2012年3月21日水曜日

「カジノだけでは…」総合リゾートに意欲
シンガポール視察で森田知事
────【台北=三宅令】────

森田健作千葉県知事はシンガポールでのカジノや観光施設視察を終え12日、台湾入りした。森田知事は台北で「カジノだけで人を集められるものではない」と述べ、成田空港周辺で整備を検討しているカジノを総合的な観光施設としたい考えを明らかにした。台湾では蕭万長(しょうばんちょう)副総統ら政府要人と会談する。現職の千葉県知事の訪台は初めてで交流促進での協力などを確認する。 森田知事がシンガポールで視察したのは、カジノを中心とした総合リゾート施設「マリーナ・ベイ・サンズ」。同施設は、57億米ドル(約4160億円)をかけて2010年に開業した。カジノのほかホテルや劇場、コンベンションセンター、美術館などを併設しており、年間1960万人の観光客が訪れる。

 森田知事は「総合リゾート施設などで相乗効果での運用を考えていかなければ、先行する各国のカジノには太刀打ちできない」として今後、県として構想を練る考え。さらに「国家戦略として考えていかなければならない」と、観光立県へ向けて、国に働きかける方針を示した。 台湾では観光キャンペーンに参加したうえで、蕭副総統のほか政府観光局幹部らと会談する。観光交流を深めるため、震災復興の状況や放射性物質の心配がないことなどを説明する。台湾から被災地への約200億円の義援金に対しての謝意も伝える。

 台湾では中国からの団体旅行、個人旅行が相次いで解禁されたほか、中国との自由貿易協定(FTA)に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)に調印するなど関係が強化されている。台湾に拠点を持つ県内企業は多く、独自の先端技術を持つこれら企業と連携することのメリットのアピールや、台湾を拠点にした中国市場へのアクセス強化などが課題になっている。

────産経11/12────

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