2010年10月15日金曜日

「料金引き下げの恒久化を」 地元首長が森田知事に要望
────アクアライン意見交換会────

 東京湾アクアラインの通行料引き下げ社会実験が今月末で1周年を迎えるのを前に26日、木更津市のかずさアカデミアホールで、地元自治体などでつくる「東京湾アクアラインを活用した地域づくり推進連絡協議会」(会長・水越勇雄木更津市長)と森田健作知事との意見交換会が開かれた。地元首長からは「料金引き下げの恒久化を」など活発な意見が寄せられた。

 同協議会は、料金引き下げを地域振興につなげようと昨年7月31日に設立。県南地域の木更津、館山、御宿など9市町と16の商工・観光団体が参加している。

 意見交換会では森田知事のあいさつに続き、9市町の代表者が1年間の実情を報告。「人、モノの動きが活発化し観光人口が着実に伸びている」(鈴木洋邦君津市長)、「交通の利便性が上がり企業立地に有利に働いている」(佐久間清治富津市長)など具体的な効果が紹介された。

 一方、「休日の渋滞で高速バスの定時運行が難しくなった」(出口清袖ケ浦市長)、「アクセス道路の整備が遅れ、夷隅・長生地域への効果があまりない」(石田義廣御宿町長)など課題も挙げられた。

────千葉日報 7/28────




千葉 アクア値下げ 国策で
────首都圏の9都県市が要望────


 本県や千葉市など首都圏の9都県市首脳会議は28日、東京湾アクアラインの通行料金について、国策として料金の値下げを実施するよう求める要望を国に対し行った。

 要望書では、「社会実験開始から今年3月末までの交通量は前年比で50%増加するなど首都圏の『人』と『モノ』の動きが活発化し、経済活性化などの効果が出ている」と理由を説明。

 全日普通車800円などとした社会実験の検証結果を十分踏まえ、料金値下げの社会実験後の2011年度以降は地方負担が伴わないよう、国策として料金の値下げを実施するよう要望している。

────千葉日報 7/30────




アクア値下げを県経済同友会が高く評価
・・・代表幹事に諸岡氏 役員改選など5議案承認


 県経済同友会は28日、千葉市美浜区のホテルで2010年度の通常総会を開き、故勝又基夫千葉トヨペット社長の後任として諸岡孝昭米屋会長を代表幹事に据える役員の補充選任や事業計画など5議案を原案通り承認した。会員や来賓約120人が出席した。

 佐久間英利代表幹事は、「雇用、所得環境が厳しく、観光振興やインフラ基盤の整備など取り組むべき課題は多い。一方で、成田スカイアクセス開業や空港発着枠の拡大など県内経済には明るい材料もある」と指摘。

 来賓の森田健作知事は、東京湾アクアライン値下げの社会実験が開始から1年を迎えることに触れ、「想像以上の成果。こうしたインフラをしっかり活用し、県内経済の活性化に結びつけたい」と強調した。

────千葉日報 7/30────




千葉 「予想以上の結果」     
      アクア値下げ1年で森田知事


 8月1日で1年を迎える東京湾アクアラインの通行料値下げについて、森田健作知事は29日の定例会見で、「交通量が1・5倍になるなど予想以上の結果が出ている」と評価し、値下げが終了する来年4月以降も「国策として実施するよう予算化も含め秋ごろから国にしっかり陳情していきたい」と述べた。

 森田知事は、着岸地の木更津市に国内最大級のアウトレットモールが進出するなど企業誘致が進んだことや、同市で住宅や人口が増えたなどの成果を強調した。一方で、「光があれば影も出る」として、交通渋滞の増加やフェリー会社への影響などのマイナス要素に言及。「フェリー会社には迷惑を掛けている場合もあり、湾岸使用料を500万円減免するなどの支援をしている」と明かした。渋滞対策では「千葉県は道路の整備があまりにも遅れている」と指摘し、「館山道の4車線化や圏央道の早期完成が、本当の意味でのアクアライン完成につながる」と訴えた。

────千葉日報 7/30────




千葉 アクア値下げ社会実験1年
────交通量44%増継続望む声────
 社会実験により、車の流れが活発化したアクアライン


 ETC(自動料金収受システム)搭載車の通行料を値下げする東京湾アクアライン社会実験が、きょう8月1日で1年を迎える。全車種で交通量が増加したほか、着岸地の木更津市では16年ぶりに人口が過去最多を更新、同市金田地区には国内最大級のアウトレット進出も決まった。実験は今年度末に終了するが、地元では値下げ継続を期待する声が一層高まっている。(福井浩介)■人口増 「3分の1の予算で、3倍広い土地でした」。東京都大田区の会社に勤務する伊藤洋一さん(35)と暁子さん(31)夫妻は2008年12月、木更津市ほたる野にマイホームを購入した。伊藤さんは当初、「通勤しやすい場所」を条件に横浜市内で物件を探したが、30坪の土地が3000万円と、手が出なかった。偶然、不動産屋で見つけたのが「90坪1000万 千葉県木更津市」と書かれたチラシだった。

 社会実験がスタートしたのは転居から2か月後。往復1280円に値下げされたオートバイで通勤することにした。「バス通勤の半額で済む」と伊藤さんは満足した様子だ。

 同市内で不動産会社を営む鈴木政晴さん(43)は「この1年で、ほたる野など新興住宅地では土地が飛ぶように売れ、今は枯渇に近い状態」と話す。同市では昨年11月、人口が過去最多を更新。09年7月からの1年間では1276人増えた。同市企画課は「これまで積極的に進めた区画整理により、受け皿となる土地が豊富にあった」と説明する。

■経済活性化 社会実験開始以降、交通量は1日平均9700台(44%)増加。特に平日の大型車は82%増と顕著な伸びを示し、人・モノの流れが急速に活発化している。

 アクアラインの着岸地、木更津市金田地区には12年春に三井不動産のアウトレットモール、14年には医療法人「SHIODA」が総合検診センターの開設を予定。同課は「追い風が吹く今こそ、千載一遇の好機」ととらえている。

 観光客数も増加している。富津市のマザー牧場は09年8月の来場者数は前年同月比12%増。君津市も入り込み客数が15%増えた。

■課 題 26日に木更津市内で開かれた、南房総地域の首長らで作る「アクア活用推進連絡協議会」と森田知事の意見交換会。御宿町の石田義広町長は「(内房に比べ)夷隅、長生地域は数字として表れていない」と浮かない表情を見せた。アクアラインと外房地域を結ぶ圏央道整備の遅れが理由だ。

 当初、10年度の開通予定だった木更津東IC―東金IC間は、土地収用の難航によって12年度に延期。経済界にも「アクアライン効果は圏央道が整備されてこそ広域に発揮される」(千葉滋胤・県商工会議所連合会会長)と、早期開通を望む声は根強い。

 値下げによる負の影響もある。富津市の金谷港と神奈川県横須賀市の久里浜港を結ぶ東京湾フェリーは利用者が25%減った。また、アクアラインの渋滞で定時運行が困難となっている高速バスの乗客も10%減った。一方、渋滞緩和が期待された京葉道路と国道14号の通行量は減っていない。

■終了後 現行の社会実験は今年度、国と県が15億円ずつ負担している。実験終了後について、県は「国策としてやってもらう以外に考えていない」としているが、国土交通省は「政務三役が決めることで、今は何とも申し上げられない」と、全く白紙の状態だ。森田知事は国策による恒久的な値下げの実現に向け、「成果を国にアピールしたい」としている。

────2010年8月1日 読売新聞────

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