先月中旬、森田知事は同市の田中豊彦市長、県商工会議所連合会の石井俊昭会長とともに、INCJの能見公一社長に面会。成田空港と、アクアラインを通じて羽田空港にも繋がっている県の物流面での強みを、口角泡を飛ばす熱弁でアピールし、岐阜や愛知、宮城の知事も熱望していたという新会社の誘致を勝ち取った経緯がある。「行くからには勝たなきゃね」と森田知事は壮絶な売り込み合戦を振り返った。
東芝:2工場閉鎖
地元経済に不安広がる
県「企業誘致進める」
────千葉────
家電大手の東芝が半導体事業の再編を30日発表した。県内では、半導体の組み立て製造工場の東芝コンポーネンツ(茂原市)の茂原、君津両市にある2工場について、12年上半期で生産を終了し、閉鎖するという。パナソニックの液晶パネルを製造する茂原工場の売却に続く、家電大手の事業縮小で、県や地元・茂原市の関係者からは、経済停滞への不安が広がっている。
東芝コンポーネンツは終戦直後の1947年創業で、長年、両市の地域経済を支えてきた。県や同社によると現在、2工場の計577人の正規従業員については、東芝グループ内の配置転換で対応するという。ただ、相次ぐ大手企業の事業再編で、地元経済への懸念が出ている。茂原市の田中豊彦市長は30日「市の発展に貢献した企業で非常に残念。パナソニックに続く、今回の発表は、日本経済の問題を提起していて、今後ますます国内産業の空洞化が進むのではないか」とコメントした。
一方、県経済政策課は「生産拠点がなくなるのは非常に残念で、県経済への影響が懸念される。今後も引き続き、県内への企業誘致などに力を入れていきたい」と話している。
千葉 「空洞化進む」 地元衝撃
東芝工場閉鎖 茂原、君津市従業員の雇用懸念
東芝が30日発表した半導体事業のリストラ策で、茂原市に本社を置く「東芝コンポーネンツ」の茂原、君津両工場を2012年度上期中に閉鎖する方針が明らかになった。両工場は合わせて約570人の従業員を抱えており、正社員については原則、グループ内で配置転換するとしている。県内では10月末、茂原市の「パナソニック液晶ディスプレイ」茂原工場の年度内休止と売却が明らかになったばかり。相次ぐ大規模工場の撤退に、地元では産業空洞化の懸念が広がっている。
発表によると、東芝は国内に6か所ある製造拠点を、兵庫、石川、福岡県の3拠点に集約。電力制御などに使うパワー半導体の製造を手がけていた東芝コンポーネンツは生産を終了し、今後は付加価値の高い製品に集中してコスト競争力を強化するとしている。
茂原工場は1947年、君津工場は67年から操業を始め、地元経済にとっても大きな存在。茂原市の田中豊彦市長は「65年の長きにわたり市の経済をけん引し、発展に大変貢献していただいた企業。誠に残念でならない。先日のパナソニックに続き、国内産業の空洞化が進むのではないか」との談話を発表した。君津市の鈴木洋邦市長も「地域経済や雇用確保の面でも痛手で、誠に残念」とコメントした。両市長とも、東芝グループ内での雇用の継続を今後求めていくとしている。
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