市は13日にも、水道事業を所管する厚生労働省に文書で正式に撤退を申し入れる考えだ。将来の人口増加を見込み、水の需要を賄う予定だったが、人口の伸び悩みなどで見直した結果、参画は不要と判断。市は3億7600万円をつぎ込んだが、無駄な支出となった形だ。 国土交通省霞ヶ浦導水工事事務所(茨城県土浦市)によると、同事業は霞ヶ浦と利根川、栃木・茨城両県を流れる那珂川の下流域を計45・6キロの地下トンネルで結び、水をやり取りして必要な流量を確保する計画。総事業費は1900億円で、1976年に事業計画に着手、事業費ベースの進捗(しんちょく)率は77%に達している。
千葉市は85年、水需要の増加を見込み、日量4900トンの利水を目的に同事業に参画。すでに分担金3億8000万円の99%を支出したが、将来人口の伸び悩みや水需要の見直しで不要と判断。すでに国交省の意向調査で撤退の意向を伝え、8月には市議や識者らでつくる水道事業運営協議会の了承も得た。
千葉市内では大半を県水道局が給水し、市水道局が供給するのは旧土気町(現・緑区周辺)や若葉区の一部約4万5000人分。同局は「100万都市を目指していた頃に当初計画ができたが、人口の見通しなど水需要の背景が大きく変わった」と説明した。
同事業は八ッ場(やんば)ダム(群馬県)などと同様、政権交代に伴う国交省の事業再検証を受け、導水事業の工事は09年度以降、事実上ストップしている。
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