2010年6月30日水曜日

【東京湾アクアライン料金引下げ社会実験の
「中間とりまとめ」について】
森田知事定例記者会見概要
平成22年5月27日(木)

(知事)

 次に、東京湾アクアラインの料金引下げ社会実験の中間とりまとめについてお話をいたします。
 昨年8月から開始いたしましたアクアラインの料金引下げの社会実験も9か月余りが経過いたしました。
 社会実験協議会では、料金引下げによる効果を把握するため、ETCデータの分析や各種アンケート調査を行うとともに、会議での熱心なご議論を経て、分野ごとに料金引下げの効果を取りまとめていただきました。
 本日は、社会実験協議会において行われた「中間とりまとめ」の概要を説明させていただきます。
 まず、交通に関しては、今年4月までのアクアラインの交通量は、前年と比べ、全日で1.5倍に増加いたしました。特に2月から4月の平日の大型車は2倍に増えております。
 また、ETCデータの分析では、アクアラインを利用した車の割合は、千葉県が約4割、他県からの利用が約6割で、その内訳は、神奈川県が約3割、東京都が約2割などとなっており、首都圏の広い地域の方がアクアラインを利用し、「人」や「もの」の動きが活発化していることを示していると思います。
 観光についてのアンケートでは、アクアラインの通行料金が下がった分の使い道として、観光客の約3割が「飲食やおみやげ代などを増やした」と回答しております。
 また、君津・安房地域などの観光施設の約3割が「売上げが増加した」と回答しており、料金引下げが地域経済にもよい影響を及ぼしていることがうかがえます。
 企業立地の面では、首都圏等の事業者の約5割が、「千葉県への立地を検討する上で、アクアラインの料金引下げに関心がある」ことがわかりました。
 また、国内最大級のアウトレットモールが、木更津市に進出することが決定するなど、アクアラインの料金引下げが、千葉県への企業立地の促進につながっているものと思われます。
 さらに、物流面においては、首都圏の物流事業者の約6割が「時間短縮」、また、約5割が「輸送コストの減少」を実感しており、料金引下げが物流の効率化につながっていると考えられます。
 そして、社会実験開始後にアクアラインを利用した観光客や物流事業者の約8割の方が、アクアラインの800円に満足しているとの回答が寄せられました。
 国策による恒久的な料金引下げの実施については、首都圏経済の活性化のため、9都県市の首脳会議や関東地方知事会においても、全会一致で国に要望することになりましたが、今回の実験による結果を踏まえ、さらに積極的に働きかけてまいります。
 また、アクアラインの引下げによる効果をさらに高めるため、観光の振興や拠点地域の整備、企業立地の促進、関連道路網の整備などに全力を尽くしてまいります。


◎質疑応答
(記者)

 よろしくお願いいたします。昨日、アクアラインの社会実験協議会中間とりまとめが出されました。それによると、概ね値下げによる効果が出ているという結果でしたが、今後、具体的にこの中間報告をどのような形で国への働きかけに生かしていくおつもりでしょうか。

(知事)

 概ねといいますか、私たちが想像した以上に成果が出ているところでございます。しかし、前も申しましたように、陰の部分もあります。この陰の部分をいかに私たちは対処していくかと。これは成果とともに大変重要であると認識しております。
 ですから、これから国に働きかけていく場合においては、もちろん成果もはっきり言います。それから陰の部分に関しても、どのように私たちは対処していくかということも併記して、交渉に当たりたいと思っております。

(記者)

 近いうちに、具体的に今回の中間報告とりまとめを持って、例えば国に行く予定はありますでしょうか。

(知事)

 今のところございません。

(記者)

 今、知事がおっしゃったとおり、今回の値下げによって、例えば観光施設であるとか、そういうところから、逆に値下げが安過ぎて不満であるといったような声も出ています。

(知事)

 観光施設ですか。

(記者)

 そうですね。観光施設も、そのような意見が。

(知事)

 フェリーだとか、そういうところじゃなくてですか。

(記者)

 フェリーではないですね。

(知事)

 観光施設が安くて不満だというんですか。

(記者)

 全体の中の何パーセントかの意見でしたが、料金が安過ぎて不満であるというような回答が出ています。

(知事)

 そうですか。

(記者)

 恐らく道が混雑することによってということだと思うんですね。

(知事)

 「施設」というか、「お客様が」じゃないですか。施設自体は不満だということは余り考えられないです。来るお客様が安くなったので、込んで困ったなと、そういうことではないですか。ごめんなさい。もう一回、私も精査してみます。

(記者)

 具体的には安過ぎることによって混雑も出ているといったような不満も若干あるようです。今後の値下げの実験期間終了後の価格水準ですが、先日の9都県市会議の後のぶら下がりでは800円が望ましいとおっしゃっていましたが、そのような不満の声もあるということを踏まえて、知事ご自身は、具体的にどのくらいの価格水準がいいとお考えでしょうか。

(知事)

 これは非常にね、どれが適正な価格かといっても、必ず何パーセントかの方は、安い、高いと出るものでございます。ただ、お国が無料というのは、首をかしげます。前もお話ししたと思いますが、まず800円によって、これだけの効果があったわけです。しかしそれと同時に、例えば館山道の拡幅もちゃんとやっていかなければいかんですよ、これは。圏央道も含めて、こういう道路もぴちっとやらなきゃいかんですよ。負の部分もちゃんとやっていかなければいかんですよ。そうなると、ただ無料、無料、安く、安くというのはいいかどうかということは、私は大変疑問だと思います。今、社会実験やっている中において、この800円は妥当なのかなという、そのような感じはしております。これは、また実験の成果を見ながら考えたいとは思います。

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