2010年2月6日土曜日

千葉 歴史逆行の教育は許されない
  県議団が声明を発表し
    千葉県教育長に申し入れ
  ────2010年1月21日────

 千葉県の森田健作知事が昨年9月に設置した「千葉県の教育を元気にする有識者会議」が「愛国心教育」や「国旗(日の丸)国家(君が代)」を強調し「道徳教育」を推進する提言を発表した19日、日本共産党県議団は「歴史に逆行した教育の持ち込みは許されない」との声明(全文は下記)を発表し鬼澤佳弘教育長へ申し入れました(右の写真)。

 森田知事は同提言をふまえ今年度中に「教育振興基本計画」を策定する予定で、今月23日には、戦前の日本を賛美しアジアへの侵略戦争を肯定する「日本教育再生機構」のメンバーらによる集会が千葉市内で開かれます。県と県教育委員会はこれを後援し、知事も参加する予定です。 県議団は「戦後教育を『自虐史観』と攻撃する思想を県教育に持ち込むことは許されない」「憲法の理念に反し戦前教育への回帰につながる。日本の前途やアジアとの友好にとっても由々しき事態」と批判しました。 鬼澤教育長は「憂慮する県民の声があるのは承知している。懸念に配慮し慎重かつていねいにバランスよく進める」と述べ、提言を進める立場を示しました。

 小松実県議団長は「教育行政の使命は憲法がうたう平和と国民主権、民主主義の精神に立脚して学ぶ喜びを保障する教育条件を整備するにことにこそある。歴史の事実を正確につかんでこそ国際社会で信頼される人に育てることができる」と重ねて強調しました。

   ────しんぶん赤旗・浅野宝子記者────




千葉
 歴史に逆行した教育の持ち込みは許されない

 

 一、森田健作氏が知事に就任して以降、歴史に逆行し、憲法の理念にも反する特異な歴史観に沿った教育を千葉県に直接持ち込む動きが顕著になっている。心ある多くの県民が深く憂慮しており、事態はきわめて重大と言わなければならない。

 一、森田知事は「日本教育再生機構」の代表委員をつとめているが、知事に就任早々の昨年6月議会で、同じ団体の同じ役職にある人物を県教育委員に任命した。この団体は、戦前の日本を賛美し、アジアへの侵略戦争を正しかったとする教科書の採択を画策している団体である。
 アジアの国々を侵略し植民地支配して迫害した日本の歴史の事実を認めず、戦後教育を「自虐史観」に立った教育だなどと攻撃している団体の思想や主張を、千葉県教育に持ち込むようなことが、許されてよいわけがない。

 一、森田知事が肝いりで設置した「千葉県の教育を元気にする有識者会議」が昨年12月に、「ちばの教育を元気にする3つのプロジェクト」(提言案)なるものを明らかにした。 同会議では「愛国心教育」や「武士道精神」「国旗(日の丸)、国歌(君が代)」などがことさら強調され、「道徳教育」推進が太く打ち出されている。知事は、この「提言」を踏まえて、「教育振興基本計画」を策定するとしている。
 1月23日には千葉市内で、県内財界人や日本教育再生機構の中心人物などが「教育振興基本計画」策定に向けて、道徳教育推進の「タウンミーティング」を開催するが、この集会は千葉県および千葉県教育委員会が後援し、知事が参加して挨拶するとのことである。 日本国憲法の理念に反し、戦前の教育への回帰につながるこのような動きは、日本国民の前途にとっても、アジア諸国民との真の友好にとっても、由々しい事態と言わざるを得ない。

 一、本来、教育とは、憲法が謳う平和と国民主権、民主主義の精神に立脚し、子どもたちに学ぶ喜びを実感させると同時に、しっかりとした学力と市民道徳を身につけさせ、次代を担う主権者としての人格を形成していく営みである。 教育行政の最大の使命は、その目的達成のために、少人数学級など子どもたちの学びを保障する教育条件を整えることにこそある。
 日本共産党は、戦前の時代を賛美し、戦後民主主義を否定するような教育をすすめることを断じて許さず、憲法の精神に立脚した教育を願う県民世論とむすんで、その推進に全力をあげるものである。
      ────以上────

             2010年1月19日
            日本共産党千葉県議会議員団

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