北総線は京成高砂(東京都葛飾区)-印旛日本医大(印西市)間の三二・三キロ。京成電鉄が子会社の北総鉄道に線路使用料を支払い、スカイアクセスを走らせる。
北総線の運賃は、例えば印西牧の原-京成高砂(二八・五キロ)で十六日まで七百九十円、十七日以降は七百五十円。同じ距離のJR東日本東京-武蔵小金井(二九・一キロ)は四百五十円、東急電鉄渋谷-南町田(二九・二キロ)は二百九十円だ。
北総線の運賃をめぐっては沿線住民らが値下げを要望し続け、森田健作知事が昨年三月に値下げを公約して初当選。スカイアクセス開業で値下げする機運が高まった。
昨年十一月、県と沿線自治体が一年当たり計三億円の補助金を出すことで、北総鉄道と普通運賃を約5%弱値下げすることなどで合意した。
ところが、白井市議会は三月、「(高い運賃の)抜本的解決への道を閉ざす」として、市負担分の補助金約二千六百万円を削除した本年度予算案を可決。同市が六月に再度提案しても削除した。
県やほかの五市は支出を可決したが、白井市の負担が決まらないまま、見切り発車で値下げが始まった。 白井市の横山久雅子市長は「今後は県と鉄道事業者と協議する」と繰り返すのみ。森田知事は「横山市長は『政治生命をかけて約束を履行する』と言っている。市の提案を待ちたい」と話す。
これに対し、北総鉄道は一時期、値下げで生じる減収の損害賠償や、来年度以降の値下げ中止を示唆。現在は「うちは合意に基づいて値下げを実施する。県、自治体側にも履行してほしいとしか言いようがない」と静観するが、先行きは不透明だ。
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