2012年6月26日火曜日

【千葉】
大震災の県内被害 1912億円
千葉銀系財団白書

 千葉銀行系の公益財団法人・ひまわりベンチャー育成基金は「ちば経済白書2011」を発行した。白書は東日本大震災が県内産業や公共部門にもたらした被害総額を、二月二十四日時点で千九百十二億円と積算。調査の取りまとめに当たったちばぎん総合研究所によると、放射性物質の除染や風評被害などで、今後も被害額は増える見込みという。

 被害額の内訳は、産業と公共部門を合わせた「直接被害」が千百十八億円、産業への「間接被害」が七百九十四億円。

 公共部門では、地震や液状化で損壊したインフラ施設の復旧費として、県と主要市町が計上した補正予算額を集計するなどした金額が六百四十八億円。がれき処理や津波被害額として旭市が予算化した三十四億円、東葛地方を中心とした放射性物質の除染費用を四十億円と見積もった。

 産業の直接被害は、液状化などで農地や施設が受けた打撃を百七十億円、津波による漁業被害を七十二億円と試算した。コスモ石油千葉製油所の爆発炎上事故の被害額は百三十二億円としている。

 間接被害は、震災直後の休業に伴う東京ディズニーリゾートの売り上げ減五百五十四億円が目立っている。風評被害額は農業が四十八億円、漁業が三十四億円。このほか、ちばぎん総研の調べによる主要企業や観光産業の間接被害額は百五十八億円に及んだという。

 白書は復旧に向けた動きにも言及。「各企業の懸命の努力で昨年四月中には多くの県内企業で生産活動や販売業務が通常ベースに回復した」とし、夏場までにサプライチェーン(部品供給網)が復旧したことなどによって、製造業の生産活動が同年十月ごろには「ほぼ震災前の水準に戻った」と指摘した。

 千八百部作製。希望者には一部千円で販売する。問い合わせは同基金=電043(301)8284=へ。 (堀場達) 

────2012年4月15日 千葉日報────

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