用労働者についても、正規労働者と同様に雇用を守ること。

① 非正規雇用労働者からは、契約期間満了で遅くとも3月までに雇い止めになるのかという不安の声があがっています。「派遣」として長期間受け入れ、派遣受け入れ期間制限の後は、有期雇用として僅か3か月の短期間契約を長期に繰り返すなどの実態から、本来は正規雇用とすべき労働者です。「工場休止」を理由に「雇い止め」にされるのは、あまりにひどい対応です。正社員と同様、今後の雇用に責任を持つべきです。
② この間、「紹介予定派遣」として、派遣労働者を受け入れながら、予定期間が来ても直接雇用がほとんど行われていないとの声が寄せられています。仮にこうした事実があれば脱法行為になります。紹介予定派遣の主旨に照らして、直接雇用を促進すべきです。
③ 関連の請負会社の労働者についても、雇用が守られるよう責任を果たすべきです。

3.正規雇用労働者の姫路への異動について

① 正規労働者の相当数が、家庭の事情等で「姫路工場への異動」は困難と思われます。労働者の希望と実情をふまえて、雇用を守る対応をすべきです。
② すでに姫路工場に異動した労働者を含めて、千葉の自宅への帰宅費用などを含めて、必要な手当ての保障や待遇改善をはかるべきです。

4.仮に「ジャパンディスプレイ」社などが貴工場を買収する場合でも、関連会社を含めて雇用を守ることを要請します。

以上

「ジャパンディスプレイ」社への
統合にかかわる要請について

(株)日立ディスプレイズ社 御中

2011年11月8日
日本共産党千葉県委員会
日本共産党千葉県東部地区委員会



 日ごろの貴社の活動に敬意を表します。 貴(株)日立ディスプレイズ社を、(株)産業革新機構(INCJ)を中心として設立される「ジャパンディスプレイ」の下、ソニー、東芝、日立の中小型ディスプレイ事業として統合することで基本合意したとの発表がありました。 日本共産党は、雇用と地域経済を守る大企業の役割を果たされるよう以下のように要請するものです。




1.「ジャパンディスプレイ」社への統合にあたって

① 現在の正規・非正規の労働者の雇用を守る社会的責任を果たすこと。② 関連会社の経営を守ること。

2.現在の雇用・労働条件について

① 非正規の労働者が「生産縮少」を理由に雇い止めにされています。「派遣」として長期間受け入れ、派遣受け入れ期間制限の後は、有期間雇用として僅か3か月の短期間契約を何年も繰り返している場合は、本来は正規雇用とすべき労働者です。「生産縮少」だからと「雇い止め」にするのは不当な対応です。雇用に責任を持つべきです。

② 設計業務の派遣労働者が雇い止めにされているとの声が寄せられています。3年を超えて受け入れている派遣労働者に対し、直接雇用の申し入れ義務を果たし、雇用に責任を持つべきです。

③ 女性の夜勤を、本人の事情を無視して強制しているとの声が寄せられています。このような実情があれば是正すべきです。

以上  



────丸山慎一ホームページ────

2012年1月23日月曜日

原発対応の窓口一本化
県、復旧復興室など新設 来月1日から

千葉県は27日、東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質などへの対応を強化するため、放射線対策の総合調整を担う「原発事故対応・復旧復興室」を新設するなど県庁の組織変更を行うと発表した。「地域防災力向上室」も新たに設置し、地域防災計画の早期見直しに取り組む。職員8人を増員し、防災危機管理監に11月1日付で設置される。森田健作知事は同日の定例記者会見で「放射線対応など当初の想定より管理監の重荷が大きすぎた。新しい組織で業務を分担し、対応窓口の一本化を図りたい」と話した。

 県行政改革推進課によると、原発事故対応・復旧復興室には担当部長を配置するとともに、担当職員を現状の7人から11人に増員。国が検討する復興特区や復興交付金の調整や、市町村からの要望への対応のほか、放射線量の測定や汚泥焼却灰の安全基準などについて国や関係機関などの状況把握に取り組む。東電の損害賠償請求や県民相談なども行う。地域防災力向上室は、来年秋ごろをめどとしている地域防災計画の見直しに専従的に取り組み、修正の前倒しを目指す。同計画は液状化や津波、石油コンビナート対策など多岐にわたるため、3人の担当職員を7人に増やして対応する。両室とも防災危機管理監防災危機管理課内に設置される。

────2011年10月28日 千葉日報────

「県の主体的な行動を」
提言盛り込み調査報告案
────千葉────

千葉県議会の東日本大震災復旧・復興対策特別委員会は24日、県への提言を盛り込んだ調査報告案をとりまとめた。その中で、放射性物質(放射能)の除染作業や今後の災害対策などに向けた国の対応が不十分と指摘。県がリーダーシップを取ることを求めている。11月中旬にも報告書をまとめ、知事に提出する。 報告書案では、県として、国に放射線量の安全基準策定や安全対策を強く要望するべきだとしている。その上で、県民の不安を取り除くために「国の対応を待つのではなく、県が主体的に(施策を)進めること」の重要性を指摘した。

 この日の議論でも、除染作業の遅れを懸念する声が上がった。「住民のため、予算準備がなくても除染作業に踏み切るしかない自治体がある」「県の対応が遅いので、各自治体がそれぞれの基準で放射線対策を行っている現状は好ましくない」など、県のリーダーシップ不在を批判する意見が相次いだ。

 報告書案ではこのほか、新たな津波浸水予測図についても「県独自に早期に作成すること」を提言。液状化対策では、国、県、市が協力するさい「県が主体となって調整」するべきだとし、復興特区の指定を求める市町村には最大限支援することを求めた。

────産経10/25────

千葉
放射線対策
県が専従組織 部局横断での設置検討

県は24日、東京電力福島第一原発事故による放射性物質対策について、県庁内に、部局を横断した対策専従組織を検討していると明らかにした。

 同日行われた県議会東日本大震災復旧・復興対策特別委員会で、内田悦嗣委員(自民)が専門的に対応する組織の設置についてただしたのに対し、吉田雅一災害復旧・復興担当理事が「除染の問題もあり、県庁内を横断した対応が必要」と答えた。 委員らは、柏市根戸の市有地で毎時57・5マイクロ・シーベルトの高い放射線量が検出された問題について、県が全く関わっていないことを指摘、専門組織の必要性を訴えた。県庁内に放射線について専門知識を持っている職員もいないことから、識者を招いて組織に加えることも提案した。

 同委員会は11月、知事に示す提言の中で、専門的に対応する組織の設置を求める。ほかにも、新たな津波浸水予測図を独自に策定することや、液状化被害で、県の住宅再建支援事業の対象になっていない分譲マンションを、戸建てと格差がないよう是正を検討することなどを提言する。

────2011年10月25日 読売新聞────

2012年1月22日日曜日

液状化支援拡大を
津波浸水図作成早期に
────震災特別委が調査報告案────

千葉県議会の「東日本大震災復旧・復興対策特別委員会」(宇野裕委員長、委員17人)は24日、来年度の県の防災対策に反映させる調査報告案を取りまとめ、県内に甚大な被害をもたらした液状化や津波対策など6テーマを柱とする提言を打ち出した。計10回の協議や視察結果を踏まえ、液状化被害支援策の分譲マンションへの拡大や、県独自の津波浸水予測図の早期作成などのほか、帰宅困難者対策の見直しなどを盛り込んだ。来月25日開会予定の12月定例県議会までに最終まとめを行い、森田健作知事に提出する。

 同特別委は5月20日に設置され、県内被災地の現地調査のほか、液状化や津波対策の協議検討などを計10回にわたって実施した。

 提言案では(1)津波対策(2)液状化対策(3)石油コンビナート等特別区域の防災対策(4)県の復旧復興指針原案(5)県地域防災計画の見直し(6)原発事故への対処方針-の6テーマについて、47項目の施策を掲げた。

 津波対策では、浸水予測図の早期作成のほか、減災効果のあった防潮林の計画的整備など10項目を提案。平地が広がる九十九里地域では、避難場所としての教育施設の検討や、津波を防いだ九十九里有料道路の延伸などを具体的に掲げた。また、千葉市などで水門の閉門が遅れ浸水被害が出た問題への対策も求めた。

────2011年10月25日千葉日報────

東日本大震災:処分場汚泥検査を
君津市長、森田知事に要望
────千葉────

君津市の鈴木洋邦市長は20日、森田健作知事と県内各市町村長の意見交換会の席上、同市内の管理型最終処分場に放射性物質を含む汚泥や焼却灰が搬入されている問題について「施設近くを流れる川は周辺4市の水がめで、放射能が流れ込むと大変。私たちも安全だと説明しきれない」と述べ、処分場の運営企業に対し、汚泥の検査や放流水の分析、搬入量の制限などを行政指導するよう、森田健作知事に要望した。

 これに対し同席した戸谷久子・環境生活部長は「10月から施設から出る浸出水、放流水の放射性セシウムの分析をする。搬入量の制限はできないが、住民の安全に配慮する」と述べた。森田知事の回答はなかった。

 県廃棄物指導課などによると、同処理場は埋設した廃棄物から汚染水がしみ出さないよう、シートで地下水と廃棄物を分断。降雨などでシートの上にたまる水は処理後、近くの御腹川に排出している。鈴木市長は「市内のシイタケが暫定規制値を超えたことも重なり、地元はパニックになっている。(窮状を)もっと身近に感じてほしい」と訴えた。

────【斎藤有香】毎日新聞 2011年10月21日 地方版────

PR強化を緊急提言
森田知事カジノ案で意見募る
────成田空港緊急戦略プロジェクト会議────

成田国際空港の利便性向上と県内経済活性化策を検討する成田空港緊急戦略プロジェクト会議(座長・森田健作知事)の第3回会合が26日、千葉市内のホテルで開かれ、官民一体での成田空港PR強化やサービス充実など、4月から早急に取り組むべき施策をまとめた緊急提言を了承した。また、森田知事は成田活性化へカジノ設置を提案。4月末にも予定されている次回会議までに委員の意見を募り、6月に策定する中間取りまとめに盛り込むかを協議することになった。 緊急提言は(1)官民一体のPR強化(2)国内フィーダー路線(国際線乗り継ぎ便)の充実とPR(3)入国審査施設の改善や外国人向け案内サービスの充実など「おもてなし」機能の向上(4)空港を利用した活性化-の4本柱。28日から成田空港の発着枠拡大や7月の成田スカイアクセス開業を踏まえ、4月から緊急に取り組むべき施策を取りまとめた。

 成田市が成田空港利用者を対象に実施したアンケートでは、羽田空港の国際線増便は7割が知っていたが、成田スカイアクセスの認知度は35・2%にとどまるなど周知不足が目立った。そこで、坂本森男副知事は県庁内に成田に特化した広報戦略組織を立ち上げる方針を示した。

────2010年03月27日 千葉日報────

2012年1月16日月曜日

森田知事:
来月、シンガポールのカジノ視察
────千葉────

森田健作知事は20日の記者会見で、11月に台湾とシンガポールを訪問し、県内への観光客誘致やカジノ視察、経済界との意見交換などを行うことを明らかにした。森田知事は成田空港周辺へのカジノ導入を検討しており「まだ構想段階だが、現地視察し、政府の対応状況を聞き、勉強したい」と語った。

 県観光課によると、両国訪問は10日ごろから1週間程度の予定。11日から台湾で開催される国際旅行の見本市で、県の物産や観光についてトップセールス。その後、シンガポールを訪れ、現地のカジノを視察する予定。柏市なども訪問へ 一方、森田知事は、柏市など周辺より空間放射線量が高い県北西部について、被災地としての訪問を検討していることも明らかにした。森田知事は9月と今月13日、県内で災害救助法が適用された旭や浦安市など8市を訪問しており「県が今まで見えなかったところ。まずそこをやるのが先決。(今後訪問を)視野に入れ検討したい」と話した。

【斎藤有香】毎日新聞 2011年10月21日地方版

2012年1月11日水曜日

────千葉────
パナソニック茂原 売却合意
市長ら安堵 液晶新会社に継承

パナソニックは15日、年度内の休止を決めていた液晶パネルの茂原工場(茂原市)を、官民ファンドの産業革新機構と大手電機メーカー3社が出資する新会社に売却することで基本合意したと発表した。約1500人の従業員を抱える同工場は、雇用や地元経済に与える影響が大きく、先行きが注目されていたが、継承先が決まったことで県や地元からはひとまず安堵(あんど)の声が聞かれた。 発表によると、機構とパナソニックは12月末をめどに、工場売却の正式契約を結び、2012年4月中の譲渡完了を目指すとしている。機構とソニー、東芝、日立製作所でつくる新会社「ジャパンディスプレイ」は、茂原工場に中小型ディスプレーの生産ラインを新設する予定。スマートフォンやタブレット端末向けに需要が高まっている中小型液晶の生産に乗り出す。

 機構は茂原工場取得の理由について、「新会社の経営上、経済合理性があると判断した」と説明。既存工場を生かすことでスピーディーに生産が始められるほか、投資額が抑えられるなどのメリットがあるとみられる。

 新会社の新たな製造拠点を巡っては、各地で誘致合戦が展開された。森田知事や茂原市、地元経済界の関係者は10月、機構幹部に誘致を働きかけるなど水面下で接触してきた。

 森田知事は15日、「地域への影響について危惧していた。今回の譲渡により引き続き雇用の確保や地域経済の活性化が期待される」との談話を発表。茂原市の田中豊彦市長も「ひとまず安堵している。茂原市の経済躍進に向けて、心から歓迎したい」とコメントした。

 茂原市商工観光課によると、工場が稼働するのは13年頃の見込みという。 一方、県が06~11年度の6年間で、20億3000万円、市も約13億5000万円を出してきた同工場への立地補助金は打ち切られる。県と市は今後、ジャパンディスプレイに事業や雇用の規模などを踏まえて補助金を交付する方針だ。県企業立地課は「事業内容、規模がはっきりしてから検討したい」としている。

────2011年11月16日 読売新聞────




────千葉────
パナソニック茂原工場
新会社に売却で合意



 家電大手のパナソニックは、液晶パネルの茂原工場(茂原市)を、官民ファンドの産業革新機構と大手電機メーカー三社が出資する新会社「ジャパンディスプレイ」に譲渡することで基本合意したと発表した。同工場については、パナ社が売却方針を示し、地域経済への影響が大きいことから、先行きが注目されていた。

 発表によると、機構とパナ社は年内に正式契約を交わし、来年四月中の譲渡完了を目指している。ジャ社は工場内に、中小型ディスプレーの製造ラインを設けるという。

 同工場では現在、約千五百人の従業員が働いており、雇用人数は市内最多。森田健作知事は「地域への影響について危惧していたが、今回の譲渡により、引き続き雇用の確保や活性化が期待され、大変うれしい」とコメントした。 

────堀場達 2011年11月17日 東京────

2012年1月10日火曜日

茂原の工場存続に成功
千葉・森田健作知事
「来てもらったからには真(しん)摯(し)にサポートする」。

15日、茂原市にあるパナソニック子会社の液晶テレビ用工場が、産業革新機構(INCJ)などの出資する中小型液晶パネルの統合新会社「ジャパンディスプレイ」への譲渡が決定したことを受け、森田健作知事は言葉に力を込めた。年度内の休止が決定していた同工場存続の朗報に、約1500人の従業員と地元経済界も胸をなで下ろした。

 先月中旬、森田知事は同市の田中豊彦市長、県商工会議所連合会の石井俊昭会長とともに、INCJの能見公一社長に面会。成田空港と、アクアラインを通じて羽田空港にも繋がっている県の物流面での強みを、口角泡を飛ばす熱弁でアピールし、岐阜や愛知、宮城の知事も熱望していたという新会社の誘致を勝ち取った経緯がある。「行くからには勝たなきゃね」と森田知事は壮絶な売り込み合戦を振り返った。

────2011.11.20 産経────






東芝:2工場閉鎖
地元経済に不安広がる
県「企業誘致進める」
────千葉────



 家電大手の東芝が半導体事業の再編を30日発表した。県内では、半導体の組み立て製造工場の東芝コンポーネンツ(茂原市)の茂原、君津両市にある2工場について、12年上半期で生産を終了し、閉鎖するという。パナソニックの液晶パネルを製造する茂原工場の売却に続く、家電大手の事業縮小で、県や地元・茂原市の関係者からは、経済停滞への不安が広がっている。

 東芝コンポーネンツは終戦直後の1947年創業で、長年、両市の地域経済を支えてきた。県や同社によると現在、2工場の計577人の正規従業員については、東芝グループ内の配置転換で対応するという。ただ、相次ぐ大手企業の事業再編で、地元経済への懸念が出ている。茂原市の田中豊彦市長は30日「市の発展に貢献した企業で非常に残念。パナソニックに続く、今回の発表は、日本経済の問題を提起していて、今後ますます国内産業の空洞化が進むのではないか」とコメントした。

 一方、県経済政策課は「生産拠点がなくなるのは非常に残念で、県経済への影響が懸念される。今後も引き続き、県内への企業誘致などに力を入れていきたい」と話している。

────【森有正】 毎日新聞 2011年12月1日 地方版────






千葉 「空洞化進む」 地元衝撃
東芝工場閉鎖 茂原、君津市従業員の雇用懸念



 東芝が30日発表した半導体事業のリストラ策で、茂原市に本社を置く「東芝コンポーネンツ」の茂原、君津両工場を2012年度上期中に閉鎖する方針が明らかになった。両工場は合わせて約570人の従業員を抱えており、正社員については原則、グループ内で配置転換するとしている。県内では10月末、茂原市の「パナソニック液晶ディスプレイ」茂原工場の年度内休止と売却が明らかになったばかり。相次ぐ大規模工場の撤退に、地元では産業空洞化の懸念が広がっている。

 発表によると、東芝は国内に6か所ある製造拠点を、兵庫、石川、福岡県の3拠点に集約。電力制御などに使うパワー半導体の製造を手がけていた東芝コンポーネンツは生産を終了し、今後は付加価値の高い製品に集中してコスト競争力を強化するとしている。

 茂原工場は1947年、君津工場は67年から操業を始め、地元経済にとっても大きな存在。茂原市の田中豊彦市長は「65年の長きにわたり市の経済をけん引し、発展に大変貢献していただいた企業。誠に残念でならない。先日のパナソニックに続き、国内産業の空洞化が進むのではないか」との談話を発表した。君津市の鈴木洋邦市長も「地域経済や雇用確保の面でも痛手で、誠に残念」とコメントした。両市長とも、東芝グループ内での雇用の継続を今後求めていくとしている。

────2011年12月1日 読売新聞────

2012年1月9日月曜日

千葉
パナソニック社に雇用守らせよ
────参院総務委山下氏質問────
大リストラを批判

日本共産党の山下芳生議員は17日の参院総務委員会で、パナソニックが大阪府茨木市、兵庫県尼崎市、千葉県茂原市、鹿児島県日置市、鳥取県鳥取市など、全国各地で工場閉鎖など大リストラを強行している問題をとりあげ、地域経済と雇用を守る責任を果たさせるよう政府に求めました。川端達夫総務相は、「企業は経済活動と同時に地域社会に貢献する。雇用については最大限配慮されるべきものだと思っている」と答えました。

 山下氏は、事業継続を求める地元首長の要請にパナソニックがまともに応えず、地元から「巨額の補助金を受けながら、雇用と地域経済を守らなくていいのか」と怒りの声があがっていることを紹介。退職に応じなければ、家族がバラバラになるような配置転換を押し付けるなど、違法・無法なリストラをすすめていることを批判すると、川端総務相は「労働者に責任はない」と述べざるをえませんでした。

 山下氏は、「パナソニック1社でもこれだけ、雇用と地域経済に対して大打撃を与えている。すべての企業が同じ行動をとれば大量の失業者を生み、日本経済全体が悪化する悪循環となる。政治が放置してはいけない」と主張しました。

────赤旗11/18────







<パナソニック>
マレーシアに太陽電池の新工場建設へ


 パナソニックが12年度中にマレーシアに約500億円を投じて太陽電池の新工場を建設することが18日分かった。急速な円高と価格下落に見舞われる中、コスト競争力を強化する狙い。太陽電池の基幹部品「セル」から、本体の組み立てまでを一貫して手掛ける。パナソニックがセルを海外生産するのは初めて。 新工場はマレーシア北西部の工業団地に建設する。子会社の三洋電機が開発した、変換効率が世界最高水準の「HIT太陽電池」を量産する。セルの生産能力は年産30万キロワット。既存の国内2工場の生産能力(60万キロワット、11年度末見込み)と合わせて90万キロワットになる。12年度中に現在の3位からシャープ、京セラを抜いて、国内首位を目指す。さらに、15年度には世界3位を狙う。

【宇都宮裕一】毎日新聞 11月18日(金)