4月5日、「公契約条例をすべての自治体で制定しよう」と千葉土建組合が議員との懇談会を開きました。
「公契約条例」とは、県や市などの「公」が建設工事などの契約を建設会社などと結ぶときに、実際に現場で働く労働者に、まともな賃金が支払われるよう義務付ける条例です。
不況のもとで受注競争が激しくなり、低価格で落札するケースが増えてきていますが、その分、労働者の賃金や労働条件にしわ寄せされ、とりわけ何段階もの下請け構造となっている建設業界では顕著に表れています。
全国に先駆けて制定した野田市の公契約条例では「労働者の適正な労働条件を確保することにより、業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図り、もって市民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会を実現すること」(第1条)を目的に定め、「受注者は労働者に対し、市長が定める賃金の最低額以上の賃金を支払わなければならない」(第6条)としています。
「こんな条例をつくったら落札価格が引きあがるのではないか」との声もありますが、野田市では条例制定後15件の総落札額が700万円程度増えただけであり、その他を入れても市の全予算の0・2%程度。市長も「やる気があればできる」と話しています。
国は「最低賃金法に抵触する」などとしていますが、野田の市長は「最低賃金(千葉県は時給728円)ではワーキングプアをつくってしまうから、自治体独自の上乗せが必要。法的に許されるかどうかはグレーゾーンで、やるかやらないかの判断が重要。国とも一戦交える覚悟」と言っています。
いま「公契約」をめぐって自治体のあり方が問われています。
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