三陸沖から房総沖にかけて海底のプレート境界でマグニチュード(M)9・0に達するような津波を伴う巨大地震が発生する確率は今後30年以内に30%程度と考えられる―。政府の地震調査研究推進本部(推本)が、この地域での地震活動の長期評価を見直した結果を25日までにまとめました。
東日本大震災を引き起こした「東北地方太平洋沖地震」と同タイプの地震は600年に1度程度起こると推定しています。
見直しは、この地域を「三陸沖北部から房総沖の海溝寄り」、「三陸沖北部」、「三陸沖中部」、「三陸沖南部海溝寄り」、「宮城県沖」、「福島県沖」、「茨城県沖」、「房総沖」の8領域に分けて行いました。三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域では、東北地方太平洋沖地震によってこれまでのひずみが解放されたり一部が解放されたりしたものの、三陸沖北部海溝寄りや、福島県沖から房総沖の海溝寄りではひずみが解放されていなかったり一部しか解放されていないと判断しました。それをもとに、この領域でM8以上の地震が30年以内に発生する確率を計算した結果30%程度で、50年以内では40%となりました。次の地震も津波地震とすると、その規模は過去の地震からM8・6~9・0と推定されるとしています。
一方、宮城県から福島県にかけての太平洋沿岸で、紀元前4~同3世紀と、4~5世紀、869年(貞観地震)、15世紀と過去2500年間に4回の巨大津波による堆積物が見つかったことを挙げ、東北地方太平洋沖地震タイプの巨大地震は400年から800年間隔(平均600年間隔)で起きていたと結論。地震の規模はM8・4~9・0とみられるとしています。これまで、東北地方太平洋沖地震は貞観地震以来と考えられ、1000年に1度とされてきました。
また、三陸沖北部ではM8・0の地震が30年以内に0・7~10%、M7・1~7・6の地震が同90%程度、宮城県沖ではM7・0~7・3の地震が同60%程度、福島県沖ではM7・4の地震が同10%程度、茨城県沖ではM6・7~7・2の地震が同90%程度の確率で発生すると推定しました。
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