2012年3月20日火曜日

────県議会────
企業庁の決算審査
工業用水や千葉ニュータウン事業

昨日に続き、決算審査特別委員会の報告です。最後の審査は、企業庁。まず、工業用水について、その水あまりの現状を明らかにしました。 企業庁の工業用水は、千葉地区工業用水や房総臨海工業用水など、7つの地区に分かれていますが、その給水能力は、全体で一日115万?です。「昨年度の一日最大給水量、一日平均給水量はどうだったか」との質問に、最大で87万0566?、平均で77万6374?との答弁です。

 給水能力との間に、一日平均で37万?以上の開きがあります。67.5%の稼働率です。したがって、工業用水は、大量のあまり水を抱えていることになります。「この間、契約水量は伸びているのか」との質問には、率直に「伸びていない」との答弁。大量のあまり水を抱え、しかも、企業からの新規給水の申し込みはない。事実この間、日量5万2300?もの水を売りに出していますが、買い手はついていません。

 企業庁工業用水部は、売らんかな、ということで、大サービス作戦を展開中です。私たちの水道も新規給水を申し込むときに、「給水申し込み納付金」というのを納めます。工業用水でも同じで、1?あたり21万円でした。ところが、あまりに水が売れないので、企業庁は、この「給水申し込み納付金」を廃止、タダにしてしまいました。「総額、いくらのサービスになるのか」と聞くと、悪びれた様子もなく「129億6100万円」と答えます。サービスは、これ以外にも、経営負担金の廃止、料金の引き下げ、新規受水工事費負担金の分割払い等々、いろいろ用意されました。「それらの総額は?」との質問に、「用意がないので後日資料を提出する」ということになりました。

 今でさえ、大量のあまり水を抱え、需要は伸びず、現に売りだしている5万?を超える水も、総額100億円をはるかに超すサービスをしても売れていない。それでどうして八ツ場ダムからの日量約4万?の水が必要だというのでしょうか。 
「八ツ場ダムからの水を受ける千葉地区工業用水は、今、給水能力いっぱいの契約があり、今後の需要に応えられないからだ」といいます。しかし、千葉地区の工業用水は、他の房臨工水や五井・市原工水、木更津南部工水などと、給水管でつながっています。お互いに融通がききます。しかも、これら3地区は、売れない水(3地区だけで3万5400?を現に売りだしています)の処分に四苦八苦しているのです。仮に、新規申し込みがあって、千葉地区がいっぱいだというなら、他のあまり水を抱えている工水から回せばいいだけの話です。

 どんなに理を尽くしても、しかし、県の姿勢は変わりません。最初に「八ツ場ダムありき」だからです。県のお役人のはるか上の方の天の声に支配されているからです。残念なのは、そうした隠然たる支配の力に、道理の力で、自治体職員としての気概を燃やして立ち向かう姿勢がないことです。

 他に、企業庁では、千葉ニュータウン事業について質しました。1969年、入居人口34万人という途方もない過大見積もりでスタートしたこの事業は、日本共産党の指摘通り、大きく躓いて、何度もの事業計画の修正を余儀なくされ、今日に至っています。

 現計画では、入居人口を当初計画の4割、14万3300人に下方修正、事業は、2013年度に収束する予定です。しかし、その通り行くのか。

 「平成22年度までの入居人口は何人か」との質問に、9万0684人との答え。大幅に下方修正された現計画に照らしても、63%の入居率です。「現在までの収支の状況は」と聞くと、「5121億円の収入に対して、支出は、6412億円」だといいます。あと2年、「最終的な見通しはどうか」との質問には、「やはり、1200億円程度の収支差がでる」とのこと。

 1200億円の損失です。「いったいだれが責任をとるのか」怒りの追及にも、「なにぶん40年以上の事業なので・・・」 株式会社かずさが破綻して60億円の損失。幕張メッセの毎年の赤字の穴埋め、必要のない八ツ場ダムに多額の県費の投入、あのつくばエクスプレス沿線開発の途方もない過大計画、そして、この千葉ニュータウン事業。巨額の税金が、まともな検証もなく垂れ流され続け、しかも、破綻してもだれも責任を取ろうとしない。血税が泣いています。血税を絞られる住民の怨嗟の声が聞こえます。

────小松実ブログ 11.11.08────

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