緊急質問で、河上茂議員(自民)は「(県議会の)不正経理調査特別委員会や決算委員会の審議が終わっておらず、(減給の条例案を)簡単に認めるわけにはいかない」などと指摘した。
湯浅和子議員(民主)は「(不正経理処理の)上司の関与が明確にされていない。管理職への聞き取りの状況はどうなっているのか」と質問。県側は「必要に応じてやっている」などとし、詳細は明らかにしなかった。
川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)は、調査の対象外となった二〇〇二年度以前の不正経理に対する認識をただした。小宮大一郎総務部長は「〇三年度当初にプール金が存在している以上、それ以前にも不正経理があったと推測できる」と述べた。〇二年度以前の調査については「業者側の帳簿がないことなどから全庁的な把握は難しい」と否定的な見解を示した。
一方、十八日には発表されなかった県警分の調査について、県警は「二月上旬の公表をめどに調査を進めている」と答弁した。
緊急質問後に開かれた総務常任委員会では、知事の給与を三割三カ月、副知事を一割一カ月減額する条例案について「時期尚早だ」などとして全員一致で継続審査とし、本会議でも承認された。
閉会後、森田健作知事は継続審査となった減給条例案について、「(過去の不正経理について)私には責任はなく、新生千葉の再構築に向けて私自身の姿勢を示したものだ。議会の判断を待ちたい。(減給額などは)変えるつもりはない」と述べた。
定例県議会は、補正予算案など県提案の十六議案を可決・承認して閉会した。
県が十八日に公表した追加の調査結果によると、不正経理の総額は九月公表分を含め約三十六億六千万円に上った。このうち、私的流用などで県に損害を与えた約九億円については、退職者を含む幹部職員ら約四千五百人に返還させるとしている。
────東京12/24────
千葉 不正経理、県議会で緊急質問
県の不正経理についての追加調査結果を受け、県議会で最終日の22日に緊急質問が行われ、議員から調査の甘さや処分の不公平さなどに厳しい指摘が相次いだ。返還金のうち1千万円の負担を求める堂本暁子前知事に対しては、返還額の説明とは別に、不正経理の中身についてのヒアリング調査をしていないことなども明らかになった。県議会の反発を受け、森田健作知事と副知事の減給についての条例案は継続審査となった。
県議会の緊急質問は1991年の2月議会以来。この日は各会派から1人ずつと無所属議員の計6人が質問した。
堂本前知事や沼田武元知事らへのヒアリングの有無については、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)が質問した。小宮大一郎総務部長は、2人にヒアリング調査を実施していないと答弁。また関係する県幹部には「納品や使途の確認など必要に応じて行っている」とした。堂本前知事に求めた1千万円の根拠について「調査の全体像を総合的に判断した」と述べた。
県は97年の内部告発文書について「当時真摯(しん・し)に対応していれば今回のような事態は回避できた可能性があるのではないか」との見解を示し、また2002年度以前について「03年度当初にプール金が存在したことから、02年度以前から行われてきたものと推測している」と答えた。
調査期間の本庁の課長級以上の幹部職員全員を戒告処分としたことについて、湯浅和子議員(民主党)は「実際に不正に関与した人とそうでない人に差がないのは公平性を欠かないか」と指摘。県は「組織全体で長年の慣例や前例踏襲があり、幹部職員が把握是正しなかったことが大きな原因」と当初からの答弁に終始した。
森田知事の減給額(給料10分の3を3カ月、約106万円)については、河上茂議員(自民党)が、岐阜県の古田肇知事の減給額約1100万円を例に挙げ、さらに、処分でボーナスへの影響額と返還額をあわせて約110万円減額となる部長よりも少ないとして「これでは県民が納得するでしょうか」と詰め寄った。また、「突然一方的に自分たちだけ減額というのは議会軽視」とも発言した。
森田知事は議会終了後、報道陣に対し、「(自分の処分は)自ら判断したが、これは不正経理の過去の私の責任を問うものじゃない。私はその時に在任していたわけじゃないので責任はないが、新生千葉の再構築に向けて私自身の姿勢を示した」とした。
12月議会は22日、一般会計補正予算案を含む13議案を可決、1議案を承認、知事と副知事の給料に関する条例案を継続審査とした。また、請願1件を採択、19発議案を可決し、閉会した。
────朝日12/23────
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