千葉県が来年度から3カ年で実施する「総合計画」は、相も変わらず「かずさアカデミアパーク」や「幕張新都心」などの巨大開発が軸で、県民の暮らしと県財政を破たんに導く最悪のものとなっています。
4つの巨大開発を高速道路で結ぶ
森田健作知事が、自身のカラーを出したいとしている「総合計画」は、県内で進められてきた4カ所の巨大開発――「かずさアカデミアパーク」(木更津市・君津市)、「幕張新都心」(千葉市美浜区)、「成田国際空港都市」(成田市)、「つくばエクスプレス沿線開発」(柏市・流山市)を、新しく「交流基盤の整備」として位置付け、「交流拠点都市として充実を図る」と、これらの推進を軸に掲げています。
さらに、この4カ所を圏央道や外環道、北千葉道路などの高速道路で結び、成田空港と羽田空港は「同一空港並みの利便性を実現させるため」、リニアモーターカー構想を進めるとしています。
巨大開発計画が
いずれ失敗することは証明済み
巨大開発計画がいずれ失敗することは、「かずさアカデミアパーク構想」を進めてきた株式会社かずさアカデミアパークの破たんで明らかです。
この会社の破たんによって60億円もの税金が消え去ることになりましたが、構想全体には、道路やダムの建設費、DNA研究所の運営費など、すでに1500億円もの巨費が投じられています。
こうした失敗を反省することなしに、総合計画にもとづいて巨大開発を進めていけば、県財政がいくらあっても足りるはずがありません。
「県民の感じ」を指標にするのは無責任
総合計画では3年間の数値目標を掲げていますが、その内容は「楽しく生活していると感じている県民の割合」など「県民の感じ」を指標にするという驚くべきものとなっています(下の表参照)。
〔県の総合計画に掲載された目標数値〕
以下は、県が総合計画に掲載している目標数値の一部です。
「○○に満足している県民の割合」という目標の立て方で
県が責任を持つ目標数値といえるでしょうか…。
現状 目標
自分が住み慣れた地域で安心して受診できる医療体制にあると感じている県民の割合 46・4%
(21年度) 50・0%
(24年度)
自分らしく、地域において、明るく楽しく生活していると感じている県民の割合 58・4%
(21年度) 65・0%
(24年度)
芸術や文化に親しむ機会に満足している県民の割合 23・2%
(21年度) 25・0%
(24年度)
※県の文書からの引用なので( )内の年度は「平成」です
県が目標を掲げるというのであれば、「特養ホームの待機者をなくす」とか、「3年で30人学級実施」など、県自身の責任で実現できるものにすべきです。県民の暮らしをどこまで改善していくのか、その目標は、感覚ではなく具体的なものであるべきです。
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