連日の報道で話題になっているようです。
八ツ場ダムについては、県議会でしつこいほど取り上げてきましたし、このブログにもずいぶん書いたような気がしていますが、まだまだなのだと思いました。
今、地域の住民のみなさんは、挙げてダム建設を主張されているように報道されていますが、半世紀以上にわたってダムに翻弄され続けてきた方々にとっては、当然の思いかもしれません。
とにかく、この地で安心して暮らしていけるようにしてほしい、というのが地域の皆さんの切実な願いだと思います。
日本共産党は、すでに公共事業を中止した場合の地域再建のための法律案骨子を発表しています。
住民参加の協議会を設置し、住民の意向を反映した地域再建策を講じていくためのものです。
八ツ場ダムへの関心が高いことから、先日、大網白里の日本共産党後援会の方から、要請を受けて、後援会ニュース用に書いた記事を転載することにします。
<大網白里後援会ニュースに書いた記事>
八ツ場ダム やはり「中止」が道理です
総事業費4600億円の八ツ場ダム(水源地域対策費を含めると5900億円、金利負担を含めると9000億円。
千葉県の負担760億円)。建設中止の民主党政権が誕生したら、「今さら中止したら、かえって高くつく」そんなマスコミの論調が目につくようになりました。
本当でしょうか。
「もう7割もできている」って? とんでもありません。
7割というのは、事業費ベース。
総事業費4600億円のうち、すでに7割のお金を使ってしまったということで、工事の進捗率とは違います。
ではどれほどダムはできているのでしょうか。
ダムの本体工事にはまだ手がついていません。
本体工事を始めるには、国道、県道、鉄道、代替地の造成が終わらなければなりません。それぞれの工事の進捗率をみると、国道6%、県道2%、鉄道75%、代替地10%(2008年度末)。「2015年完成予定」は、とうてい無理な話です。
やはり「中止」が安上がり
わずか数%の工事進捗率。
しかも、ダム周辺には22カ所もの地滑り危険地帯があり、その対策費は莫大なものになるでしょう。
吾妻川から取水している東電への減電保障(発電量減少への補償も数百億円)も出てきます。
これらに残事業費を加えるとおよそ2390億円。中止の場合は、地元生活関連の事業費が770億円。千葉県などの利水者への返還金も890億円程度。合わせて1660億円。やっぱり「中止」が安上がりです。
「中止」で「水」は大丈夫? 心配いりません。
事実、千葉県も水余りの状況です。
千葉県の資料でも、一日最大給水量(1年間でもっとも水使用量の多かった日)は、2005年までの10年間に4万トンも減少しました。
その間に、給水人口は、35万人も増えているのに、です。
しかも千葉県の人口は、今がピークで、これから先は減り始めます。
国の研究機関の推計では、2020年の千葉県人口は、600万8千人。
今より、10万人以上減少するのです。
生活用水だけでなく、工業用水道も今、売れ残りの余り水の処理に困っています。
こんな状況なのに「なぜ、ダムが必要なのか」県議会での質問に、県当局もまともに答えられません。
国交省も「洪水対策に役立たず」と
八ツ場ダムのもう一つの目的とされる「洪水対策」。1947年の「カスリーン台風」の降雨量が基準です。
ところが、昨年6月、国交省自らが、八ツ場ダムに治水効果がまったくないことを認めました。
11日付朝日新聞は「『カスリーン台風』に備えるはずが 八ツ場ダム効果なし」と報じました。
過去50年で最大の洪水時でも、八ツ場ダムの治水効果はごく僅か。
利水・治水とも必要のないダムは、きっぱり「中止」が道理です。
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