2012年1月26日木曜日

パナソニック:テレビ事業縮小
従業員1000人超削減へ

パナソニックが、主力のテレビ事業を縮小する方針を固めたことが20日、明らかになった。プラズマテレビ用パネルの最新工場である尼崎第1、第3工場(兵庫県尼崎市)の生産を今年度中に中止する。また、液晶テレビのパネルを生産する茂原工場(千葉県茂原市)は売却する。これに伴い、1000人超の従業員を削減する。テレビ事業は、円高に加え、韓国メーカーなどとの競争激化で価格下落に歯止めがかからず、08年度から赤字続きで、抜本的再編に追い込まれた。 パナソニックは、テレビ用のプラズマパネルを尼崎の3工場と中国・上海工場で、液晶パネルを茂原と姫路工場(兵庫県姫路市)の計2工場で、それぞれ生産。国内でのプラズマパネルの生産は尼崎第2工場に集約する。05年稼働の第1工場は生産ラインを太陽電池パネルに転用する。

 10年1月に稼働したばかりの第3工場の扱いは、今後検討する。上海工場は存続の見通し。液晶パネルについては、茂原工場を売却する方向で調整している。 これに伴い、パナソニックのテレビ向けパネルの生産能力は現在の月産約256万台(プラズマパネル42型、液晶は32型換算)から約141万台へ4割超減少する。

 パナソニックの11年3月期の連結売上高は8兆6927億円で、テレビ事業の占める割合は約11%。韓国・台湾メーカーなどの低価格競争に拍車がかかり、抜本的な改革が急務だった。パナソニックは、テレビの生産縮小を受け、今年度の世界販売目標として設定していた2500万台を2000万台に下方修正する。12年度は1500万~2000万台へとさらに引き下げる。

 また、パネルの外部調達やテレビの相手先ブランドによる受託生産(OEM)の比率を今後高め、コスト削減を進める方針だ。次世代テレビとして期待される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビは開発を続ける。

【宮崎泰宏、宇都宮裕一】毎日新聞 2011年10月20日

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