同工場は当時、日立製作所、旧松下電器産業(現パナソニック)などによる共同出資会社が約1100億円を投じて整備し、2006年5月に操業開始。当初約600人だった従業員は08年5月末にピークの2300人超に。10年4月に姫路工場(兵庫県)が稼働してから減少傾向にあったが、今も約1600人が働く。現在は出資比率を高めたパナソニックが経営権を握る。
県企業立地課の担当者は「少なくとも平成以降、立地投資額としては最高レベル。県の誘致施策の転機にもなった立地で、売却されることになれば非常に残念」と肩を落とす。「地域の雇用を守るのが第一なので、今後、従業員の処遇を極力慎重に扱ってほしいと伝えたい」と話した。 市商工観光課も雇用や地域経済への影響を懸念する。「部品製造や設備メンテナンスなどで関係の深い地元企業もある。従業員が減れば、街のにぎわいにも影響するかもしれない」。また、「年間数億円から十数億円と、固定資産税が市内トップクラス」(同課)と財政面への影響も心配する。
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