午後1時からの開会。冒頭、森田知事から、羽田空港をハブ空港にとの前原国交大臣の発言をめぐるこの間の動きについての説明があり、続いて、8つの各常任委員会の審議の経過と結果について、各常任委員長から報告がありました。その後、報告を受けての討論。民主、市社無に続いて、私が登壇。職員の人件費に財政のしわ寄せを押し付ける補正予算や県立富津公園の指定管理者にサンアメニティーを含むグループを指定する議案等に反対しました。職員給与については、この間、財政難を理由に県独自の削減措置が取られてきましたが、すでにその総額は、7月までで404億円に達しています。加えて、夏のボーナスの削減で59億円。さらに、今回の独自削減措置の延長で23億円です。10月9日に、人事委員会勧告が出ましたが、それによれば、給与の切り下げとボーナスの削減で総額108億円もの影響が出ます。勧告は、「民間給与との均衡を図る」のが目的ですが、県独自の削減措置の結果、勧告通りの実施となった場合、民間給与と比べて月額6074円のマイナスになります。
富津公園の指定管理者となるサンアメニティーは、この間、違法行為によって指名停止を受けたり、指定管理期間の途中で採算を理由に撤退したりと不祥事を重ねてきた業者です。県立公園の、しかも、安全安心が第一であるべきプールの管理運営を委ねるわけにはいきません。
日本共産党からは、その他、監査委員の選任について、丸山議員が反対討論を行い、三輪議員が、日本共産党提出の「八ツ場ダム建設中止と住民合意による生活再建・地域振興の促進を求める意見書案」の趣旨説明に登壇しました。
散会後は、第一回の「不正経理問題」の調査特別委員会。日本共産党からは私が出席しました。委員長・副委員長の互選や今後の調査内容、日程などを確認が行われました。実質的な調査・審議は、次回の11月20日からとなります。
9月県議会 反対討論
────小松実ホームーページ────
日本共産党を代表して、常任委員長報告に反対する主な議案と請願について、討論を行います。
はじめに、議案第1号「平成21年度一般会計補正予算」は、総額881億円という、9月補正としては、過去最大規模の増額補正ですが、なかで、人件費だけが、約21億円の減額補正になっています。
中心の一つは、職員給与の独自削減措置を来年3月末まで延長することによる23億4600万円の減額であります。しかし既に、この7月までの独自削減と夏のボーナスカットによって、職員の家計からは463億円もの所得が奪われてきました。今回の延長と合わせて、486億円であります。さらに、10月9日には、給与の切り下げとボーナスカットによる総額108億円にものぼるマイナスの人事委員会勧告が出ました。
委員会質疑でも「職員の士気と県内経済に影響がある」と認めながら、議会の決議をも踏みにじって、独自の給与削減を続けることを断じて認めるわけにはまいりません。
人件費削減のもう一つが職員減らしです。平成18年からの「定員適正化計画」でも、知事部局だけで既に、910人の正規職員が削減されてきましたが、今回の補正にも、警察職員の増員分を除くと、一般職、教育職員合わせて約18億円の人員削減による減額が計上されています。しかも、その中身は、地域整備センターの33人をはじめ、健康福祉センター、いわゆる保健所で、今大問題になっている新型インフルエンザなどの感染症に対応する健康生活支援課や母子保健事業などを担当する地域保健福祉課の職員など、住民の暮らしに密着した部分での削減が目立ちます。
財政難のツケをもっぱら職員の人件費に押し付ける、安易で無秩序なやり方が、自治体本来の責務である県民サービスの低下をも招いていることを厳しく指摘しておきます。
他に、今回の補正では、30億円もの国の直轄事業負担金の積み増しが行われ、道路特定財源の一般財源化にともなう地域活力基盤創造交付金が、引き続き、北千葉道路などの巨大道路建設に回されているなど、相も変わらず、巨大事業優先が貫かれています。
甘い見通しで始めた巨大事業が、どのような結果を招くのか。今回の補正に組まれた「かずさアカデミアパーク環境整備事業」を見れば明らかです。企業進出がない空き地に、ペンペン草どころか、うっそうと樹木が茂り、とても職員の手に負えず、その伐採の委託費として5500万円が計上されているではありませんか。
県庁全体が不正経理に大揺れに揺れている今、県民からお預かりした税金は、県民の暮らし第一に使われるべきだという、当たり前の原則を、改めて厳しく指摘して、議案第1号に反対いたします。
次に、議案第22号は、乳がんの転移を調べる検査に、「先進医療」の名で、4万4500円の診療料を設定し、新たに料金を徴収しようとするものであります。この検査によって、転移を防ぐために、わきの下のリンパ節全体を切除しなくて済むようになり、予後が大きく改善されます。しかし、新たな料金設定は、低所得者などには大変な負担となります。お金のあるなしで命や健康が差別されてはなりません。そもそも、保険適用されていない医療に、「先進医療」の名で診療料を設定することは、混合診療そのものであり、国民皆保険制度を根底から掘り崩すものです。よって、反対いたします。
次に、議案第32号は、県立富津公園の指定管理者に千葉県まちづくり公社、富津市の大富興業、東京都北区のサンアメニティーの三者からなる「富津みどりの公園グループ」を指定しようとするものであります。しかし、プール管理を担当するとされるサンアメニティーについては、平成19年に、北区のプールで、監視員として資格を満たさない18歳未満の者を採用したり、社員によるプリペイド料金の着服などがあり、指名停止を受けています。また平成20年には、茨城県の温浴施設において、採算を理由に指定管理中に撤退してしまい大問題になりました。こうした不祥事を繰り返してきた業者に、県立公園の、しかも安全安心が第一であるはずのプールの管理運営を委ねるわけにはまいりません。反対いたします。
次に、請願についてです。
請願第100号は、三番瀬の再生を求めるものですが、ここでいう「再生」とは、人工干潟の造成であり、これによって「昔からの自然が取り戻せる」などというのは、はなはだ疑問であります。全国で成功している人工干潟は、皆無に等しく、砂の流出を防ぐために莫大な資金の投入を強いられているというのが実態です。また人工干潟は、三番瀬再生計画の、これ以上「海域を狭めない」という原則にも反します。現在の護岸整備でさえ、海域を数ヘクタールつぶす形で進められていますが、「環境改善」を口実に、さらに海域を狭めるようなことは決してあってはなりません。知事も、6月議会で「三番瀬は、東京湾の奥に残された貴重な干潟、浅海域だ」と、その貴重な価値に言及されていますが、今回の請願は、その価値を保全してほしいとの県民の意思に逆行するものであり、採択に反対いたします。
次に、請願第104号と106号はともに、国に対して、子どもの医療費無料制度の創設を求めるものです。子育てにかかる負担を軽減して、子育て世代を応援したいというのは、もはや大きな国民世論であり、今回の政権交代にもその意思は、明確に示されているのではないでしょうか。10月14日に発表された日本医師会の提言でも、この間、外来通院日数が減少しているなど、「受診抑制」が起こっていることを指摘し、その背景として、雇用情勢の悪化や諸外国と比べて高すぎる患者の一部負担をあげ、「0歳から義務教育就学期間中は、外来患者一部負担を無料にする」ことを提案しています。
もはや制度創設は待ったなしです。にもかかわらず、健康福祉常任委員会では、自民・公明・民主が、採択に反対いたしました。これでは、千葉県議会の見識が問われます。2件の請願を採択し、県議会として国に、一日も早い制度の創設を求めるべきです。
以上で、討論を終わります。
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