2010年1月18日月曜日

県不正、97年内部告発文書
    知事給料減額案継続審査

 県が不正経理問題の追加調査結果を公表したのを受け、県議会は定例会最終日の22日、各会派が緊急質問を行った。小宮大一郎総務部長は、1997年に不正経理の方法を明らかにした匿名の内部告発文書があったことを認め、「当時真摯(しんし)に対応していれば、今回のような事態は回避できた可能性はある」と述べた。
 川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)の質問に答えた。文書は県職員を名乗る匿名の人物が書いたもので、「公費の乱用、使い込みの手口は(中略)各課の庶務主任が課長補佐と庶務係長の指示を受け、旅費、時間外、物件購入のカラ伝票を切り、裏金を作ります」などと具体的な方法が説明されている。さらに、「(裏金は)現在の硬直化した予算、財政システムでは支出の困難な事務経費に使われる」などと、今回判明した不正経理の実情と一致する記述もある。
 当時、この文書の内容について、共産党の議員が県議会で事実関係をただしたが、県側は告発者が匿名であることを理由に調査を見送った。小宮部長はこの日、「匿名通報も可能である部分も含め、内部通報制度の周知徹底を図る」と再発防止に力を入れるとした。
 一方、県警の五十嵐邦雄本部長は、「県警では国費支出等について独自に調査をしており、来年2月上旬の公表をめどにしている。職員の処分はその結果を踏まえて対応する」と述べた。
 県の不正経理問題で、森田知事は22日、自らの給料を減額する条例案を県議会に追加提案した。これに対し、議会側は「時期尚早」などと全会一致で総務委員会で継続審査にすることを決めた。
 この日の本会議で知事は、自らの給料の10分の3を3か月(約106万円)、副知事給料の10分の1を1か月(約10万円)減額する条例案を提出した。議案を付託された総務委員会では、委員から「不正経理調査特別委員会や決算審査特別委員会で結論を出していないのに、知事の処分は時期尚早だ」などの意見が相次いだ。
 減給条例案が継続審査になったことについて、知事は「じっくりと審議してもらって、(定例会のある)2月まで議会の判断を待ちたい」と語った。
 12月定例県議会はこの日、総額92億1800万円を増額補正する一般会計補正予算案など14議案を可決するなどして閉会した。

    ────2009年12月23日 読売新聞────

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