2009年10月23日金曜日

「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の非常識

 一昨日(9月28日)、森田知事肝いりの「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の第一回の会合が開かれました。 

 報道によれば、森田知事は冒頭のあいさつで「今こそ子どもたちに日本人としての誇りや自信を、千葉県人としての郷土愛を持ってもらいたい」と述べたとのこと。 

 「臆面もなく」と言わざるを得ません。自らの金権疑惑に答えようともせず、法に触れさえしなければ構わないとばかり、脱法行為に居直りを決め込む。

 中学生県議会で、子ども議員からさえ「うそはつかないでください」と、注文が出る。

 こんな知事の姿を見せつけられて、こんなごまかしがまかり通っている日本の政治を見せつけられて、どうして子どもたちが、日本人としての誇りや郷土への愛を育むことができるでしょうか。

 森田知事がみずから推薦して委員になった俳優の藤岡弘氏は、「世界に出たとき、自国を誇れない人間は馬鹿にされる。父から教わった武士道精神は世界中の人に認められた」(千葉日報9/29付)と述べたそうです。

 また、委員の百地章日大教授は「伝統を否定し、軽視するような自虐的な歴史観が日本人としての誇り、自信を喪失させた」(毎日9/29付)と、持論を展開したようです。 森田県政のもとで、こんな考え方が、千葉県の教育を席巻するようなら、千葉県の子どもたちや保護者、教育関係者にとって、これほどの不幸はありません。

 子どもたちは、未来の主権者、社会の宝として尊重されて、初めて「この国に生まれた喜び、誇り」を感じるはずですし、過ちは過ちとして認める、世界に通用する科学的、客観的歴史認識を持ってこそ、国際社会で堂々と胸を張って活躍することができるはずです。 その点で、千葉県教育の現状は、惨憺たるものです。

 すべてを紹介できませんが、たとえば、教員についていえば、今年度採用された2178人の教員のうち、正規採用は約半分の1130人、あとの1048人は、1年間という期限の付いた講師です。

 不安定な身分で、安い給料で、正規教員と同様の仕事をさせる。
安上がり教育の典型です。

 高校の無理な統廃合の結果、一学年9学級という過大規模の学校が何校も生まれています。高校を減らし、財政を浮かせる、とんでもないやり方が強行されてきた結果です。

 行政の本来の任務である教育条件の整備という仕事に背を向け、学校、教師、そして何より子どもたちに不自由な、切ない思いをさせておいて、「誇り」も「武士道」もないものだと言わなければなりません。

 「有識者会議」とやらの面々の非常識に注意が必要です。

    ────小松実ブログ <作成日時:2009/09/30>────




千葉 郷土愛育む教育目指し初会合

 
 家庭、学校、地域、行政が一体となって、千葉県の未来を担う子供たちを育てることを目的とした第1回「千葉県の教育を元気にする有識者会議」が28日、京成ホテルミラマーレ(千葉市中央区)で開かれた。 

 会議冒頭、森田健作知事は「もう一度、日本の教育や将来を考えなければいけない。

 子供たちに日本人としての誇り、自信、千葉県民として郷土愛をもってほしい」とあいさつ=写真。会議には木村治美・共立女子大名誉教授や俳優の「藤岡弘、」さんなど幅広い分野の有識者10人が委員として参加した。委員らからは「旧教育基本法ではなく、(伝統や文化を重んじた)新法を踏まえて考えるべき。基本が抜けている」といった意見や「具体的に現場を育てる仕組みを」「家庭教育はどうすればよいか」など活発な議論が飛び交った。
 会議での主な検討事項は▽千葉県教育の将来像▽郷土愛の育成や心を育てる教育▽伝統文化の奨励▽元気にあふれた教育現場の実現▽スポーツ立県千葉の実現-だ。

 会議は計4回開催され、臨時委員を含めて18人が参加予定。委員の意見を年内にも提言としてまとめ、今年度中に策定される「教育振興基本計画」に反映する方針だ。基本計画では、今後5年間で取り組むべき施策などが示される。 

 森田知事は公約で「教育日本一」を掲げ、道徳教育の充実や郷土愛の育成をうたっており、有識者会議の提言がどこまで踏み込んだ内容になるのか、関心を集めそうだ。

     ────産経9/29────




千葉 知事『教育変えねば』
   千葉市で有識者会議が初会合

 
 教育のあり方を話し合う「県の教育を元気にする有識者会議」の初会合が二十八日、千葉市内で開かれた。 
 冒頭のみ出席した森田健作知事は「子どもたちに日本人としての誇りと自信を、千葉県民として郷土愛を持ってもらいたい。

 国の教育を変えていかなきゃいけない」とあいさつした。 

 議長に就任した木村治美・共立女子大名誉教授は「人材豊かな有識者会議で闊達(かったつ)な意見を交わし、千葉から全日本が瞠目(どうもく)するような答申をまとめたい」と応えた。 

 この日は出席した委員十人が過去の実績や現在の活動、教育への思いを交えながら自己紹介。

 会議では、統計数理研究所の国民意識調査結果を踏まえ、体験学習の重要性を確認し合った。 次回は十月二十日に開催。年内に計四回の会合を開いて提言をまとめる。

提言は県が策定する教育振興基本計画に反映される見通し。

     ────(小林孝一郎)東京9/29────





千葉 県教委:教育有識者会議、
  木村氏が議長に───千葉で1回目

 

 県教委は28日、「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の第1回会議を千葉市内のホテルで開いた。

 森田健作知事は「今こそ子どもたちに自信を持ってもらいたい」とあいさつした。

 議長には木村治美・共立女子大名誉教授が選ばれた。

 委員の百地章・日本大教授は「伝統を否定し、軽視するような自虐的な歴史観が日本人としての誇り、自信を喪失させた」と持論を展開した。

    ────【荻野公一】 毎日9/29────




「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の構成

 

平成21年9月3日 【委 員】(五十音順) 

緒方明子 明治学院大学心理学部教授 
亀井明子 国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部研究員、管理栄養士 
木場弘子キャスター、千葉大学教育学部特命教授 
木村治美 共立女子大学名誉教授 
古賀正一市川学園理事長・学園長、千葉県私学団体連合会会長 
銭谷眞美 東京国立博物館長 
千代田真紀(有)キャリアステージ代表取締役、千葉経済大学短期大学部講師 
橋岡久太郎 能楽師(観世流)橋岡會代表 
藤岡弘、俳優、武道家 
町田義昭 (独)科学技術振興機構 理科教育支援センター主任アナリスト 
宮本みち子 放送大学教養学部教授 
百地章日本大学法学部教授 
諸富祥彦 明治大学文学部教授 【心を育てる教育に関する臨時委員】 
井内清満NPO法人ユース・サポート・センター友懇塾理事長 
神長美津子 東京成徳大学子ども学部教授 
こんのひとみ絵本作家、シンガーソングライター 
【スポーツ振興に関する臨時委員】 
京谷和幸千葉ホークス(車椅子バスケットボール)、北京パラリンピック日本選手団主将 
 冨田洋之順天堂大学スポーツ健康科学部助教、財団法人日本体操協会JOCコーチングディレクターアテネ・北京オリンピック体操男子メダリスト

「千葉県の教育を元気にする有識者会議」の設置について
 平成21年9月3日 
 千葉県教育庁企画管理部教育政策課 043‐223‐4177 

 

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