2009年9月12日土曜日

千葉の金権腐敗を一掃しよう

 千葉県は森田知事が違法献金などで告発され、元千葉市長と元千葉市議会議長が逮捕と、金権腐敗が続出している。

 森田知事が当選以来、「金権日本一」で有名になった。

 今度は、千葉県の不正経理が判明し、県民の怒りはおさまらない。

 不正経理発生の原因、全容解明、再発防止策を講じるとともに、組織ぐるみの不正に対する幹部責任の追及が欠かせない。

 とりわけ、歴代知事、副知事、県警本部長などの管理監督責任を含め、幹部責任が問われる。

 トカゲのしっぽ切りで終わらしてはならない。



千葉 不正 監査すり抜け
  消耗品 現物確認せず 新組織に重責


 県で発覚した約30億円の不正経理は、全401部署のうち96%の383部署で組織的に行われていた。会計や業務をチェックする監査委員の監査などでなぜ不正を見抜けなかったのか。再発防止のため、県が11月に設ける新しい監察組織の責任は重い。

 巨額の不正経理をあぶり出した全庁調査では、80の業者から帳簿の提出を受け、約8万枚に上る県側の支出伝票と突き合わせる作業を行った。昨年10月に12道府県の不正経理を指摘した会計検査院の調査手法を取り入れたものだった。

 これまで監査委員と同事務局が、公金の使い道に目を光らせる役割を担ってきたが、チェック機能を果たせなかった。

 全部署で毎年度実施する定期監査では、事務局職員が実地検査として部署に出向くが、幹部職員との面談と書類の確認だけにとどまっていた。事務局幹部は「消耗品については、監査の時点で既に消費されているという考えがあったので、現物を確認するという意識がなかった」と説明する。他の部署と同様、事務局でも不正経理が確認されており、公金支出に対する意識の低さを指摘される結果となった。

 監査委員による監査のほか、県には第三者が補完する包括外部監査もある。公認会計士など専門的な知識を持つ外部監査人による監査で、監査人が自らテーマを設けて監査する。これまでに消耗品費が対象にされることはなかった。

 このほか、出納局では県が購入する消耗品について、各部署から提出される支出伝票と、業者側の見積書、請求書などをもとに適正かどうか調べてきた。約100部署の支出を取り扱い、年間約11万6000件の書類を確認するが、8人の担当職員ではチェックの限界といい、同局は「納品された現物を確認するだけの余裕はない」と説明する。

 不正経理問題を教訓に、県が11月に新設する再発防止・特別監察組織。今回の全庁調査と同じ手法で、消耗品費に加え、備品購入費、調査委託費などすべての支出を抜き打ちで調べる。不正が確認された場合、過去にさかのぼって調査する方針。県総務部の幹部は「抜け道を考える職員がいれば、どんなシステムをつくってもまた不正が起きる恐れがある。法令順守の意識を徹底させることが不可欠だ」としている。

     ────2009年9月12日 読売新聞────




千葉県 職員処分12月めど


 県の不正経理問題で、森田知事は11日、県職員の処分について、「適切にやる。12月くらいにはきちっとやりたい」と語った。処分される職員の規模にはふれなかった。記者団の質問に答えた。

 これに先立ち、知事は自民党県連の会議で党県議団に不正経理の調査結果を説明。党県連の田久保尚俊幹事長は、不正経理の徹底解明を求める姿勢を示した。県議会としての対応については、「(18日の)全員協議会の結果を踏まえてからになる」とした。

     ────2009年9月12日 読売新聞────




千葉 返還金さらに増額も
  業者との返還交渉難航必至
    県庁30億円不正経理


 県職員による約30億円の不正経理問題で、職員(OBを含む)が返還すべき金額が、県が推計した7億円からさらに拡大する可能性が高いことが10日、県への取材で分かった。業者に対する約4億円の預け金の残額(プール金)の返還交渉は難航が予想され、返済が遅れた場合、利子や加算金が上乗せされるほか、回収不能分を職員が肩代わりしなければならない。さらに、今回の調査で対象外だった昨年度分も上乗せされるためという。

 県は約30億円の不正経理全体のうち、伝票上で納入時期のみを偽った約3億3千万円については県に対して損害を与えていないとして返還は不要とする方針。一方で、支出伝票と異なるものの公金として支出可能な物品(えんぴつ、デジカメ等計約24億4千万円)は、入札を行えば1割程度安く購入できたとして約2億4千万円を返還させる。私的流用などそれ以外の約2億円は全額返還対象とした。

 これら計約4億4千万円に5年間の県債平均利率(年利1・58%)などをかけ、さらに国庫返還金の見込額や加算金(同10・95%)、プール金の回収不能額などを加え、返還総額を約7億円と推計した。

 県は、このうち個人による私的流用や課の責任が重い案件(親ぼく会費など)以外は各管理職やOB(約5400人)が階級ごとに一定の金額を返済する方針。すでに現役管理職には目安となる金額が伝わっており「80万円はいくだろう」(部長級)、「50万円以上と聞いた」(主幹級)などの声も出ている。

 一方、県によるとプール金がある39業者のうち、すでに1社が倒産し回収不能となっている。その他の業者も「1社あたり1千万円以上ともいわれる巨額な返済に抵抗することは必至」(県総務課)という。

 また、総務部幹部は「難色を示している県庁OBがいるという話を聞いた」と語っており、OBの返済が滞る恐れも出ている。県は堂本暁子元知事にも返還を求める予定だが、堂本元知事は「今は何も話さない」としている。



「すべての膿を出す」 森田知事


 巨額不正経理問題の公表から一夜明けた10日、森田健作知事は記者団の取材に応じ、「(県民から)大変おしかりを受けている。本当に申し訳ございません」とあらためて陳謝した。

 そのうえで、「(不正の実態解明を)徹底的にやってすべての膿(うみ)を出すと言うことが、県民の皆さまへの答え。もう一度原点に帰り、千葉県のために仕事をどんどんやることが県民の皆さまに対して、私たちがすることだと思っている」と厳しい表情で語った。

     ────千葉日報9/12────



県警でも1億4千万 本部など80部署で発覚


 県庁だけでなく、県警でも約1億4千万円分の不正経理処理が発覚した。県警本部の各課と全警察署などを合わせた全95部署中、80部署で見つかり、県警全体に広がっていた実体が浮かび上がった。使途不明金や私的流用は確認されていないという。

 県警会計課によると、確認されたのは、年度末をまたいだ物品購入や、書類と異なる物品が納入された処理。捜査本部の設置に伴い、適正な変更手続きを踏まずに消耗品の発注を取り消し、ロッカーなどの購入に転用したケースもあった。

 県警国際捜査課では、約4万6千円のプール金の存在も発覚。事務担当者レベルで引き継がれ、最近まで、ファイルや電池などの購入に使われていた。

 県警の西英敏総務部長は「極めて遺憾。二度と起こらないよう、再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

     ────千葉日報9/11────




千葉県不正経理、県警全39署や出納局でも


 千葉県で発覚した総額30億円に上る不正経理問題で、県内の全39署を含む県警や財務を監査する県監査委員事務局、会計をつかさどる県出納局でも不正経理があったことが10日、県や県警への取材でわかった。

 不正額は県警だけで約1億4000万円に上り、公金支出に対するチェック機能の甘さが浮き彫りになった。

 県警によると、不正経理は本部を含め全95部署のうち80部署で確認された。警察署では、代金を支払う前に納品してもらったり、先に支払った後に年度をまたいで納品されたりするケースが多かった。

 県によると、監査委員事務局でも、同様の手口で25万1000円分のコピー用紙を納入していたことが判明。担当者は「各課から回ってくる大量の資料をコピーしなければならず、仕方なかった」と説明している。

 出納局では2003年度、書庫(5万2500円)とタクシークーポン券(3万円分)を架空の支払伝票を使って購入していた。伝票は3年の保存期間を過ぎ、すでに処分されていたが、業者側が提出した帳簿から不正が判明した。出納局は各部署から届く支払伝票を審査しており、同局幹部は「6年前とは言え、驚いた」と困惑気味に話した。(2009年9月11日03時04分 読売新聞)





千葉県不正経理:
  公金感覚マヒ、県庁96%で
    知事「慣例化していた」/千葉


 私的流用が疑われる使途不明金約1億1000万円を含め、7億円の血税が乱費されていた--。森田健作知事らが9日会見し、県庁の不正経理の全容を公表した。知事部局や教育庁、県警本部を含む県庁の全401部署のうち、全体の96%で不正経理が確認された。公金という感覚の欠如は県庁全体に及んでいた。【倉田陶子、山縣章子】

 ■幹部は沈黙

 重苦しい記者会見の終盤に、記者からこんな質問が出た。「この中で不正を見聞きした方はいませんか」。森田知事や居並ぶ県幹部は一瞬、静まり返った。

 会見冒頭、森田知事は険しい表情で「不祥事について現知事として心からおわび致します。すみませんでした」と深々頭を下げた。

 「何に使ったか分からないでは県民に示しがつかない。おまえたち何やっているんだ、とどなられても仕方がない」と声を荒らげる場面も。不正経理については「毅然(きぜん)として対処していく。生まれ変わったつもりで県民から信頼される県庁を一丸となって作っていかなくてはならない」。最後に「私たちは一丸となって頑張ります。本当に本当に申し訳ありませんでした」と述べ、改めて謝罪した。

 ■返還要求へ

 不正な「預け」の手口で02年度以前から業者にプールされてきた県費は、現時点で4億1800万円に上る。県は今後早急に返還を求めていく。しかし、廃業している業者もあり、返還に応じないケースも想定されるため、県は回収できなかったプール金は関係職員に返還を求めることにしている。

 職員による返還額は県の推計で約7億円にも上る。返還率は外部委員会で定められ、私的流用の可能性が高い商品券やお茶やコーヒーなどの職場での飲食費、職場の冷蔵庫やポット、テレビやAV機器などは全額返還を求める。

 また、紙や文房具などの消耗品、業務用パソコンやデジカメなどは、10%の返還にとどめる。返還を求められるのは、03~07年度に管理職の立場にあった職員約3400人とOB約2000人の計5400人。当時の職責に応じて、額は試算する。

 森田知事は、今年4月に就任しており、今回明らかになった不正経理は堂本暁子前知事の下で行われていたことになる。森田知事は、「就任前の話。私の責任はこういう不正を起こさないことだと思う」と語り、自身が返還に加わることは否定した。県は、堂本前知事にも協力を依頼し、一部の返金を求める考え。

 ■背景と原因

 組織的な不正経理が起きたのはどうしてなのか。歯切れのよい「理由」はなく、森田知事も「私の推測だが、ちょっと慣例化していたと思う」と述べるにとどまった。

 慣例化していたことについて、真田範行・経理問題特別調査外部審査委員会会長は「経理をやっている経験者は、預けというものがあることは知っていたのではないか」と指摘した。

 調査結果の報告書は、原因について、長年の慣習や前例踏襲▽発注と商品を確認する検品を同じ職員が行っていた▽予算枠を使い切らないと翌年に影響する--などを挙げた。納品を受ける時には納品書の添付を求めておらず、県側はずさんなチェック体制が「不正の温床になった」とも答えた。

 ■再発防止策

 組織的な不正に記者からは「やめようと言う人は誰もいなかったのか」など厳しい質問が飛んだ。小宮大一郎総務部長は「(そういう人がいたとは)聞いていません」と答え、自浄作用が働かなかった理由については

 「長年の慣行があって」と繰り返した。

 今後の再発防止策として県は、11月に総務部内に特別監察組織を立ち上げることを決めた。再発防止策の検証▽毎年度、抜き打ちで特別監察を随時実施▽不正経理が発覚した場合にさかのぼって徹底--することを定め、特別監察の結果は森田知事に報告する。


 ◇164部署で確認

 県は業者へのプール金額約4億1800万円の内訳を、部局別に公表した。401部署中164部署でプール金の存在を確認。国庫補助事業を抱える2部署でプール額は突出して高く、農林水産部で1億189万円、県土整備部では2億3016万円に上った。

 県によると、国からの補助金が余った場合、煩雑な返還の事務手続きが必要で、翌年度の補助金額が減らされる。県幹部は、「帳簿上、使い切ることが必要だったのではないか」と話している。


 ■部局別の「プール」額■

部局名   金額(千円) 部署数  業者数
総合企画部   6931   6    7
総務部    15272  20   10
健康福祉部  22726  21   12
環境生活部   8266   7   11
商工労働部  10354  10   12
農林水産部 101898  32   20
県土整備部 230164  36   23
教育庁    13331  15    9
その他行政委員会等
        3871   4    5
水道局        3   1    2
企業庁     1186   8    6
病院局     3539   3    2
警察本部      46   1    1
合計    417587 164
 ※業者数の合計は、重複を除くと計39社

      ────毎日9/11────



千葉 30億円、県不正額突出
愛知 14億9000万、
岩手  1億5000万…


 千葉県で発覚した約30億円に上る不正経理は全国的にも突出している。会計検査院が自治体の不正経理を指摘した昨年10月以降、不正の実態が相次いで判明した愛知、岩手などと比較しても、「預け」と呼ばれる裏金作りが際だっている。公金に対するずさんな意識に、他県の職員からも驚きの声が漏れた。

 これまでに発表された各県の不正額は、愛知で約14億9000万円(2001~08年度)、岩手で約1億5000万円(02~08年度)、熊本で約1億円(03~08年度)で、千葉を大きく下回っている。

 会計検査院が指摘する「不正経理」の手口は6通りあるが、千葉ではすべて使われている。架空発注して代金を業者の口座にプールして管理させる「預け」は、千葉で約18億1100万円が確認され、不正額全体の6割を超える。私的流用の温床になるとされ、他県でも発覚したが、岩手33%、熊本21%(知事部局分)、愛知8%にとどまっている。

 千葉の突出ぶりに愛知の調査担当者は「感覚的にむちゃくちゃなことをやっている」と驚きを隠さない。また、岩手の調査担当者は「預けは予算を使い切るために行っていた。岩手では私的流用は確認されなかった。千葉の調査結果にはびっくりした」と話す。

 職員の公金意識について、熊本の調査担当者は「職員は私的流用がないと、不正という意識を持たないようだ」と嘆く。熊本では昨年7月、自主申告による調査で不正は確認されず、その後の再調査で発覚した経緯がある。

 神奈川では、全庁調査を実施中で11月をめどに発表する予定。書類上は先に支払ったようにして年度をまたいで納品させる「翌年度納入」などが目立つが、「預け」は確認されていないという。神奈川では1997年春、国体旅費の不正流用が発覚しており、その後、各課の経理担当者を集め、再発防止などの研修を行っている。担当者は「不正流用後は綱紀粛正を徹底し、再発防止の効果が上がっている」という。

 一方、千葉でも経理担当者を集めた研修を毎年実施しているが、職員のコンプライアンス(法令順守)意識を向上させるためのプログラムは取り入れていない。千葉の調査担当者は「公金に対する意識が低かったと指摘されてもしょうがない」と話した。

     ────2009年9月11日 読売新聞────

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