2011年12月5日月曜日

東日本大震災:柏の清掃工場運転休止
高性能が災い、放射能濃度上昇招く
────千葉 再開めどなく────

東京電力福島第1原発事故の影響で、柏市の清掃工場「南部クリーンセンター」(同市南増尾)の運転が当面休止されることになった。埋め立て量を減らす目的で、灰の体積を濃縮する高性能が災いし、放射能濃度が上昇したためだ。しばらくは、設備が古い「北部クリーンセンター」(同市船戸山高野)で可燃ごみを焼くことになるが、南部センター再開のめどはなく、市幹部は「打つ手がない……」と頭を抱える。【早川健人】

 南部センターの焼却灰から6月、国の埋め立て基準の9倍近い1キロ当たり最高7万800ベクレルの放射性セシウムが検出された。9月6日まで運転を続けた結果、埋め立て処分できない灰は約143トンにまで積み上がり、センター内の保管スペースはあと1月分ほどしかない。北部センターにも、まだ放射性物質の濃度が高かった時期にたまった基準超の灰180トンを保管している。

 市は9月7日、年1回の定期点検のため南部センターの運転を休止した。点検は通常1カ月程度で終わるが、運転を再開すれば埋め立て処分できない灰が増える一方になる。伊原優・環境部長は30日に開かれた地元住民との会合で「国や県、東京電力にも解決を要望しているが、なかなか進んでいない状況」と嘆いた。

 市は7月から、放射性物質が付着しやすい草や剪定(せんてい)した枝の分別収集を始め、焼かずに保管して、可燃ごみの灰の濃度を抑えた。草木は北部センター内に約600トン(9月29日現在)、「第二最終処分場」(同市若白毛)内に392トン(同23日現在)あるが、落ち葉が増える秋以降も、年内分いっぱいは保管できる見通しだという。

────毎日新聞 2011年10月1日 地方版────

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