2012年8月15日水曜日

津波、浸水域に地域性
液状化は地盤改良有効
────県検討専門委が提言────

 
 東日本大震災による津波や液状化の対策について検討してきた「東日本大震災千葉県調査検討専門委員会」(座長・中井正一千葉大大学院教授)は、津波は浸水域や高さに地域性があることや液状化対策に地盤改良が有効であるなど県民に知らせるべき事項を盛り込んだ提言を取りまとめ、県に提出した。津波避難では、スマートフォンなどを活用した新たな情報発信を検討するよう求めたほか、液状化では地質構造などについて今後も調査研究を進めるよう訴えた。
 
 県は昨年6月、地震や津波の専門家でつくる調査検討専門委員会を立ち上げ、震災で液状化被害を受けた地域や、県内を過去最大の津波が襲ったとされる元禄地震(1703年)の津波の痕跡などについて検証。県が25日に公表した津波浸水予測図や液状化しやすさマップの作成の際にも、助言や指導を行ってきた。
 
 今月25日の最終会議で県に提出した提言では、津波について、震災で多くの犠牲者が出た旭市飯岡地区はチリ地震でも周囲より高めの津波が来襲するなど「津波高や浸水域には地域特性がある」とした。
 
 また、九十九里浜や内房、東京湾内湾など地域によって津波の到達時間や避難場所までの距離が大きく異なるため「地域に応じた津波対策や住民啓発が行われるよう、沿岸市町村との協力を推進すべき」と訴えた。津波避難では、県外からの来訪者も念頭に、スマートフォンなどへの情報発信や地図情報の活用など新たな方策を検討するよう求めた。

────2012年04月30日千葉日報────

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