2012年6月12日火曜日

【千葉】県内企業の影響調査
売り上げ減6割 風評被害は3割

 
 県は東日本大震災や福島第一原発事故の影響に関し、県内企業がどのようにとらえているかを尋ねた調査報告書をまとめた。震災により売り上げが減ったのは回答企業の六割に及び、風評被害に遭った企業も三割近くあった。県は「詳細に分析し、支援策などの参考にする」としている。
 
  調査はちばぎん総合研究所に委託。五千三十六社にアンケートを送り、千五百三十九社から回答があった(有効回答率30・6%)。調査期間は昨年十二月二十八日~今年二月十日。 

 報告書によると、回答企業のうち「震災で直接被害があった」のは35・0%。東京湾岸からは「敷地内の液状化で水道管が破裂し、排水溝や下水道が砂で埋まった」、旭市や銚子市内の企業からは「海水が工場内に浸水し、生産設備などに被害」「工場の送水管に津波で流された船がぶつかり破損、操業停止を余儀なくされた」といった声が上がった。一方、震災の影響で売り上げが減少したのは62・4%。「消費者の過剰な自粛」「販売仕入れ先の被災」「風評被害」「計画停電」を理由に挙げる企業が多かった。売り上げ回復の時期については四割近くが、震災から一年を超えた四月以降と見込んだ。およそ八割が一年以内の復旧とした「直接被害」と比べ、長い時間を要することが浮き彫りになった。「風評被害があった」のは、回答企業の27・8%。ホテル・旅館業や飲食店のほとんどがあったとし、不動産業からも「放射能汚染の影響を心配し、柏市方面の賃貸マンションの退去者が増えた」との指摘があった。また風評被害の払拭(ふっしょく)に「一年以上かかる」としたのは六割に達した。(堀場達) 
 
────2012年4月5日東京────

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