県は茂原市と袖ケ浦市の2か所に、新たな工業団地の造成を検討している。有識者らの外部委員会で採算面などが評価され、年度内にも結論を出す方針だ。県内では2002年度から新規の工業団地造成は凍結されていたが、東京湾アクアライン値下げや圏央道の開通効果を見込み、10年ぶりに再開、攻勢に転じる。
造成候補地は、茂原北インターチェンジ(IC)付近に県土地開発公社が取得済みの「茂原にいはる工業団地」用地(約42ヘクタール)と、姉崎袖ケ浦IC近くに県企業庁が保有する「袖ケ浦椎の森工業団地」用地(約50ヘクタール、2・3期分)。いずれもアクアラインや圏央道の開通で交通アクセスが向上し、需要が見込めると判断した。
県は有識者らでつくる県工業団地整備検討委員会(委員長・大西隆東大教授)に諮問。同委は大まかな設計や概算費用、分譲価格などをもとに採算性や企業の需要などを検討し、候補地を絞り込んだ。
総事業費は茂原が約37億円、袖ケ浦が約39億円と見込まれている。欧州の信用不安など今後の経済環境が不透明な上、長引く円高で企業の海外進出も加速しているため、工業団地を新設してもすぐに企業を呼び込めるとは限らず、先行きが注目される。
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