2012年2月7日火曜日

────県議会────
医療費の外来窓口での定額負担に
反対する意見書の採択を求める

10月18日、9月定例県議会の最終日に、千葉県医師会や歯科医師会の請願を受けて上程された医療費の窓口定額負担に反対する意見書への賛成討論の全文は以下の通りです。

 千葉県医師会と歯科医師会の請願を受けて自民党が提出した発議案、第16号「『受診時定額負担制度』導入に反対する意見書」について、全会一致での採択を求める立場から討論を行います。

 政府与党が策定した「税と社会保障の一体改革」は、2015年ごろまでに段階的に消費税を10%に引き上げる一方で、社会保障については、年金の支給額の削減や支給開始年齢を現行の65歳から68歳もしくは70歳に遅らせることをはじめ、生活保護の保護基準の引き下げや医療費の自己負担の導入、子ども子育て新システムによる公的保育制度の解体と保育現場への市場原理の持ち込みなど、我が国の社会保障制度を根本から瓦解させようとする極めて重大な内容となっています。

 なかでも本意見書が対象にしている「受診時定額負担制度」は、この一体改革の柱の一つとして位置付けられているもので、医療機関を受診するたびに一回100円程度の定額負担を徴収しようというものです。実施されれば、受診回数が多くなればなるほど重い負担が強いられることになります。まさに、高齢者や障害者など、収入が比較的少なく、体の弱い人たちを狙い撃ちにした負担増であり、弱い者いじめのあまりにもひどいやり方だと批判が広がっているのは当然のことです。

 9月16日に開かれた社会保障審議会医療保険部会に提出された厚生労働省の資料によれば、月に16日以上、外来を受診している人は全国で54万人に上っており、その半分が75歳以上の高齢者です。

 仮に一回100円の定額負担を導入したとすると、16日通っている人は月に1600円、一年間では約2万円、医療費が増えることになります。月26日以上受診している人は8万1千人いますが、年間3万円を超える負担増となります。しかも、一回100円の負担というその金額は、一体改革案で「例えば」として例示されている額にすぎません。厚労省の担当者も「100円で提案したつもりはない」と言っており、導入時に200円とか300円の定額負担になる可能性も十分考えられるばかりか、後々500円とか1000円に引き上げられることはないという保証すらどこにもありません。

 政府は、こうした大変な負担を強いる理由として、「医療技術の高度化などを背景に医療費自体が高額になっており、高額療養費制度を見直して患者負担を軽くする必要がある。定額負担の導入は、そのための財源をつくるものだ」としています。

 もちろん、高額療養費の負担軽減は当然やらなければなりません。問題は、その財源を、なぜ、経済的にも体力的にも、最も弱い人たちに背をわせるのか、ということです。これについては、まったく説明がありません。

 医療保険部会で日本医師会の委員は、「高額療養費のあり方を見直して患者負担を軽減することは賛成だが、公的保険である以上、財源は幅広く保険料や税財源に求めるべきであり、患者負担をこれ以上増やすのは反対だ」とはっきりと述べています。

 さらに、「高額な薬価を引き下げることによって財源を捻出することは可能であり、保険料負担でも、日本の企業の負担割合はドイツやフランスなどと比べてまだまだ低い」と指摘し、「弱い患者の方々に、しかも受診回数が多い高齢者を中心に、外来の負担を増やして受診を抑制させた上で、それを高額療養費にまわそうというのは、国民皆保険制度の根幹を揺るがすような大きな問題だ」と厳しく批判しています。

 健康福祉常任委員会の審議の中で私は、こうした意見を紹介しながら、民主党の委員にたいして、「反対するのなら理由を述べてほしい」と聞きましたが、「政府の方針だから」と言うだけで、なぜ定額負担が必要なのか、制度の中身についての説明はまったくありませんでした。一回100円としても全体で2000億円という新たな負担を、医療機関にかかっている患者にだけ求めるというやり方について、合理的な説明もできずに国民に押し付けるようなことは、決して許されるものではありません。

 県民の代表機関である千葉県議会が、県民の命と健康を脅かすような負担増を強いる「受診時定額負担制度」の是正を中央政府に迫るために、与野党の枠を超えて、全会一致で採択することを心から呼びかけ、討論を終わります。

──── 丸山慎一ホームページ(2011年10月18日)────

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