今回の県庁ぐるみの異様な不正経理の実態について、県民は、憤りを通り越し、むしろ唖然とした思いで、その解明作業を見つめています。こうした事態を招いた責任と反省を骨身にしみこませ、再発を断じて許さないためにも、全容の徹底した解明は不可欠であります。
しかし、公表された「追加調査」の結果は、この県民の思いに応えるものになっているでしょうか。残念ながら、きわめて不十分だと言わなければなりません。
今回の追加調査では、消耗品費に加え、賃金、旅費、委託料等が対象となりました。しかし、この賃金、旅費、委託料については、平成15年から20年までの各年度「3月実施分」だけが調査対象であり、しかも、各部局の本庁2課、出先機関2か所程度を対象とした抽出調査であります。調査対象になった金額は、6年分で、およそ86億円。県庁の年間約1兆6千億円の予算額と比べると、ほんの0.1%に満たない範囲ではありませんか。県民は、1兆6千億円の全体に疑惑の目を向けています。到底、これで一件落着とはいきません。
旅費等の調査は、なぜ「3月分」に限られたのか。なぜ、各部局、本庁2課・出先2か所だけなのか。これで事足れりとするわけにはまいりません。まずお答えいただきたい。1兆6千億円の県予算全体に調査のメスを入れるべきですが、どうお考えか。また、14年度以前の調査について、証拠書類が保存されていないなどと、打ち切りの意向ですが、それでよいのか。それぞれお答えいただきたい。
今回、4名の懲戒免職をはじめ、大量の処分が発表されましたが、県警本部だけが除外されています。県警本部の不正経理額は、県警内部の調査ではありますが、消耗品費だけで1億4900万を超えており、決して少なくありません。今回、なぜ除外されたのか。県警本部の処分はいつになるのか。お答えいただきたい。
「追加報告」では、職員等による返還金は、所属や個人によるものを除くと8億27百万円であります。うち、退職者が半分以上の54.3%を占めています。金額で4億4900万円、対象人員は1925人にも上ります。これら退職者の返還金について、いったいどこまで了承が取られているのか。仮に、了解が得られない場合、どうするのか。お答えいただきたい。
業者に預けられたプール金を取り戻すことも重要であります。現在交渉中というのが、7業者、2億1600万円ということですが、少なくともこれは全額返金させるべきですが、進捗状況、見通しは、どうか。業者の中には、商品券等の金券を納入する際、高額の手数料を取っていた業者もあるようです。調査に協力してくれたから、ということで免罪することが許されるでしょうか。県民感情からいっても、当然、何らかのペナルティーが科されるべきだと思いますが、どうか。お答えいただきたい。
12年前、わが党は、寄せられた内部通報に基づき、不正経理の実態調査を求めましたが、当時の沼田知事は、取り合おうとしませんでした。「あのとき、調査していれば」という声が今、県庁幹部の中からも出ていると報道されています。その後、千葉県にも内部通報の制度ができましたが、その「要綱」では、通報は実名によらなければならないとされ、「事実が証明できる資料があるときは、この限りでない」となっています。特別委員会の審議で、「匿名でも事実と推量されれば、調査する」との答弁がありましたが、だとすれば、それに即した文言への修正が必要であります。お答えいただきたい。
また、この「要綱」からは、県警だけが除外されています。なぜなのか。県警にも多額の不正経理があり、内部通報のシステムは適用されるべきであります。お答えください。 最後に、職員からのヒヤリングでは、不正経理のもっとも大きな原因として、備品購入などの必要な予算措置がされないことが、挙げられていました。再発防止のためにも、必要なものは、しっかりと予算計上すること、また、そのためにも、予算編成にあたって職員の声、意見を吸い上げるシステムの構築が是非とも必要ですが、どうか。お答えいただきたい。以上で、一回目の質問を終わります。
2009年12月18日
日本共産党千葉県議会議員 小松実
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