2012年9月3日月曜日

放射線物質の最終処分場
千葉県、県内設置へ

 
  高濃度の放射性物質を含む焼却灰などの「指定廃棄物」の処理をめぐり、横光克彦環境副大臣が二十一日、千葉県庁で森田健作知事と会談し、最終処分場を県内でも確保する方針を伝え、協力を要請した。国は九月までに県内の候補地を選びたい考え。森田知事は「国が責任を持ってやるということは助かる。県も一生懸命やる」と述べ、協力する姿勢を示した。
 
  放射性セシウムの濃度が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルを超える廃棄物は、放射性物質汚染対処特別措置法で「指定廃棄物」とし、発生した都道府県内で国が処理することになっている。
 
  国は九月までに県内の国有地を中心に最終処分場の候補地を選定し、十月以降に周辺住民に説明する方針。県内の最終処分場が何カ所になるかは未定で、国有地以外が選ばれる可能性もある。県には資料提供や現地調査などへ協力を求めた。
 
  国はこれまでに県内で約九百トンの廃棄物を指定済み。県によると、県内で八〇〇〇ベクレルを超える焼却灰などは約四千五百トン(四月十日現在)あり、指定廃棄物は今後も増える見通しだ。
 
  横光副大臣は会談後、報道陣に「一番大事なことは地域住民の理解だ。県と協力しながら進めていきたい。具体的な候補地名は出てない」と説明した。
 
  候補地選びは難航も予想されるが、森田知事は報道陣に「国がやると言い切っているので信頼したい」と述べた。国は茨城県などにも協力要請している。

────(小川直人・東京新聞)2012年5月22日 東京────

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