2010年4月24日土曜日

森田知事 定例記者会見概要
  ( カジノ構想を抜粋)

(記者)

 ありがとうございます。今朝、既に一部報道でありましたが、千葉県がカジノ導入を検討するということですが、その趣旨や目的ですとか、構想内容、具体的に進み出しているものがありましたら、お願いします。

(知事)

 成田空港は国際空港としての、まず、より一層の魅力アップ。地元成田を含めて、雇用、経済も含めて、これは何としても頑張っていかなきゃいけない。それともう一つ、羽田との差別化も含めて、カジノ、私が考えているのは、外国人の旅行者に限ってのカジノ、これは国際空港としての魅力アップにもなりますし、もうそろそろ議論をしてもいいんではないかなと、議論のテーブルに上げてもいいんではないかなと、私はそのように思っています。
 ですから、これはもうすぐこうする、ああするという問題ではございませんが、とりあえず、財界の人たち、また、もちろん地元関係者、いろんな団体の方から、そして政治家の方々のお話もいただきながら、そうだと、こういうのもいいじゃないかと、そういうような機運が高まってきたならば、そういう検討会も含めて、考えたいなと、そのように思っております。

(記者)

 一部、県庁内に研究グループを設けるというようなお話もあったのですが、これは実際、これをつくるおつもりは。

(知事)

 このカジノ構想というのは、緊急プロジェクトチームの委員の皆さんからも出た案でございますが、私は私なりに考えていまして、先ほど言ったとおり、カジノのいろいろなやり方があると思うのでございますが、私は外国人旅行者に限って、まずやったらどうだと、そういうような考えを持っています。
 しかし、今すぐにそういうプロジェクトがとか、そういう検討会とか置くというよりも、まず、この考え方、またどのような形がいいのかということの議論を深めたいと思います。そして、周りが、もうちょっと精査して、こういうこともあり得るんじゃないかと、そういう機運が高まったならば、県庁内に検討会か、そういう何かしらの形をつくりたいなと、そのようには思っております。そのためには、いろんな方からの意見を聞きたいと、現段階ではそう考えております。

(記者)

 成田関連ですが、この28日から成田で20万回から22万回に年間の発着枠が拡大されます。また、成田空港会社の方で3年後までに発着回数枠を27万回に増やすという計画も出されました。こうした今後の成田の容量拡大に向けた県としての姿勢を改めて聞かせていただけますか。

(知事)

 何としても容量拡大、これは地元皆様に対して丁寧に説明していただいて、地元の皆様が同意していただく、これはまず基本的に大事なことだと思っております。
 それと、容量拡大をするということは、より一層、成田が国際空港としての基盤を持ち上げることでございますから、これは大変いいことだと。それと同時に、先ほど言ったように、いかにその容量拡大を経済のほうに結びつけていくか、どういうアイデアがあるか、国からこう言われたからこうしよう、ああしようじゃなくて、私たち千葉県が、また地元がそういうことを提言し、また考えて、そして国に持っていかなければならない、そのように思っています。

(記者)

 先ほどのカジノの件ですが、千葉市議会もカジノ誘致議員連盟というのができまして、過去にも県議会でカジノを推進する議員連盟みたいなものがつくられたと。今はないようですが、今後、政治家に県としてどういう働きかけするとか、もし考えがあれば。

(知事)

 県議会、市議会においてもそういう動きがあったということは、私も承知しております。ですから、ここで外国人旅行者に限ってどうだとか、それは日本人にも門戸を開いた方がいいんじゃないか、いろんな意見が出てくると思うんです。これは先ほど言ったように、より一層、成田国際空港が魅力アップにつながる。(外国人旅客が)年間800万人いらっしゃるわけですから、そういう人たちに成田もこういうものがあるじゃないかと、言うなれば、サービスだと思うんですね。それがまた、羽田との差別化にもつながるんではないかなと、そのように思っています。
 ですから、そういうことも含めながら、これから、たしか千葉市議会だよね。熊谷市長にも連絡をとって、実際にどのように動いているのか、どのような意見があるのか、そういうことも聞きたいし、また、県議会のほうでもそういうことが過去にあったならば、そういう先生方のお話も聞くと。経済界、これも大事でございます。そして、地元の方々のお話も賜りながら議論を深めていきたいなと、そのように思っています。

(記者)

 知事はゴールデンウイークにアメリカとブラジルを視察に行かれるようですが、ラスベガスも行かれますか。

(知事)

 僕はラスベガスへは前に行ったことがあるんですよ。今回は、姉妹都市でございますからウィスコンシン州へ行きますけど、ラスベガスには行く予定ございません。

(記者)

 日程に組み入れるとか。

(知事)

 前に行きましたからね。飛行機を待っている間、例えばスロットマシーンやったり、ちょろちょろしているというのは、ある意味で、時間つぶしになって非常におもしろかったという気持ちはあります。ラスベガスというところは、初め賭博場のこういう栄えたところなのかなという間違ったイメージを持っていました。実際に行ったら、エンターテイメントなんです。舞台あり、劇場あり、もちろんそういうカジノもありますけども、何かものすごく華やかで、あそこへ行くとわくわくする部分もあるんですね。
 これからどういう議論が出てくるかわかりませんが、そのように成田空港も含めて、そういう夢のある、言うなれば、エンターテイメントのまちづくりというのも考えの一つなのかなと、そのように思っております。

(記者)

 カジノに関連してですが、他県でも最近だけでも神奈川とか、和歌山とか、沖縄とか、そういうようなところに呼びかけていろいろ検討しているようなんですけども、こういったところと連携をしていくのか、それともそういうところはライバルで距離を置いて、千葉独自に検討されていくのかということをお伺いしたいのですが。

(知事)

 千葉県の場合は、成田国際空港というものもあるわけですから、日本の表玄関でございます。それから発想して物事を話しているところでございます。しかし、他県でもそういう話が出たり、また沖縄でもどうだという話も出ているところでございますから、ぜひ、そういうところの首長さんなんかのお話で、どのような形を考えているんだろうかと。また、それに対して、今までどのような意見が出ているだろうかと、これも勉強させていただきたい。そして、連携できるところがあったならば、これは連携していきたいなと、そのように思っています。

(記者)

 関連してですが、先ほどラスベガスのイメージみたいなものを語られたと思うのですが、こういう議論をすると必ず青少年への影響だとかということで議論される方もいらっしゃるかと思うのですが、そういった見方とか考え方については、今のところ、どのように思われていますか。

(知事)

 どうしてもそういうものは、そういう闇の社会が何だかんだという議論も出てくるんでございます。ですから、それは十分に気をつけなきゃいけないし、また、しっかりと考えていかなきゃいけない。ですから、私が今言ったのは、外国人旅行者に限ってのカジノと、こういうふうにまず一つずつ精査し、やっていったならば、私は問題ないんではないかなと。事実、世界でも、最近はシンガポールでもカジノもできたわけですし、お隣の韓国でもあるし、マカオでもあるわけですから、そういうのを十分に参考にしながらいくならば、そういうものは防げるんではないかなと、そのように思っております。

(記者)

 よろしくお願いします。カジノの件について伺いたいんですが、以前、東京都の石原さんも構想は上げたのですが、法整備が整わないということで断念された経緯もあります。今の刑法の仕組みの中では、かなり難しい点があるかと思うんですが、この法律の規制というか、壁のようなものは、どのように切り込んでいかれますか。

(知事)

 法律からいくと、難しくて、これはやめちゃおうという言葉が先走っちゃうんでございますけども、確かに東京の石原都知事が非常に熱心でございました。最後は法的なものが非常にバリアになっちゃったんだと思うんでございますけども、聞くところによりますと、これは民主党もカジノということに関して非常に関心がある。実際にどうなのかとお考えになっている等も聞いております。ですから、法律問題は別として、まず、私たちがこういう構想において、このようにやりたいんだと、私たちが一つの考え方、また意見、そういうものをまとめて国の方にもご理解をいただいて、その中において、今度は法律問題をどうするんだろうと、そのようにしてまいりたいと思います。

(記者)

 例えば、自治体によっては特区制度を使って申請をしたりという手段をとっているところもあったりするんですが、今、何か知事のお考えはありますか。

(知事)

 実はその特区も考えています。それは私の考えの中にも一つあります。だから、どういう形がいいのかなと。特に空港の周りには、そういう意味では十分な土地はあるわけですから、でも、これ、一つ間違うとまた大変なことにもなってしまいますし、これは慎重の上にも慎重を期しながら、もし議論が深まるならば、進めてまいりたいなと、そのように思っています。

(記者)

 カジノのことで1件お尋ねしたいのですが、まず外国人の旅行者からということですが、その理由をお聞かせ願えますか。

(知事)

 初めからすべてに門戸を開放するとなると、先ほど言ったように、いろんな問題が起きてくるんじゃないかなと。例えばシンガポールは、開放しました。ただ、上限を決めていて、これ以上負けたら、もう退席しなさいよと、そのようなこともやっております。ただ、日本の場合はカジノというものに対して、簡単に言えば拒否反応もあります。ですから、まずは国際空港の一つの魅力アップとして、先ほど言ったように、私もラスベガスに行きました。ちょっとの間に、スロットマシーンをやるのも楽しかったです。そんな馬鹿みたく負けることもないですし、そういうことも含めて、まず外国旅行者に限ってやってみて、その成果を見ながら、だったら、もう少し門戸をこうやって広げても大丈夫じゃないかとか、こうやったらどうじゃないかと、そういうふうに持っていった方がいいと思います。初めからどーんとやると、想像しなかったことが起きた場合に困るなと、そのように思っています。

(記者)

 現時点では、空港のあたりにつくることをお考えなんですか。

(知事)

 これは、空港の中か、空港外かわかりませんけど、でも、できるならば空港に近いところと思っております。

(記者)

 カジノの件で重ねて伺いたいのですが、先ほど連携できるところは他県とも連携したいというお話をなさったかと思いますが、具体的に神奈川県の松沢知事などは来年度にも沖縄、和歌山と共同研究会を発足させるような話もしていらっしゃるかと思いますが、例えば、知事にもそういう具体的なアプローチがあったのかということが一つと、今後、あったらどうお答えになるのか。

(知事)

 そのことに関しては、私のところにはアプローチはございません。それと、例えば、神奈川県とは、千葉の場合は国際空港を持っているということで、ちょっと視点が違うところもあるのかなと、そのように思いますので、しかし、先ほど言ったように、他県のそういう考え方、また、どのような形態がいいのか、またそれに対する意見はどういう意見が来ているかということは勉強させていただいて、その中において共通の認識があるならば、もちろん連携してまいりたいなと、そのように思っています。

(記者)

 カジノというこういう遊技場を設置するとなると、地元住民の方からの反発も考えられますが、神奈川県では県民アンケートのような調査もしていらっしゃるかと思いますが、そういうことを今後考えていらっしゃいますか。

(知事)

 これは、これからの問題でございますけども、例えば、先ほどご質問があったように、空港内に外国人旅行者に限ってやるんだったら空港内でやるのかとか、いろんなことが出てくると思うんですね。これが実際に地元、政経済界も含めて、非常に盛り上がって、こういうことも、今、議論してもいいんじゃないかと、考えてもいいんじゃないかと出てきたならば、最終的には検討会もやって、皆様のお考えもぜひ聞きたいなと、そのように思っております。

(記者)

 最後に一つだけ、このカジノ構想というのは、そもそも知事の中で、いつごろ、どういうきっかけで思いつかれたのか。

(知事)

 私、ラスベガスに行って、ああそうかと。私も認識を、さっき言ったように、偏見だったですね。ラスベガスって、ちょっと昔は怖い感じを受けていたんですけども、それこそ親子で楽しめるエンターテイメント、舞台もあり、映画もあり、劇場もあり、食事もでき、言うなればエンターテイメントの街だと。その中にカジノもある。実際、私はカジノを見ていても、そんな怖いこともなかったです。ですから、これは、ああそうかと。こういうような形だったならば、国際空港としてならば、やり方によっては羽田との差別化にもなるし、成田空港の魅力アップにつながるんじゃないかなと、この数年前、何となく、そういうことがいいんじゃないかなという気持ちを持っておりました。

(記者)

 一つだけ確認ですが、ラスベガスに行かれたのはいつですか。

(知事)

 7~8年前です。

(記者)

 そのころからちょっと構想は……。

(知事)

 そのときは、構想はあまり……。思っていたところと全然違うなという考えを持っていました。事実、自分が知事に挑戦しようと思ったときに、そういうのも、それは雇用も含め、経済効果も含め、やり方によっては明るく楽しいまちづくりもできるんじゃないかなと、そう思ったんですね。


日時 平成22年3月25日(木) 13時30分~14時01分

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