民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で両ダムの建設中止を掲げています。
首相は「決めたことはきちっとやり抜くという姿勢を貫くことは非常に大事だ」と強調しました。
これに先だって、前原誠司国土交通相は同日未明、国交省内で記者団に対し、八ツ場ダムについて、「われわれのマニフェストを実行する」と述べ、中止の方針に変わりはない考えを表明。
「やみくもに中止すると混乱が起きる。
(中止の)前提として、どういう補償措置を取るのかは必須の条件になる。
地元の方々や関係自治体との話し合いの中でまとめる」と述べ、できるだけ早期に現地を訪問する意向を示しました。
また、同相は同日の会見で、川辺川ダムについても、「(利水、発電、治水という)当初の三つの大きな目的のうち(利水、発電の)二つがなくなった。
事業を見直すのが当たり前」と述べ、建設中止を明言しました。
八ツ場ダム事業は、利根川水系の治水対策と首都圏の都市用水確保を目的に、1952年に計画が発表された直轄ダムで総事業費は4600億円。
国および関係6都県の起債利息をあわせると9000億円規模にものぼります。
道路や鉄道の付け替えなど関連工事に対して昨年度末までに3210億円分を既に執行。2015年度の完成を予定しています。
同ダムは「治水」「水源開発」が目的とされましたが、その効果には疑問の声が根強く、6都県で建設差し止めを求める住民訴訟が起こされています。
日本共産党はムダな大型公共事業の典型として、国政でも地方議会でも一貫して建設反対を掲げています。
────赤旗9/18────
千葉 八ッ場ダム・国交相発言
森田知事反発「中止なら返金を」
◇市民団体は歓迎
前原誠司国土交通相が就任間もない17日未明、県が462億円を負担する八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設中止を明言し、ダムに賛成する森田健作知事が「中止なら県が出した金は返してもらうのが筋」と反発を強めている。鳩山新政権による国の政策や事業の見直しに伴う余波の一つと言えそうだ。
前原国交相は未明に初登庁した際、報道陣に「マニフェストに書いてあることなので中止する」と述べた。これに対し、森田知事は17日午前の会見で「県として考え方をピシッと申し上げる。それでも絶対中止なら、県が出してきた金は返してもらうのが筋だ」と語気を強めた。
ダムの総事業費は4600億円。県は本体工事分401億円と地元振興策分61億円を負担する計画で、すでに本体分287億円と振興策分30億円を支払い済み。県水政課は「政権交代でもダムの必要性は消えない」としている。ただ、新政権の方針で事業中止は確実な情勢で、同課は「その場合は、県が支払った負担分は返してもらえると認識している」と話す。
これについて前原国交相は17日午後の会見で「(地元への補償とともに下流都県の負担分の補償も)検討する項目の一つだ」と語り、事業中止の際に何らかの判断を下すものとみられる。
一方、ダム建設中止を求める市民団体「八ッ場ダムをストップさせる千葉の会」の中村春子共同代表は「中止は当然だ。関係都県の知事は『7割も完成しているのに』などと発言するが、ダムの必要性を論じないのはおかしい」と話した。
────【倉田陶子】毎日9/18────
千葉 鳩山内閣『新しい風』
森田知事 国交相との会談望む
森田健作知事は十七日の定例記者会見で、前日に誕生した鳩山新内閣について「新しい風が入るなぁと思った。自民党政権と違ったものが生まれてくるのでは」と感想を述べた。
「鳩山総理は『未知との遭遇』という言葉を使った。私も期待と不安が半分ずつ」と複雑な心境も吐露。民主党のマニフェスト(政権公約)に触れ、「財源確保の道筋をわかりやすく示してくれれば不安の一つや二つは片付いていく」とあらためて財源の説明を求めた。
地方分権の観点からは「国と地方の協議の場をぜひ法制化してほしい」と要望。北総線の運賃問題、八ッ場(やんば)ダムの建設問題などから、新閣僚の中では特に前原国交相との会談を望んだ。
────(小林孝一郎)東京9/18────
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