2010年6月26日土曜日

IPSアルファ社の資本譲渡に関して
労働者の雇用確保と補助金の凍結を求める申し入れ
千葉県知事 森田健作 様       
    2010年5月12日
           日本共産党千葉県議会議員団

 日立ディスプレイズ社(以下、DP社)はIPSアルファテクノロジ社(IPSα)の株式の50・01%を保有しているが、6月30日をもって、パナソニックにすべて譲渡する意向であることが明らかになった。

 これにともなって、DP社からIPSαに出向している500人は、DP社の分割会社にいったん所属させられ、その日のうちに分割会社はパナソニックに譲渡、パナソニックの社員としてIPSαに引き続き出向することになる。分割移籍時の労働条件はほぼ現行通りとされているが、DP社とパナソニックでは残業代などの扱いが異なるため、最終的には労働条件の悪いパナソニックに統一されることになる。

 また、DP社の100%子会社である日立ディスプレイテクノロジーズ(DT社)からIPSαに出向している289人については、いったん解雇となり、IPSαに転籍の措置が取られる。その際、給与の15%カットや「姫路配転」などが条件とされており、生活への影響が極めて大きいものとなっている。

 社員からは、「父親が週3日通院中。姫路に行けと言われたら辞めるしかない」「いまでも給料が安いのに、15%もカットされたら生活できない」など、悲痛な声が上がっている。

 DP社は今回の措置を、「創業以来の厳しい経営状況を、セットメーカーであるパナソニックとの一体運営によるコスト低減で乗り切るため」としているが、「地域経済の活性化と雇用の確保」という名目で、県と茂原市から90億円(県が50億円・市が40億円)もの公的補助を受けている企業であるIPSαにおいて、労働者そのものの売買にも等しい、このような大リストラ計画が許されてよいわけがない。県・市の責任も厳しく問われなければならない。

 日本共産党千葉県議会議員団は、以下の項目について県に要請するものである。

 県として事実を正確に掌握し、雇用確保のために力をつくすこと。その際、労働条件の切り下げや配転の強要などがないよう手立てを講じること。

 今回の事態を見れば、県が出してきた50億円もの補助金が、まったく意味のない無駄な支出であったことは明らかであり、今後の支出は直ちに凍結すること。

 労働者まるごと売り買いができるような法制度をあらため、規制を強化するよう国に求めること。

以   上

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