2012年10月13日土曜日

────千葉────
災害復旧費が37倍増
震災の影響大きく 基金取り崩しで確保
54市町村の本年度当初予算

 県内54市町村の2012年度の普通会計当初予算額は、前年度比1%増の1兆9627億4500万円となり、4年連続で増加したことが県のまとめで分かった。東日本大震災を受け、前年度2億1300万円だった災害復旧事業費が約37倍の79億4600万円と激増し予算規模を押し上げた。一方で、収入の柱となる市町村税は1・3%減少しており、国からの地方交付税や基金の取り崩しで不足財源を確保。基金の取り崩し額は前年度より96億6900万円(21・2%)増え、本年度末の基金残高は大幅に減少する見込みで、今後の市町村の財政運営は厳しさを増しそうだ。 

 県市町村課によると、歳入は、市町村民税が企業収益の回復などで38億9700万円(0・9%)の増加となったものの、固定資産税が評価替えに伴い173億4300万円(4・4%)減少し、市町村税は全体で前年度比122億5400万円(1・3%)減の9278億9千万円と2年ぶりに減少した。 

 一方で、震災復興特別交付税が31億2700万円計上されたことにより、地方交付税は同184億1100万円(13・4%)増の1559億6800万円となった。地方債も防災・減災事業費の増加などで145億7300万円(8・8%)増加したほか、繰入金も88億4400万円(17・7%)増加。不足財源は、自治体の貯金に当たる財政調整基金(財調)の取り崩しや起債などでしのいだ。

 財調残高は11年度末の1555億5200万円から1224億500万円と21・3%の大幅減となり、基金残高は13・8%(394億7千万円)減の総額2467億8200万円まで減少。同課は「自治体によっては年度間の財源調整が困難な状態にまで減少する」と危機感を募らせている。

────2012年06月04日 千葉日報────

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